― プレビュー ―
アクションゲーム感覚で爽快な戦闘が楽しめるMMORPG
メティン2
Text by Chun
2006年3月24日

※以下の記事は,2006年3月20日時点(クローズドβテスト最終日)でのゲーム内容をもとに制作しています。あらかじめご了承ください。

 

 ゲームポータルサイト「ネットマーブル」を運営するCJインターネットジャパンは,新しいコンテンツとしてMMORPG「メティン2」の提供を予定している。
 3月10日から3月20日までの間クローズドβテストが実施された作品なので,実際にプレイして分かったことや感じたことなどをレポートしよう。

 メティン2は,オリエンタルテイストの世界観をベースとするMMORPGだ。ゲーム内の建造物やキャラクターの衣装などは東洋文化をモチーフにしてデザインされているだけあって,西洋ファンタジーのゲームで一般的なゴブリンやオーガの代わりに,狐や虎などがモンスターとして登場する。そのような東洋ファンタジーの世界を舞台に,三つの国による熾烈なRvRが展開されるのだ。
 メティン2の舞台になっている大陸は,「新授国」「天調国」「進努国」の3国と,それらの国々に属さない中立地帯とで構成されており,プレイヤーは必ずいずれかの国の軍隊に所属することになる。
 それぞれの国は複数のエリアからなり,ダンジョンなども存在するようだが,残念ながら,クローズドβテストでは各国の二つのエリアしか公開されていなかったため,それ以外のエリアについての詳細は不明だ。

 ゲームを開始した後,キャラクターを作成するときにどの国に所属するかを選択するのだが,クローズドβの仕様では,プレイヤーのアカウント自体が,最初に選択した国に固定されてしまった。CJインターネットの関係者によれば,オープンサービスにおいては,キャラクターを削除することによってリセットされ,国を選びなおすことが可能だとのことなので,まずは一安心。

 

 

■キャラメイクおよび成長システムはシンプル

 

フィールドにはエリアとエリアを結ぶポータルが設置されており,マップを開くと水色の点で示されている。ポータルを抜けると別のエリアに行けるが,クローズドβでは1か所にしか行けなかった

 キャラクターの職業や性別について説明しよう。メティン2で選択できる職業は,「武士」「刺客」「巫女」「修羅」の4種類。衣装のカラーリングこそ2種類ずつ用意されているものの,性別については武士と修羅が男性に,刺客と巫女が女性に,それぞれ固定されている。
 なお,クローズドβテストに使われたバージョンでは,キャラクターの作成時にボーナスポイントを各ステータスに割り振れないようになっていた。

 キャラクターがレベル5になると,“軍職”に就くことになる。軍職は職業ごとに二つずつ用意されており,例えば武士の場合,どちらの軍職を選択するかによって,それ以降習得するスキルの種類が変わり,キャラクターのタイプが攻撃重視型と防御重視型に分かれるのだ。刺客はタイプの変化がもっとも大きい職業で,短剣や剣を使った近接攻撃を得意とするタイプと,弓を使った遠隔攻撃を得意とするタイプに分岐する。
 職業自体は4種類だが,レベル5などすぐに到達するので,キャラクターには実質的に8種のタイプがあると考えていいだろう。

 さらに,獲得したステータスポイントの配分次第では,体力の高い巫女など,さまざまなタイプのキャラクターに育てることが可能だ。なお本作でちょっと面白いのは,次のレベルに上げるために必要な経験値の4分の1を獲得するたびに,ステータスポイントを1ずつ獲得できるということ。

 キャラクターのスキルレベルを上げていくと,上位スキルを扱うことが可能になる。特定のスキルがレベル20を超えると“マスター”になり,マスターになった後,そのスキルに該当する修練書を読むと“グランドマスター”へと成長する仕組みだ。
 スキルポイントは,キャラクターのレベルが上がるごとに1ずつしか増加しないので,スキルの向上は慎重に行いたいところだ。とはいえ,スキルを高めることによってより強力なスキルを獲得できるし,レベルを上げるスキルの選択によっては,とても個性的なキャラクターに成長する可能性を秘めているともいえるだろう。

 

武士

 武士は,剣や槍を豪快に振り回して近接攻撃を行うことを得意とする職業だ。高い運動能力を備えており,先に述べたように,軍職に就くことによって攻撃重視型と防御重視型のキャラクターに分岐する。攻撃重視型を選択した場合,より頑強な防具を装備して防御面を補いつつ,大勢の敵の真っ只中で豪快な技を繰り出す戦闘スタイルが魅力的なキャラクターになるだろう。

 

 

 

刺客

 刺客の戦闘スタイルは,短剣などを用いての近接攻撃であり,武士の豪快さとは一味違うスピード感が心地良い。刺客の場合,軍職に就くと近接攻撃に特化したタイプと,弓を使いこなす遠隔攻撃に特化したタイプに分岐する。
 弓による攻撃は強力なのだが,基本的には攻撃対象となるキャラクターが1体に限定されているので,注意が必要だ。ただしスキルを習得することにより,複数の矢を一度に射たり,敵を貫通するほどの強力な矢,火の付いた矢,あるいは毒の塗られた矢を射たりできるようになる。
 また,近接攻撃型の刺客が習得できるスキルには,敵に毒を吹きかける攻撃スキルなどもあるので,刺客はほかの職業とはやや異なるスタイルで戦える職業といえるだろう。
 ただし,武士や修羅と比較すると体力面では見劣りする職業なので,無理な戦いは禁物だ。

 

 

 

修羅

 修羅の左手には魔力が秘められており,軍職に就くことでその魔力を発揮できるようになる。一方の軍職は,魔法を使って攻撃や防御を行うことを得意とするほか,片手剣を用いた攻撃も比較的強力だ。魔法と片手剣による攻撃を組み合わせれば,敵に大きなダメージを与えられるだろう。
 もう一方の軍職は,攻撃や防御の補助的な用途として魔法を活用することが可能だ。例えば,一定時間のみ魔法の力を武器に与えることによって特殊な攻撃効果を発揮させたり,敵の攻撃力を一時的に低下させたりできる。武士と比較すると攻撃力の劣る修羅だが,魔法さえうまく使いこなせれば,彼らとも十分に渡り合える職業だ。

 

 

 

巫女

 巫女は,鉄の扇子を使い,宙に舞うようにして近接攻撃を行うユニークな職業だ。4種類の職業の中ではもっとも体力が低いものの,軍職に就くことによって強力な魔法を操れるようになる。攻撃魔法には,単体のキャラクターに対して大きなダメージを与えるものや,ある程度の範囲に対してダメージを与えるものなどがある。
 巫女の場合は,雷を操る強力な攻撃魔法と,体力などを回復させる魔法を持ち合わせる軍職と,龍神の力を借りる魔法攻撃,防御魔法,そしてクリティカル率を向上させるなどの補助魔法を操ることが可能な軍職とに分岐する。
 どちらの軍職を選んだとしても,グループでの戦いに不可欠な頼もしい存在になり得る職業である。

 

 

 

■敵をまとめて一掃する爽快感

 

メティン2では馬に乗ることも可能。クローズドβでは,厩舎の護衛兵が居ないため馬には乗れなかったが,チケットのようなものを護衛兵に渡すことで乗れるようになるようだ

 メティン2の最大のアピールポイントは,一度に多数の敵を相手にできる戦闘システム。そもそもメティン2では,最低3体の敵キャラクターが一つのグループとして扱われており,いずれか1体を攻撃すると,同じグループのキャラクターが一斉に反撃してくる。そのためメティン2では自然と,複数の敵を相手にして戦うことになるというわけだ。だからこそ,一度の攻撃で複数のキャラクターにダメージを与えられる,本作の戦闘システムが生きてくるのだ。
 敵キャラクターがあらかじめグループ化されているシステムを備えるRPGは,あまり見かけない。ほかのゲームの場合,敵が密集しているシチュエーションで,“リンク”と呼ばれる現象により,複数の敵から襲われることはしばしばある。そのため,複数の敵の中から1体だけをうまく引き付けて戦うといった戦術が要求される。誤ってそれらのキャラクターに囲まれると,すべての敵を倒すのに手を焼き,厄介なことになってしまう。
 しかしメティン2では,複数の敵が襲ってくることが最初から想定されており,むしろ楽に倒せる敵を自分の周囲に集めておき,一気に“乱獲”するといった戦い方ができるのだ。
 スキルや魔法についても同様で,近接攻撃用のスキルや魔法はそのほとんどが,一度の攻撃で周囲にいる複数の敵にダメージを与えられるようになっている。

 弱めの敵をまとめて倒すことにより,ダメージを受ける回数や体力の回復に要する時間,ポーションなどの消費量を減らせるため,実際にプレイしていても,経験値稼ぎが比較的楽に感じられた。ただそのためか,長い時間同じ敵を倒し続けることになり,少々マンネリ感を覚えたのも事実。その点は今後,改善が必要になるのではないだろうか。
 とはいえ,多数の敵を相手にするということはリスキーでもあり,自分よりもある程度強めの敵を誤って攻撃したり,好戦的で強力な敵に襲われたりすると,一気に倒されかねない。爽快な戦闘が楽しめる半面,慎重な行動が要求される場面もあるわけだ。

 さて操作性はどうかというと,マウスだけでもプレイできるし,キーボードとマウスの併用も可能。マウスで移動先をクリックすることで移動できるほか,キーボードのW/A/S/Dキーの使用にも対応。ホットキーはフルキーの1/2/3/4と,F1/F2/F3/F4に割り当てられている。
 また,視点移動やズームイン/アウトはマウスとスクロールホイールで行えるとともに,キーボードのQ/E,R/F/T/Gに割り当てられている。左手だけでほとんどの基本的なオペレーションが行えるのはとても便利で,基本は押さえられていると感じた。

 

“乱獲”を行っている様子。楽な相手を20体近く集めてまとめて倒せば,比較的楽に,しかも無駄に体力を消費せずに経験値を稼げる

 

フィールドにはまれに「〜王」と,名前に王が付く敵キャラクターが現れることがある。スタート地点の街の周辺にも,狼王や猪王,熊王などが現れるが,いずれもレベルが高いうえに攻撃的なので注意が必要 メティン2に登場する敵キャラクターは,動物型だけではない。街から離れた治安の悪化したエリアには,盗賊団として群れているNPCも多数存在し,冒険者を待ち構えている

 

 

■武器や防具を強化

 

メティンストーンを破壊しようとすると,その石のレベルに応じた敵キャラクターが周辺に出現する。ストーン破壊を阻止しようと襲い掛かってくるので,なかなか破壊できない

 メティン2の武器や防具について説明しよう。
 槍や大剣などは武士専用で,片手剣は巫女を除く全ての職業で使用可能だ。短剣や弓は刺客専用で,扇子や杖は巫女専用になっている。つまり,職業ごとに使用できる武器が制限されているわけだ。修羅には専用の武器がないようだが,修羅の左手には特殊な魔力が秘められており,片手剣と魔法との連携で強力な攻撃が繰り出せることから,バランスは取れている……ように思える。

 また,お約束の武器や防具を強化するシステムも採用されている。店で売られている武器や防具は,+0のノーマル品で,敵がドロップしたアイテムについては,+0〜+2まで存在することを確認した。システム的には,+9まで強化できるようになっている。
 強化といってもややこしいものではなく,“メティンストーン”を破壊して得られる霊石を,武器や防具などのアイテムソケットに取り付けるだけ。メティンストーンはフィールド上にランダムに発生するので,あちこち歩き回って探し出す必要がある。
 また,メティンストーンにはいくつものレベルがあるようで,破壊するために攻撃を加えると,そのメティンストーンのレベルに応じて,さまざまな種類の敵キャラクターが周囲に出現し,破壊を妨害すべく攻撃を加えてくるのだ。さらにメティンストーン自体も非常に硬いうえ,放っておくとみるみるうちに元に戻ってしまうので,簡単には破壊できない。
 そのため,メティンストーンを破壊するには,仲間とパーティを組み,周囲に出現する敵を倒しつつ,メティンストーンに攻撃を加えるといった連携が要求されるのだ。

 さて防具だが,鎧については職業ごとに専用のものが用意されている。店で売られているのは装備品の一部に過ぎず,敵を倒すことで獲得できる中間装備などが存在するのだが,同じ職業だと同じような見た目になってしまうのは,少々物足りなく感じた。この点については,今後,種類や色が増えることに期待したいと思う。

 今回のクローズドβテストでは,まだ実装されていない要素も多く,実際にプレイできたのは,レベルアップ時に受けるクエストや,敵を倒して入手する指令書により発生するクエストなどの一部のクエストとレベル上げ程度だ。メティン2の特徴である感情表現,ギルド基地の建設,乗馬,釣りといった要素を体験できなかったのは残念だった。これらはオープンサービス以降で実装される予定なので,ぜひ自分の目で確認してほしいと思う。

 システムだけをつらつらと書き連ねると,いわゆる「よくある韓国産MMO」に思えるが,運営元自らがウリにする「痛快なアクション」はなかなか良い。多数の敵をひとまとめにバッサバッサと切り倒せるのは爽快で,一気に20匹くらいの敵を倒していると,まるでアクションゲームのようだ。オープンサービスは本日(3月24日)に開始されたので,クローズドβテストに参加できなかった人もぜひプレイしてみよう。

 

指令書のクエストとしても,メティンストーン破壊の依頼を受ける場合がある。高レベルのメティンストーンの破壊は容易ではなく,グループを組み,出現する敵キャラクター達を倒しつつ破壊に挑むことになる クエストはレベルが上がるごとに発生するものと,街でNPCに話しかけて発生するものがある。そのほかに,敵を倒すとごくまれに指令書をドロップすることがあり,これを使っても簡単なクエストが発生する。クエストの数は,それなりにありそうだ レベル5になると,二つの軍職のうちいずれかを選択する必要がある。軍職を選択すると,その軍職に応じたスキルを獲得できるようになり,スキルポイントを割り振ることによって,初めてそのスキルを使えるようになるのだ

 

タイトル メティン2
開発元 Ymir Entertainment 発売元 CJインターネットジャパン
発売日 N/A 価格 基本プレイ料金無料
 
動作環境 対応OS:Windows 98/Me/XP(+DirectX 8.1以降),Pentium III 700MHz以上[Pentium 4 1.5GHz以上推奨],ATI Radeon 7000以上/nVIdia RIVA TNT2以上[ATI Radeon 8500以上/Geforce3 Ti以上推奨],メモリ128M以上[256M以上推奨],DirectX 8.0互換のサウンド環境,HDD空き容量:500MB以上

Copyright Ymir Entertainment. All rights reserved.

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