[GDC2004#12]会場で目撃した元MS幹部 - 2004/03/29 17:24

〜ブースレポート4:会場で目撃した元MS幹部

 厳密にはブースのレポートではないが,会場を歩いていると見かける人々やウワサの数々も紹介しよう。
 さすがはアメリカやヨーロッパ,そして日本からの業界関係者が集まる一大イベントなだけあり,さまざまな人とすれ違う。そんな会場で,Microsoftで長らくゲーム開発部門の陣頭指揮を執っていたエド・フリーズ(Ed Fries)氏を目撃した。

 フリーズ氏は,"Flight Simulator"や"Links"シリーズなど同社の定番になったソフトを見いだしたのを始めとして,「MechWarriors 4」「Freelancer」「Age of Empires」「Dungeon Siege」,そして「Halo:Combat Evolved」など,開発会社との提携によってコアゲーマー層にも深く支持されるゲームをプロデュースしてきた張本人である。
 Xboxでは,立ち上げからソフトのラインナップなどにも深く関わり,社内外のソフトウェア開発会社とのパイプ役を果たしてきた中心人物として業界でも一目置かれる人物であった。数か月前にXboxの失敗の責任を取らされる形で退社したのだが,彼の築いてきた実績と経験を失ったのは,Microsoft内部にも大きな影響を与えているはずだ。
 そのフリーズ氏を,GDCが行われているコンベンションセンターで目撃。ある基調公演に入場するために待っているときに,目立たないように片隅にいた彼に遭遇した。「今,何をしているのか」を単刀直入に聞いたところ,「もう何回聞かれたのか分からないよ……。パンフレットでも持ち歩こうかな(笑)」と頭を振りながらも,「退社後にさまざまな会社から声をかけられたり,コンサルタントになるよう頼まれたりしているけど,今はゆっくりした時間を楽しんでいる。今年のE3は話題も多くて業界が大きく動いていくことになるだろうけど,少し間を置いて見ていきたい」と話してくれた。

 さて,フリーズ氏と共に"Xbox四銃士"と呼ばれていたのが,ジェイ・アラード(J Allard)氏シェーマス・ブラックリー(Seamus Blackley)氏,そしてケビン・バッカス(Kevin Bachus)氏である。このうちジェイ・アラード氏以外はMicrosoftを退社しているが,ブラックリー氏を会場で見かけたというウワサを聞いたと思ったら,筆者はバッカス氏とも遭遇。「彼がいなければElectronic Arts社がXboxに参入することはなかっただろう」と言われている対外交渉での実力を発揮した人物である。
 バッカス氏は,なんと「幻のゲーム機」として一部に知られているPhantomのInfinium Labs社で,社長兼COOとして活躍を始めている。Phantomは,ソフトをインストールするためにディスク媒体を介在しない,サブスクリプションによるブロードバンド専用のPCゲーム機といわれていて,2004年初頭に行われていたCES(Consumer Electronic Show)で,すでに「Return to Castle Wolfenstein」が動作していたらしい。
 現在は,バッカス氏は同社の拠点であるフロリダではなくシアトルから遠隔的に参加している状態だということだが,「E3では大々的に発表するつもりだよ」と語ってくれた。(奥谷海人)


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