プレビュー : P5K Deluxe/WiFi-AP

Intel P35 Expressチップセットの“オーバークロック周り”を調べる

P5K Deluxe/WiFi-AP

Text by Jo_Kubota
2007年5月29日

 

»  Intelは,新型チップセット「Intel 3」シリーズを準備中だ。間もなくの出荷開始となる同シリーズは,次世代CPUやDDR3メモリへの対応などスペック的に見どころが多いが,ここに来て,チップセットレベルでオーバークロック関連の“遊び”があるという情報が入ってきた。そこで,今回はまず,気になるオーバークロック周りについて,チェックしてみることにしよう。

 

P5K Deluxe/WiFi-AP
メーカー:ASUSTeK Computer
問い合わせ先:ユニティ コーポレーション(販売代理店) news@unitycorp.co.jp
予想実売価格:3万7000円前後(2007年5月29日現在)

 Intelは,「Core 2 Duo」向けチップセットとなる「Intel 900」シリーズの後継製品,「Intel 3」シリーズを準備中だ。
 現在のところ,Intelからリリースされているのは製品名と一部の概要のみだが,情報筋によれば,デスクトップのミドルレンジ〜ハイエンド向けとなる「Intel P35 Express」(以下P35)と,ローエンド〜ミドルレンジ向けのグラフィックス機能統合型「Intel G33 Express」を搭載したマザーボードは,そう遠くない将来の発売が予定されているという。

 

 

システムバス1333MHzのPenrynとDDR3メモリを
サポートするIntel P35 Express

 

 これまで同社のデスクトップ向けチップセットは,Socket 3用の「Intel 420」以降,10年以上にわたって3桁の数字+アルファベット表記だったが,Intel 900で900番台に到達してしまったため,Intel 3シリーズで仕切り直しとなった次第だ。

 

Penrynベースとなるデスクトップ向けCPU

 さて,P35の特徴は何かという話になるが,最大のトピックは,45nmプロセスで製造されるIntelの次世代CPUで,開発コードネーム「Penryn」(ペンリン)世代のデスクトップ向けCPU「Yorkfield」「Wolfdale」に対応することだ。Yorkfield(ヨークフィールド)はクアッドコア,Wolfdale(ウルフデール)はデュアルコアで,いずれも2007年後半の登場が予定されている。
 また,YorkfieldとWolfdaleで導入されるシステムバスクロック1333MHzはもちろんサポート。2007年第3四半期のリリースが予定される,「Conroe」コアのシステムバスクロック1333MHz版Core 2 Duoも,P35マザーボードでは利用できるようになる。

 

 もう一つの大きなポイントは,対応メモリだ。P35ではIntel 900シリーズがサポートするDDR2 DIMM(DDR2メモリモジュール)だけではなく,DDR3 DIMM(DDR3メモリモジュール)もサポートされることだ。ただし,DDR2とDDR3の同時利用は不可。メモリスロットの物理的な互換性がないことや,1GBモジュールで比較したとき,DDR2が6500円前後,DDR3が3万円超(いずれも2007年5月29日現在)と,ちょっとお話にならないほど価格差が開いていることから,実際に流通するマザーボードは,DDR2対応モデルが当面主流になるようだ。

 

 ちなみに,2007年5月時点でDDR2は800MHz駆動(PC2-6400)までがJEDEC(※メモリの標準化団体)の規格だが,DDR3では1066MHz駆動のPC3-8500がサポートされている。
 このほか,サウスブリッジとなる「ICH」が「ICH9」となり,Intel Turbo MemoryをサポートしたのもP35の特徴として挙げておくべきだろう。「Intel P965 Express」(以下P965)との違いは表1にまとめたので,参考にしてほしい。

 

 

 

DDR2メモリ対応のP5K Deluxe
独自機能などオーバークロック周りが充実

 

 さて,今回4GamerではASUSTeK Computer(以下ASUSTeK)製のP35+ICH9R搭載マザーボード「P5K Deluxe/WiFi-AP」(以下P5K Deluxe)を,同社から借用できたので,テストの前にボードを概観してみよう。

 

ATXフォームファクタを採用するP5K Deluxe。メイン電源は24ピン+8ピン仕様だが,後者はATX12V対応の4ピンコネクタもサポートされる。最近のASUSTeK製ボードらしく,チップセットの熱はヒートパイプでメイン電源部に運ばれ,CPUクーラーの風で冷却される仕様だ。2本のPCI Express x16スロットは片方が16レーン,片方が4レーン(もしくは1レーン)。スロットの構成上,2スロット仕様のグラフィックスカードを2枚差すと,利用できるPCIスロットの数は1本だけになるので,この点は気をつけておきたい

 

導電性高分子アルミ固体電解コンデンサを全面的に採用するのも,オーバークロック耐性の強化には一役買っているといっていいだろう

 ところで,2007年3月の「CeBIT 2007 Hannover」レポートでもお伝えしているとおり,マザーボード業界関係者からは「P35はP965よりもオーバークロック耐性が高い」という話がよく聞こえてくる。また,4Gamerによる追加の取材では,同様の内容をIntel関係者の口からも聞くことができた。
 オーバークロック耐性というと,マザーボードメーカー側の努力の賜物といった印象が強いと思うが,そもそもの話として,チップセット側である程度は“そういう仕様”になっていないとどうにもならない。その意味においてP35はかなり期待できそうな気配がしてきたので,今回は4Gamerのリファレンスボードである,同じASUSTeK製のP965搭載マザーボード「P5B Deluxe」を用意して,ベンチマークレギュレーション3.1準拠の「標準設定」(ただしCPUパフォーマンスを見るため,「高負荷設定」は利用しない)だけでなく,標準設定でオーバークロックした状態でもスコアを取得してみることにした次第だ。

 

 テスト環境は表2のとおり。基本的にはいつものように「Core 2 Duo E6700/2.66GHz」を用いてスコアを取得しつつ,「Core 2 Duo E6320/1.86GHz」を用いてオーバークロックも試みる。また,GPU(グラフィックスチップ)のボトルネックをできる限り排除するため,グラフィックスカードは「GeForce 8800 GTX」搭載製品を用意した。
 なお,一つお断りを。P5K Deluxeは発売前ということもあり,BIOSが製品版とは異なる。パフォーマンスは若干低めに出ることが予想されるので,この点は記憶に留めておいていただきたい。

 

 

BIOSの「JumperFree Configuration」から「AI OverClocking」を[Manual],「FSB Frequency」を[266],「DRAM Frequency」を「DDR2-800MHz」に指定した。写真はまさにメモリクロックを変更しようとしているところ

 オーバークロックのテストに当たっては,右に示したとおり,P5K DeluxeとP5B DeluxeでBIOS設定を共通化。マザーボードに付属の「ASUS AI Suite」をインストールし,「AI Booster」を用いて,Windows上からFSB&メモリクロックを変更した。
 AI Boosterを使った理由は二つ。一つには,Windows XP上でリニアにFSBクロックを変更可能なので,測定が容易になるため。もう一つは,CPUの状態に応じて自動的にCPUコア電圧やチップセット電圧を上げてくれるためだ。BIOSからFSBクロックを変更したときに自動的に電圧が上がるケースもあるが,たいていは起動すらしなくなるため,どこまで起動するか非常に見極めが難しい。その点,AI Boosterを使えばCPUを壊さない程度にまでソフトウェアが電圧を上げてくれるため,安定動作するポイントが探しやすいのである。また,設定した内容は自動的にBIOS設定に反映されるため,再起動しても同じクロックで起動できる。

 

AI BoosterからFSB 400MHzに設定したところ

 さて,「3DMark06 Build 1.1.0(以下3DMark06)のGame Testsが3回連続で完走した状態」を「問題なく動作した」と判断することにして,同一個体の製品ボックス版Core 2 Duo E6320を用いてオーバークロックを試した結果,P5K DeluxeはFSBクロック400MHz(システムバスクロック1600MHz),対するP5B Deluxeだと同370MHz(同1480MHz)に留まった。実クロックは順に2.80GHz,2.59GHz。2万円台前半で購入できるCore 2 Duo E6320が,P5B Deluxeでは4万円強のCPUに一歩及ばず,P5K Deluxeでは上回ったことになる。
 この結果を踏まえ,Core 2 Duo E6320については,リファレンスとなる1.86GHzのほか,2.59GHz,そしてP5K Deluxeでは2.80GHzでもスコアを取得することにした。テストするベンチマークはCore 2 Duo E6700の通常クロックに加え,Core 2 Duo E6320の通常クロック1.86GHz,オーバークロックとなる2.59GHz,そしてP5K Deluxeでは最大設定となった2.80GHzにて計測を実施。CPUクロックとFSB,メモリクロックの関係は表3にまとめたので,参考にしてほしい。

 

 

 なお,言うまでもないことだが,オーバークロックは自己責任の行為である。オーバークロックを実行した時点でCPU,マザーボードのメーカー保証はなくなるので,くれぐれもご注意を。また,以上のテスト結果はあくまで4Gamerで入手した個体のものであり,テスト対象のCPUがそのクロックで動作することを保証するものではない。また,オーバークロック動作により,ゲーム自体の安定性を損なう危険が上がる可能性も,意識しておく必要はあるだろう。

 

 

“FSBが効く”オーバークロック動作
同一クロック動作ではP965に一日の長が

 

 前置きがたいへん長くなった。テスト結果は一気に見ていくことにしよう。グラフは解像度ごとに上2本がCore 2 Duo E6700を用いたもの,下の5本がCore 2 Duo E6320を用いたものになる。
 というわけで3Dベンチマークソフト,3DMark06および「3DMark05 Build 1.3.0」(以下3DMark05)のテスト結果を,まずはグラフ1,2にまとめた。
 同じCPUクロックであれば――差の大小こそあれ――P5K Deluxe(=P35)のほうがスコアが低い。同時に,Core 2 Duo E6320を2.80GHz動作させたときのパフォーマンスは確実に高いのも分かる。

 

 

 

 続いてFPSを3タイトル。グラフ3〜5は順に「Quake 4」(Version 1.2),「Half-Life 2: Episode One」,「F.E.A.R.」(Version 1.08)のスコアをまとめたものだ。ここで注目したいのは,3タイトル共通で,動作クロック2.66GHzのCore 2 Duo E6700に対して,同2.59GHzにオーバークロックしたCore 2 Duo E6320が互角以上に渡り合っていること。ゲームによっては,システムバスクロック1066MHzよりも同1480MHzのほうが,2.66GHz対2.59GHzという実クロックの違いよりも“効く”場合があり,今後登場予定となっているシステムバスクロック1333MHz版Core 2 Duoの意義が垣間見えたともいえそうだ。

 

 なお,表3で示したとおり,Core 2 Duo E6320@2.59GHz設定時のメモリクロックは740MHz。FPSのようなゲームタイトルだと,メインメモリのクロックはそれほど重要ではない可能性がある。

 

 

 

 

 続いても一気に見ていこう。グラフ6〜8は順に「Company of Heroes」(Version 1.4),「GTR 2 - FIA GT Racing Game」(Version 1.1)の結果だ。Company of Heroesでは,オーバークロックによってGPUの頭打ちが出てきてしまっている。もっといえば,GeForce 8800 GTXを使っている限り,Core 2 Duo E6320は2.59GHzまでオーバークロックすれば十分であり,P5K Deluxeで2.80GHzまで引き上げる意味がない。
 GTR 2 - FIA GT Racing GameとLineage IIは,Qukake 4やHalf-Life 2: Episode One,あるいは3DMarkと同じような傾向になっている。

 

 

 

 

 

メモリ周りのチューニングが甘い?
「P35はEPPをサポート」の噂も検証する

 

 以上,CPUクロックが同一の場合,絶対的なパフォーマンスでは,P5K DeluxeのほうがP5B Deluxeよりもやや低めに出る傾向にある。もちろん,製品版BIOSでは改善される可能性もあるわけだが,オーバークロックに強いという業界内の噂がどうやら正しそうであることが確認できた以上,「P35では,システムバスクロック1333MHzや,オーバークロック動作に対応するため,チップセットレベルでメモリ周りのチューニングが甘めになっている」可能性も,同時に存在する。

 

 そこでシステム総合ソフトの「Everest 2006 Ultimate」が持つメモリベンチマーク機能を使って,マザーボード2製品を比較してみた。Core 2 Duo E6700とDDR2 800でハードウェアを固定し,メモリのレイテンシ設定も5-5-5-15で揃えてテストを行った結果をまとめたのがグラフ9,10だ。
 グラフ9はメモリバス帯域幅,グラフ10はレイテンシをそれぞれ測定したものだが,どちらにおいてもP5K Deluxeのスコアが低くなっている。違いはわずかであるものの,パフォーマンステストの結果を裏付ける値だとはいえるだろう。

 

 

 

 メモリのタイミング設定に関しても両者を揃えた状態のため,通常設定できる範囲外の部分で何かしらのウェイトが入っているか,もしくはマージンが広く取られている気配である。この理由を先に述べた高システムバスクロック対策と見るか,それとも新製品であるがゆえにひとまずマージンを広く取って互換性の問題を抑えようとした結果なのかは,さすがに発売前のこのタイミングでは分からない。
 ただ,発売後1年ほど経過して,BIOSのチューニングが進むと,パフォーマンスが上がるというのは,マザーボードではよくあること。とくにASUSTeKは,BIOS更新頻度に定評がある(発売前にもかかわらず,筆者がテストしたバージョンよりも新しいものが5月29日時点ではダウンロード可能になっている!)ので,現時点でこれくらいの差なら,チューニングによって縮まる,あるいは上回る可能性は大いにあるだろう。

 

TWIN2X2048-6400C4
メーカー&問い合わせ先:Corsair Memory
実勢価格:3万円前後(2007年5月29日現在)

 さてメモリといえば,オーバークロック関連と合わせて,もう一つ業界筋で流れている情報に,気になるものがある。それは,P35がEPP(Enhanced Performance Profiles)をサポートしているというものだ。EPPはNVIDIAとCorsair Memoryが共同で策定,提唱する規格で,通常のメモリ情報とは別に,自動オーバークロック用のEPP設定を持ち,対応マザーボードで利用するとクロックやレイテンシ,動作電圧がEPP情報に従って自動的に設定されるというものだ。
 深い知識がなくても,メモリのオーバークロック設定を比較的安全に試せるのが,EPPが持つ最大の特徴である。公式には,nForce 600/500チップセットなどがサポートされており,いまのところIntelから対応のアナウンスはない。

 

P35(とIntel X38 Express)がDDR2/3のEPPメモリをサポートすると謳うIntelの資料。よく見ると,DDR3 1333サポートとか,DDR2の最大帯域幅が1.2GT/s(≒DDR2 1200)などといった興味深い内容も書かれている

 しかし,4Gamerが独自に入手したIntelの内部資料にも,はっきりと「EPP」の文字が躍っており,いよいよP35はオーバークロック動作を想定したチップセットであるといえ……そうだったのだが,少なくともP5K Deluxeにそれらしき設定項目はなかった(BIOSを5月27日時点の最新版にアップデートしても出現しなかった)。Corsair Memoryから借用したEPP対応メモリモジュールで,標準では5-5-5-18だが,EPP有効時は4-4-4-12で動作する「TWIN2X2048-6400C4」を差しても状況は変わらずだった。
 編集部で独自に入手したIntel製のP35マザーボード「DP35DP」でも確認したが,やはりそれらしき項目はなく,パフォーマンスが自動的に上がっている気配もなし。両マザーボードとも発売前の製品なので,正式発表時や,あるいは何かしらのタイミングで有効化される可能性はもちろんあるのだが,状況次第では封印されたままになるかもしれない。

 

 

消費電力では不利になるオーバークロック
E6320@2.59GHz設定でE6700越え

 

 最後に消費電力についても,念のためチェックしておこう。2枚のマザーボードが搭載する機能や部品点数にそう大きな違いがあるわけではないが,それでもチップセット同士の厳密な比較はやや難しい。今回は,参考程度に見ていただければ幸いだ。
 というわけで,省電力機能やCPUの拡張機能をオフにした状態で,Windows起動後,10分間放置した直後を「アイドル時」,3DMark05,MP3エンコードソフト「午後のこ〜だ」が持つ「午後べんち」の耐久ベンチモード,3DMark05と午後べんちの耐久ベンチモードをそれぞれ10分間連続実行し,最も消費電力の高かった時点を順に「高負荷時(1)」「高負荷時(2)」「高負荷時(3)」とし,ワットチェッカーから消費電力を計測している。

 

 結果はグラフ11にまとめたとおりだ。P5K DeluxeとP5B Deluxeだと,前者のほうが若干高めだが,その具体的な理由は特定できていない。
 また,オーバークロック時は(当たり前だが)消費電力はかなり高くなる。Core 2 Duo E6320@2.59GHzと,2.66GHz動作のCore 2 Duo E6700を比較すれば一目瞭然だろう。これはAI Boosterにより,CPUコア電圧やチップセットなどの電圧が自動的に上がるためだ。電圧を手動設定すればもう少し消費電力を抑えられるかもしれないが,高いオーバークロック状態を維持するには,消費電力面で犠牲を払う必要がありそうだ。

 

 

独特のヌメり感がある,マザーボード背面の冷却機構「Stack Cool 2」。これもCPU温度の低下に一役買っていると思われる

 なお,最後に一つ断っておくと,オーバークロック時の消費電力は再起動するたびに多少変動するため,3度計測した平均を取っている。このとき,消費電力の変動はそのままCPU温度に影響し,さらにCPUクーラーが持つファンの回転数も変わってしまうため,今回,CPU温度は計測していない。
 ただし,室温20℃の室内でCore 2 Duo E6320@2.80GHzにてベンチマークなどを走らせても,ボックス版クーラーを用いたテスト環境において,CPU温度が45℃を超えることはなかった。これは付記しておきたい。

 

 

オーバークロック動作は数段上の安定感
選択肢として考慮に足る新チップセット

 

I/Oインタフェース部(上)と付属品の一覧(下)。I/Oインタフェース部にはeSATA端子も用意されている

 以上,発売前にいろいろ探ってみたわけだが,最後にテストを行ったうえでの感想を付け加えると,オーバークロック動作時の安定度は,P5K Deluxeのほうが数段上という印象を受けた。
 AI BoosterでFSBクロックを上げていったとき,ハングアップするかどうかギリギリのところでテストしていると,フリーズやブルースクリーン,リセットといったいろいろな症状が出るわけだが,その割合を見ると,P5K Deluxeのほうが圧倒的に低いのだ。
 テストで使い込んできたので“疲労”分は割り引く必要があるものの,P5B Deluxeは長期間のテストに堪える安定したボードだ。その安定度を,β版BIOSを搭載するP5K Deluxeが上回ったわけで,P5K Deluxeの潜在能力はかなり高そうである。

 

 システムバス1333MHz版Core 2 Duoの発売が近いとはいえ,“本命”は2007年第4四半期のPenryn世代。すでにCore 2システムを持っているなら,このタイミングでP35マザーボードを購入するというのはあまり現実的でないだろう。むしろ,ゲームのほうに予算を回したほうがいいかもしれない。夏に向けて,パッケージ版を中心に多くの大作タイトルが控えているのを見るに,そう思う次第だ。
 ただ,これからCore 2システムへ移行するなら,第2世代Core 2用チップセットとして安定感も増し,“遊び”の要素も増したP35は,考慮に入れていいのではないだろうか。今回テストを行っていないほかの製品はともかく,少なくともP5K Deluxeに関しては,それだけのポテンシャルが感じられた。

■■Jo_Kubota(ライター)■■
PCに関連した守備範囲の広さに定評のあるテクニカルライター。それを生かして――というより,長い付き合いの担当編集からそこに目を付けられて――4Gamerでは,グラフィックスカードやCPU,サウンドカードなどといったハードウェアから,OSなどソフトウェアの検証に至るまで,八面六臂の活躍を見せる。DOS時代からThrustmasterのステアリングコントローラを握り続けている,無類のレースゲーム好きという顔もアリ。
タイトル Intel 3
開発元 Intel 発売元 Intel
発売日 N/A 価格 N/A
 
動作環境 N/A


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http://www.4gamer.net/review/intel_p35_preview/intel_p35_preview.shtml