― 連載 ―

※ゲームの中で起きることは,ゲームの中だから起きるのです。決して本当にやっていはいけません。おじさんとの約束だ。


 ヨーメーン! ヘイメーン! カモンメーン! ワザップメーン! と,ストリートギャングのヒップホップでシッティングなソウルをもれなく堪能できる「Grand Theft Auto:San Andreas」(以下,GTASA)の連載「サンアンドレアス24時」も今回が最終回である。すでにサンアンドレアス地方なんかすっかりシメ終わり,ストリートの支配者として裏社会に君臨しているプレイヤーも多いことだろう。だが,ミッションが終わっても,まだまだ楽しめるのがGTAシリーズのいいところ。というわけで,今回は,おしまいのほうのミッションいくつかと,その後に待っているいろんなお楽しみを紹介してみよう。オーケイ,ギャングスタ!

ロス・サントスの暮らし その1

カール・ジョンソン,故郷に帰る
ミッション「Home Coming」「Beat Down on B-Dup」など

数々の艱難辛苦を経て見違えるようにクールでファッショナブルになったCJを,兄は「ストリートのソウルはどこに行ったんだ?」と責める

 死んだはずのTorenoの計らいで監獄から出られることになった,兄のスィートを迎えに行く主人公カール・ジョンソン(CJ)。「兄貴,久しぶりメーン。無事でよかったガッデム。さあ,家に帰ろう。洋服も買ってやるよ」というCJに「家ってどこだ?」と聞き返す兄。今や,サン・フィエロで手広く事業を行ない,ラス・ベンチュラの巨大カジノの共同経営者となったCJにとって,山の手にあるベッドルームだけで19部屋の豪邸が彼の家。だが,スィートは「グローブ・ストリートが俺の家だファッ○!」とCJを優しく叱るのだ。「兄貴。世の中はグローブ・ストリートなんかよりずっと広いんだぜアスホール」と反発するCJだが,やがて兄に従い,懐かしの我が家に帰ることを誓う。ジョンソン兄弟の熱い郷土愛が伝わって,思わずホロリとする場面である。帰って何するか,っちゅうとアレなんだけど。

久しぶりに戻った生まれ故郷は,二人がいない間にすっかり荒んでいた。元からそうだったような気がしないでもないけど,なんとかしなければ 衣装を戻すのはあとにして,まずは仲間をダメにした売人を片っ端から始末する。CJの情け無用の攻撃に,兄貴のスィートも大満足のご様子だ 続いて二人で「ギャング・ウォー」を起こし,失ったテリトリーを奪還する。はっきりいって,兄貴はあまり役に立たない。ていうか,邪魔
さらにさらに,最初のほうのミッションに登場した(記事では紹介してませんよ)クラックの元締めを,激しい銃撃戦によって改心させてあげよう 最後に,義理の弟Cesarを助けて,黄色ギャングの殲滅戦。CJのお陰で,この界隈は(一部勢力にとって)とても住みやすい町に。良かったですね

これはクール! どこかで見た人々

販売本数から,前作までのプレイヤーはどう考えても全世界に数千万人いると思われる。その彼らに対する,ちょっとしたサービスとして「Grand Theft Auto 3」「Grand Theft Auto:Vice City」に登場したキャラクターが何人も登場して,ニヤリとさせてくれる。時代的にはGTA3(現代)とGTAVC(‘80年代)の間という設定なので,誰が出てきてもおかしくないのである。さあ,きみも青春の日の犯罪の思い出に浸ろう。

サルバトーレ・レオーネとマリア(GTA3)
レオーネ・ファミリーのボスとその愛人は,ラス・ベンチュラで知り合っていたのか。10年後,カテリーナの新恋人に頭を吹き飛ばされるのだなあ
ケン・ローゼンバーグ(GTAVC)
おしゃべりな悪徳弁護士も,髪が薄くなってしまった。トニーとバイス・シティで成り上がったはずなのに,いったい何があっのかなあ?
マルコのビストロ
一瞬だけ登場するリバティ・シティのレストラン。ここを舞台に,これからいろんな物騒なことが起きるのだなあ。おお,やだやだ。これで,全3作を通じての登場だ
ロス・サントスの暮らし その2

ロス大暴動発生!
ミッション「Riot」

 さんざん悪事を重ねてきたC.R.A.S.H.のティンパニー巡査も逮捕され,いよいよ年貢の納め時かと思いきや,なんと! 陪審員の評決は無罪。ティンパニー巡査釈放。かなり勘の悪いロス・サントスの住人も,さすがにこれは怪しいと思った。ガッデム,アスホール,ボーシッ。で,そういうときにはどうするか? 答えは暴動だ。とりあえず暴れとけ,って感じで,イースト・ロス・サントス一円に大暴動が発生するのだ。やはり,ロスといったら暴動ですね。

盗品を抱えて逃げる人,吹き飛ぶパトカー,立ち昇る黒煙,殴りあう人々と,町中恐慌状態。ゲームをクリアするまでこの状態は続くが,これはこれでかなり面白いので,しばらくそのままにしておこう。あっはっは,あーおかしい
どさくさ紛れに,ちゃっかりテリトリーを拡大するCJ。しかし,ティンパニーに頼まれて証人を消して回ったのは,こいつなんですよ! こいつが諸悪の根源なのだ!
ロス・サントスの暮らし その3

その後のことなど

 「Riot」に続くミッション「End of the Line」をクリアすれば,晴れて「Grand Theft Auto:San Andreas」は終わりだ。いやー,長かった。しかし,これでゲームをすべて楽しんだと思うのは早計だメーン。ミッションを全部終わらせても,さらに多彩なサブミッションが待っている。レース,消防活動,お使い,ガールフレンド,コレクションなどなど,とてもここには全部書き切れないので,主なものだけ紹介しよう。しかし,もう,何年でも遊んでいられそう。このように,サンアンドレアスの暮らしは終わることがないのである。ストリートギャング万歳。マザーファッ○ー。それでは皆さん,ごきげんよう。

レース
マップ上,チェッカーフラッグのマークの地点に行けば,過激なストリートレースに参加できる。ラス・ベンチュラ国際空港ではエアレースもやっている。ストリートギャングのやることか?
スタジアム
それぞれの町にあるスタジアムで開催されている競技に参加できる。ある程度,乗り物のスキルがないと中に入れてもらえないが,大観衆を前に,日頃のテクをご披露しよう
救急車
人の命を助けるためなら通行人の犠牲はいたしかたない,というミッション。怪我人をピックアップして病院へ運べ。消防車,タクシー,パトカーにも,それぞれミッションがある
スクール
飛行機,車,バイク,ボートのスクールがあり,それぞれで数種目の演技をこなさなければならない。演技内容によって,ゴールド,シルバー,ブロンズの評価が得られる
コレクション
グラフィティ(ロス・サントス),撮影ポイント(サン・フィエロ),馬蹄(ラス・ベンチュラ),オイスター(全域)をそれぞれ全部コレクションすると,とてもいいことが起きるのだ
お使い
巧成り名を遂げたギャングスターであるCJだが,たまには食料品の配達でお小遣い稼ぎだ。なんちゃって。このサブミッションはもっと最初のほうでやっとくべきだった。ガッデム!
ほかにもいろいろあるんです。

「ボクのアルバム」by CJ

 今週のスナップショットは,題して「ロス暴動とギャルとハンバーガーを食べるエルビス」だ。よくわかんないけど,ぜひこのミスマッチ感覚を楽しんでいただきたい。諸君も,こ,これはファッキンだ! と思う写真が撮れたら,親とかに自慢しよう。

■■松本隆一(ライター/学生/ストリートギャング)■■
ついにGTASA連載を成し遂げ,ストリートの頂点に君臨した松本氏。これまでGTAシリーズはすべてコンプリートしており,まさか世界の犯罪王が身近に住んでいようとは,アパートのお隣の夫婦も気づくまいといった感じ。ところでお隣の夫婦は,あまりに激しい夫婦喧嘩のため警察が来ることもあり,犯罪王としてはなんとなくファッキンな気持ちらしい。うーんリスペクト。
タイトル Grand Theft Auto:San Andreas
開発元 Rockstar North 発売元 Rockstar Games(Take Two Interactive)
発売日 2005/06/07 価格 49.99ドル
 
動作環境 対応OS:Windows 2000/XP(+DirectX 9以上),Pentium III/1GHz以上[Pentium4またはAthlon XP以上推奨],メインメモリ:256MB以上[384MB以上推奨],グラフィックスカード:GeForce 3以上[GeForce 6シリーズ以降推奨],グラフィックスメモリ:64MB以上[128MB以上推奨],HDD空き容量 3.6GB以上[フルインストール時4.7GB以上]

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