文明紹介:エジプト

文化圏の特徴:エジプト編

 古代において一大勢力を誇ったエジプト文明。独自の生活様式に加え,世界の七不思議とされるギザの三大ピラミッドや,一説には古代のウイルスが原因といわれる"ファラオの呪い"など,未だに残されている多くの謎,そして興味深い逸話が,エジプトの神秘的な魅力といえるだろう。初代Age of Empiresでも,敵を転向させてしまう"聖職者"に文明ボーナスが与えられているなど,独特の戦術を使用できた非常に味のある文明の一つだった。
 さてAge of Mythology(以下,AoM)におけるエジプトの扱いとしては,ギリシャや北欧と比較してとてもに神秘的……というか,怪しいまでの変わった戦術を駆使できるユニークな文化圏として位置付けられている印象だ。中でも,エジプトの戦略の根幹を支えるユニットである"ファラオ"と聖職者の存在は,この文化圏をテクニカルかつ面白い勢力に仕立てている要素といえるだろう。

ファラオの権力を駆使して,序盤の進化ブーストを

 ファラオとは,町の人と同様,ゲーム開始と同時に用意されているユニットの一つ。分類としては英雄ユニットに属し,敵の神話ユニットに対して高い攻撃力を誇る。しかしもっとも注目すべきなのは,建物に特別なパワーを与える"権限"という能力だろう。ファラオよりパワーを与えられた建物では,テクノロジーの開発時間やユニットの生産時間が短縮されるほか,集める資源に20%ほどの追加ボーナスが加えられるなど,その効力は計りきれないほど大きいのだ。さらに,建設中の建物にパワーを与えれば建設速度が増し,塔や町の中心,要塞などの攻撃能力を持つ施設にパワーを与えれば攻撃回数が大幅に上昇するなど,権限の追加効果は意外なほど幅が広い。つまりエジプトでは,いかに状況に合わせてファラオを使いこなしていくかが重要なポイントとなるのである
 また信仰する神によってはファラオがキリンや象などの動物を召喚できたり,後半にはゴッドパワーで半神化して圧倒的なユニットへと変貌するなど,何をするにしてもファラオを軸にした戦略を要求されるのが,エジプトという文化圏なのだ。

世の中は全て"金"次第?

 エジプトには,施設のいくつかをまったくの無料で建設することができるという特徴がある。序盤で必要な穀物庫,家,伐採所などを無料で建設することができ,戦士育成所などの軍事施設でも木を消費することがないのだ。しかしその半面,エジプトでは各施設を建設するのに金を消費してしまい,驚くことには畑の建設にすらコストに金が必要になってくるなど,ほかの文明圏とまったく違う資源バランスと内政が要求される。ただ,序盤で必要な施設が無料,港の建設に木ではなく金を使う点などは,海のあるマップでは非常に強力な特性となるような印象も感じる。というのも,エジプトだけがゲーム開始からすぐに港を建設することができ,漁船の量産と海産資源の確保を素早く行えるからである。戦い方ついては,後々調べていかないと細かいところまで分からないというのが正直なところだが,特殊な進化方法が必要な勢力であることは間違いないだろう。

恩恵の集め方について

 エジプトでは,神を讃える「モニュメント」を建設することで,一定時間ごとに徐々に恩恵が溜まるようになっている。よりコストの高い大きなモニュメントを建設すれば,それだけ恩恵の溜まるスピードは上昇し,素早く神話ユニットを揃えることができる。恩恵を集めるために町の人を使わなければいけないギリシャなどと違い,その分の労力をほかの資源の採取や軍事ユニットの生産に当てられるところは,エジプトの有利な部分の一つといえる。ただ"徐々に溜まる"という特性のため早期に恩恵を集めることができず,神話ユニットの生産や量産などがなかなか出来ない点は,エジプトにとって非常に悩ましい部分かもしれない。なぜなら,本作では神話ユニットの有無が勝敗を左右することが多く,不確定要素の少ない序盤においては,それだけで決定打にもなりかねないからである。


各主神別詳細

ラー | イシス | セト