PC版バイオハザード4は,PlayStation 2版がベースとなっている。4:3の画面で最大1600×1200ドット(UXGA),ワイド画面で最大1920×1200ドット(WUXGA)という高解像度表示に対応 |
カプコンのバイオハザードシリーズは,1996年3月にPlayStationで第1作が発売され,“ホラー”というゲームのジャンルを家庭用ゲーム界に広く浸透させた立役者的存在だ。
バイオハザードシリーズは,数多くの家庭用ゲーム機プラットフォームをまたいで続編や派生タイトルが発売され,ハリウッドで映画化されるまでに至った。PC版でも「バイオハザード」「バイオハザード2」「バイオハザード3」が発売されている。
そのシリーズ最新作となる「バイオハザード4」がPCへと移植,6月7日に6090円(税込)で発売される。シリーズ従来作品に新しい要素を取り入れ,さらなる進化を遂げたこの作品を紹介していこう。
消えた大統領の娘を探し,物語の舞台はヨーロッパに
ゲームの主人公は,「バイオハザード2」で主人公(の一人)だったレオン・S・ケネディ。ラクーンシティを消滅へ追い込んだアンブレラ事件から6年,いまや一人前の合衆国のエージェントとなったレオンがプレイヤーの分身となる。誘拐された大統領の娘,アシュリー・グラハムを探すため,単身ヨーロッパの寂れた村を訪れるところから物語はスタートする。
聞き込みに立ち寄った一軒の民家で,狂気と悪意に満ちた男に襲撃されるレオン。それをきっかけに,村人全員がレオンを殺すべくその行く手に立ちふさがる。村人達は,攻撃しても痛みを感じている様子すら見せない。いやな記憶がレオンの脳裏をよぎる。「まさか……悪夢はもう終わったはずだ……」 レオンはこの狂った村を抜け,アシュリーを助け出せるのだろうか。そしてこの村に隠された秘密とは!
……というのが本作のプロローグ。物語は過去のバイオハザードシリーズとリンクしており,シリーズ作品を遊んでいればさらに物語を深く楽しめるだろう。
ラクーンシティとは? 「バイオハザード2」の舞台で,アンブレラ社によるバイオテクノロジーの実験に巻き込まれた街の名前。街はゾンビ化した人々により荒らされ,壊滅状態に。アンブレラ社はその後事実上解体され,この事件は“アンブレラ事件”として広く世に知れ渡ることになった。「バイオハザード4」の主人公レオンは,この事件では新米警官としてラクーン市警に配属されたばかりだった。 |
カメラ視点が変更され,アクションなど新要素も充実
ゲーム中のカメラは,主人公のやや右後方からのアングルとなる。カメラ視点のみの移動も行え,直感的な視点変更が行える |
敵を数多く倒すことよりも,“生き残る”ことに主眼が置かれているのがバイオハザードシリーズの特徴といえる。本作においても,「さまざまな武器を駆使し,敵を倒してストーリーを進める」という基本コンセプトは従来シリーズと同じだ。
過去のシリーズと本作を比べると,視点が変更されたのが最も大きな違いとなる。いわゆる映画のようなカメラアングルから,常にプレイヤーの背後からの視点となる“ビハインドカメラ”視点が採用されている。移動や戦闘などもかなり直感的に行えるようになった。なお銃器の照準は,レーザーポインタで視認できる。
とはいえ,本作の売りでもある“恐怖感”は健在。PC版で高解像度表示に対応したことで,ゲームキューブやPlayStation 2よりもさらにスリルを味わえること請け合いだ。
アクション性が高まったことで,ゲームの難度もやや高めに。敵クリーチャーが集団で襲ってくるのも,シリーズ従来作品とは異なるポイントだ | 状況に合わせて画面下部にボタン入力を促す字幕が現れ,これに合わせてボタン入力をすることで,多彩なアクションが可能となる | ゲームを進めると,アシュリーを連れてフィールドを探索することになる。主人公が生き残るだけでなく,彼女の身を守るのも大事な任務だ |
アイテムと武器をいかに使うかがキモ
バイオハザードシリーズといえば,数多く用意された武器/アイテムをどのように使っていくかが,ゲーム攻略のポイントとなる。
本作ではシリーズ初となるお金の概念が導入されており,武器類を怪しい武器商人から購入可能となった。
また,従来シリーズの“アイテムボックス”は廃止され,装備品以外のアイテム類をアタッシュケースで常時持ち運べる。
ここでは本作に登場する武器・アイテム類の一部を紹介しよう。
レオンが最初から所持しているナイフは,木箱や樽を壊すのにも使える便利な武器だが,かなり接近しないと斬りつけられず,威力も弱い | 武器類は武器商人から購入可能。装備アイテムの強化やアタッシュケースの拡張なども行える | アイテム管理システムはいわゆるDiabloタイプで,アイテムにはそれぞれ“2×3マス”というように,サイズの概念が導入されている |
恐怖の演出だけでなくアクション要素も良質
バイオハザードシリーズといえば,プレイヤーキャラクターを表示画面の端まで移動させると画面が切り替わるという,映画的なカメラワークが特徴だった。本作では常にプレイヤーの背後からの視点になったり,武器の照準が手動になったり,敵クリーチャーが集団で襲いかかってきたりと,アクションゲームとしての要素が,シリーズ従来作品より色濃くなったという印象だ。
とはいえ,単なる撃ちまくりアクションゲームになったわけではなく,“恐怖”の演出もしっかりとなされている。基本的にはPlayStation 2版の内容を移植した作品ではあるが,PC版ならではの高解像度でプレイすると,その迫力は段違いである。本作を未体験ならもちろんだが,コンシューマゲーム機でプレイ経験のある人にも,遊んでもらいたいタイトルだ。