プレオープンサービスも始まり,再び盛り上がりを見せている「大航海時代 Online」。ダウンロードサーバーの混雑によりクライアントがダウンロードしづらいというアクシデントにも見舞われたが,一度プレイできる環境を整えてしまえば実に快適。質のいいサービスを満喫できる。筆者も,以前の連載「ちょっとそこまで大航海」(記事は「こちら」)で培った(ぬるい)知識と経験を生かし,ゆったりまったりとしたスタートダッシュをしている(?)最中である。
そんな中,連載も復活することになったのだが,せっかく今回は誰もがプレイできるわけだし,以前の連載のような純然たるプレイレポートでは芸がない。ということで新連載「ヒッパロスの風が吹けば桶屋が儲かる 〜大航海時代 Onlineプレイガイド〜」では,主に筆者のようなまったりプレイをメインとする人を主対象とする,やや攻略要素のあるプレイレポートを展開していこうと思う。
自分でもどんな展開となるかは未知数だったりするのだが,「大航海時代 Online」という果てしなく自由な大海原における「ヒッパロスの風」(インド洋に吹く季節風。古くから交易に利用されてきた)のような存在になれるよう,いろいろと頑張ってみようと考えているので,しばらくの間おつきあい願いたい。
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クエストを受けたら,出発する前にその拠点の交易品を仕入れておこう。そのとき,相場チェックや値切が可能ならば,ぜひ試しておくこと |
クローズドβでは軍人として生まれ,地方海賊として死んだ筆者。交易はどの職業でもできるので,交易以外の要素に特化した職業でプレイしようと考え軍人を選んだわけだが,強い軍人になるにもやはりお金が必要。ならばいっそのこと金儲けに特化してみようという発想のもと,プレオープンサービスでは商人で頑張ってみることにした。
地方海賊としてNPC船を収奪しまくっていたクローズドβでのプレイとはうってかわって,商人であるところの筆者ままだ一度も戦闘をしていない。それなのに,クローズドβ時よりもはるかにお金の貯まりが早いのは,やはり商人系統の職業のメリットなのか,単に筆者がコツをつかんだだけなのか……。
ともあれ,積み荷を奪えることもある海戦はうまみのある金儲け手段だが,船の消耗や沈没させられたときのリスクを考えると,まったり派のプレイヤーには強くお勧めできないのも事実。まずはセオリー通り,クエストをしながらの短距離交易でお金を稼いでいくのが無難である。
クエストと交易を絡めたお金稼ぎは,まさに基本中の基本。クエストで拠点間を移動するときに,各拠点の交易品の購入/販売も同時進行するのだ。そうすれば,クエスト報酬のほかに交易での利益が得られることになり,単にクエストをこなすだけの場合よりも効率良くお金を稼げるというわけである。
受けられるクエストは職業やレベルによって異なるし,艦隊を組めば他職業のクエストも受けられるが,長距離航海で船倉に余裕がない場合を除き,拠点間を移動するときには常に交易品を積むよう心がけよう。そうすれば交易によりお金を稼げ,さらに交易経験も積むことができる。
筆者のように商人で遊んでいる人ならば会計スキルを習得済みなので,交易所で交易品の相場をチェックしたり,"ふっかけ"や"値切"を試みたりできるので,交易で儲けることは非常に簡単。そもそも(種類にもよるが)積み荷も他職業より多く詰めるし。もし君が軍人や冒険者ならば,商人の友達を作って,相場情報を教えてもらうといいだろう。
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交易所やギルド内では,交易品の個人売買に関するチャットが頻発する。これを見逃さず,素早くバザールを出せば,簡単にお金を稼げるわけだ |
筆者はZephyrosサーバーでプレイしているのだが,プレオープンサービスということもあってか,実に人が多い。ギルド内に20人,交易所の周辺に50人以上の人がひしめき合ってることなどザラである。そうなると当然チャットのほうも活発になり,挨拶や艦隊募集,質問等の発言でログが流れまくる。そんな中に,「その拠点の交易所で買える交易品を求める発言」を聞いたことはないだろうか? 実はその発言に,お金儲けの秘密が隠されているのだ。
ご存じのとおり,交易品を一度に購入できる数には限りがある。「取引」関連のスキルを習得していれば購入上限を上昇させたりもできるが,(最初のうちは)普通は一種類の交易品につき,10〜30くらいしか一度に購入できないのだ。しかしクエストの中には,「豚肉を10日以内に40樽手に入れろ」というものや,「○○を100樽手に入れろ」というような厳しい内容のものも存在する。
そんな場合,例えば通常20前後しか買えない豚肉を一度に40集めたいときには,ほかのプレイヤーが購入した交易品をバザールやトレードで譲ってもらうことになる。また,大量に必要な交易品を集める手間を省くためや,その拠点で受けたお使いクエストをその場で達成するため,生産スキルで大量に必要な場合などなど,さまざまな理由から「交易品を譲ってほしい」という発言が流れるわけだ。
そんなときは大抵,バザールで対象となる交易品を仕入れ値よりもかなり高めに設定したとしても,その場で飛ぶように売れる。しかも相場の影響が大きい通常交易よりも,確実に儲けられる。どの街のどの場所で,どのような交易品を求めるチャットが流れていたかをメモっておけば,NPC相手ではなく人間相手にも十分「勝てる」商売をできるので,ぜひ一度試してみてほしい。
しかしバザールで交易品を販売した場合,確かにお金は儲かるが,交易経験は稼げないので要注意。あくまで通常交易の補助的な手段として活用してほしい。
また,逆の立場から,バザールで交易品を購入することも,時には重要になってくる。そのときには,クエストの成功報酬を考慮しつつ,儲けの出せる範囲の価格設定になっているバザールを利用すること。もし適当なバザールがないのなら,チャットで条件を提示してみるのもいいだろう。
てな具合にちまちまとお金を稼ぎ続けてみると,やはりクローズドβ時の軍人よりも,はるかにお金の貯まりが早い。会計スキルがもたらす相場チェックや,ふっかけ/値切効果など理由はいろいろと考えられるが,クローズドβ時よりも人の数が増えているため,プレイヤー間の取引が活発化していることも大きな要因だろう。
しかし筆者の商人,商売に力を入れすぎているためか,お金は貯まるが経験/名声が軍人のときよりも伸び悩んでいる。軍人は戦闘や交易で経験を稼げるが,筆者の商人は未だ戦闘経験がないため,交易以外では新しい街を発見したときの冒険経験しか得られていないのだ。
何人かのプレイヤーから「商人は先行廃人プレイができないと厳しい」というようなことを聞いたのだが,現状のバランスでは,ある意味それは間違いではないのかもしれない。しかし,何をもって「勝ち」とするかは人それぞれ。もともとクラフト系のちまちまとした作業が好きな筆者にとっては,多少育成しづらくとも,商人のプレイスタイルは十分楽しめるレベルだ。
それに,そういったバランスを調整するための「艦隊システムの強化」が施されたはずだし,MMORPGというゲームの性質上,ゲームバランスはパッチ一つで大きく変化することもある。キャラクターの成長だけではなく,ゲームそのものの成長をじっくり楽しむのも,MMORPGの醍醐味の一つといえるのではないだろうか。筆者はそう考えて,当分は商人をメインキャラクターとして,まったりプレイを満喫していこうと思う(連載の都合で冒険者を育成しようとも考えているが……)。
→クライアントのダウンロードは「こちら」