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Text & Photo by 奥谷海人
3月22日から26日までの5日にかけて,カリフォルニア州サンホゼ市の中心街にあるSan
Jose Convention Center(SJCC)において,毎年恒例となるGame Developer's Conference(GDC)が開催されている。
GDCは,ゲーム業界の人間にはよく知られたイベントで,プロジェクト秘話から成功する秘訣,効率の良いコードの書き方に至るまで,ゲームデザイン,制作,プログラミング,ビジュアルアーツ,オーディオ,ビジネス&リーガルの6分野に渡って300以上のレクチャーや会議が行われる。
壇上に上がるのは,業界の名だたるリーダー達。「業界で得た知識は,業界にフィードバックすべき」と考える開発者達の非営利団体IGDA(International
Game Developer's Association)のメンバー達が,草の根運動として長年育んできた会合である。
コンシューマに目を向ければ,ソニー,マイクロソフト,任天堂,Electronic Artsなど,会社組織の垣根を越えた知識の共有が行われており,非常にポジティブな雰囲気に包まれている。
今年の特徴は,日本からの参加者が極端に増えているということだ。これまでは全体の参加者に対する日本人の割合が少なく,会場で出会えば必ず声をかけ合うという状態だったのだが,もはやアジア系の入場者の中でも日本からの参加者が明らかに多い。
ここ数年に渡ってレクチャーを行っている松浦雅也氏(七音社:代表作「パラッパラッパー」)や長谷川亮一氏(ソニー・コンピュータエンタテインメント:代表作「ジャック×ダクスター」),海道賢仁氏と上田文人氏(ソニー・コンピュータエンタテインメント:代表作「ICO」),川瀬正樹氏(ぶんか社:代表作「DOUBLE-S.T.E.A.L」),水口哲也氏(元セガ:代表作「セガ・ツーリングカー・チャンピオンシップ」)に加えて,「パックマン」の岩谷徹氏や元HAL研究所の桜井政博氏が参加。さらにこれまでほとんど参加してこなかった任天堂からも青沼英二氏が出席して,「ゼルダの伝説」に関する講義を受け持っている。
業界と大学研究機関が手を取り合って相互関係を築き上げていこうという,3Dグラフィックスの研究会SIGGRAPHで始まった試みも,IGDAを通じて日本にも浸透しつつあり,大学関係者の参加も増えているのが頼もしい。
日本ではIDGA東京が2年前に立ち上がっており,日本と海外開発者達の掛け橋として機能し始めていることを物語っている。
GDCディレクターのアラン・ユー(Alan Yu)氏に「史上最大で最高のGDC」と言わしめた今回のカンファレンス。PCゲーム関連の講義に目を向ければ,「DOOM
3」のジョン・カーマック(John Carmack)氏の基調公演を筆頭に,ピーター・モリニュー(Peter Molyneux)氏,デミス・ハサビス(Demis
Hassabis)氏,ウォーレン・スペクター(Warren Specter)氏,ウィル・ライト(Will Wright)氏など,有名すぎるほどの業界人がレクチャーする予定だ。
当サイトでもPCゲーマーにとって興味深い講義や展示物を中心に追っていく。
GDC2004公式サイト
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