takeov3さん作 「シリアスサム II」
2006年3月1日
※レビューコンテストという性質上,4Gamer編集部では最低限の校正しか行っていません。ご了承ください。
PCゲーム業界では毎年,さまざまなゲーム機の先陣をきって最新技術搭載のゲームが発売される。しかしながら家庭用ゲームの系譜には,PCゲームのそれとは大きく異なるDNAがある。それはマリオ,ソニック,ポケモン(ポケットモンスター)などに代表される,キャラクターゲームだ。
これらのゲームは,その世界観に「ゲームの世界だから」としか言いようのない非現実性を持ちつつ,そのほとんどが,キャラクターとゲーム性をマイナーチェンジに留める程度で,繰り返しヒットを飛ばしている。グラフィックスデザインや音楽にもポップ感が溢れ,それらだけですら人気があるものが多い。
PCゲーム業界は,現実のデータ/史実データに基づいたものや,型にはまったSF志向のジャンルこそ得意なものの,この,キャラクターゲーム特有の個性の出し方が不得手だ。そんなことを日頃思っていたら,意外なところで,非常にポップ感に溢れ,なおかつPCならではの魅力をもった作品に出会えた。
それが「シリアスサム II」だ。
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筆者は,前作を体験版程度しかプレイしていないのだが,シリアスサムシリーズといえば,敵を見たら先に撃て,考える前に早く撃て,早くしないと,あの「首なし」(敵キャラ:kamikaze)の叫び声が近づいてくるよ……といったホラーな内容だと思っていたのに,どうやら相当ポップな内容になっているようだ。
単純なゲーム性であることの良い部分はそのままに,サムを含め敵キャラなどのデザイン性と能力を前面に押し出し,戦いはいつだって陽気に,ハリウッド映画よりも派手な戦いで進行していく。
例えば生物タイプの敵のデザインは,幼児用のおもちゃのような丸みを帯びた感じで統一されており,一方で機械タイプの敵キャラクターは,ブリキのおもちゃのようなデザインで統一されている。
また,イノシシやアメフトの選手のような敵を見れば,ああこいつらは真っ直ぐ突進するんだなと分かる。
2,3体現れたところで怖くない,ギリギリでもかわすことができる。
ところがアメフト選手はボールを持っている。実は爆弾であり,サムをゴールよろしくタッチダウン自爆しようとしているのだ。しかもアメフトのプロテクターをつけているので,簡単にはやられてもらえない。
こんな奴らが突然10体近く,わんさか出現したりするのだ。
サムと一体となった私は,「うぉお」などと思わず声を出しながら,敵をかいくぐり殲滅を目指す。
たまらない楽しさだ。
また高解像度テクスチャのおかげでスケール感も優れており,序盤に現れる巨大クモ戦は,ゲーム史に残る,素晴らしい迫力なので必見だ。
体験版でも遭遇できるので,ぜひ経験してほしい。
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感心したのは,そのゲーム性だけではない。ゲームエンジンにも,少し触れたいと思う。
シリアスサム IIに使われた新ゲームエンジンはかなり優れているようで,実は掲載したスクリーンショットのような美しいグラフィックスの割には,かなり軽い。
筆者の環境は一番下に表記しておこうと思うが,グラフィックスチップはGeForce 6800 GTである。シリアスサム II発売時点で,決してハイスペックといえないマシン構成にもかかわらず,グラフィックスのオート設定では,
- テクスチャMAX設定
- 画面サイズ1152×864ドット
- アンチエイリアス×4
- 異方性フィルタリング×4
が設定された。
これに加え,数十体のキャラクターに同時に影まで描画するのだから恐れ入る。ぜひみんなにプレイしてほしいんだという意気込みが伝わってくる。
またオプション設定も豊富に揃っており,テクスチャ設定関係でも5項目,LODなんて項目も細かく設定可能だ。LODの設定を高くすると非常に画面は美しくなる。
標準でHDRの設定項目をもっているのも特筆すべき点だと思われる,もっとも,ONにすると非常に重くなるうえ,通常はサムには邪魔だろう。敵の発見が困難になるだけだと想像できる。













