― レビュー ―

ちょっとそこまで大航海 〜大航海時代 Onlineプレイレポート〜


連載第4回 大海戦! なすすべもなく海の藻屑となること

 

 第一回はあまりにも船が貧弱で参加できず,第二回は参加条件を確認し忘れたせいで参加できなかった,大海戦イベント。その後の奮闘で船も軽ガレーにステップアップし,大海戦イベントに参加するための入港許可も手に入れた。そんなわけで今回は,満を持して第三回大海戦イベント「アントワープ争奪戦」のプレイレポートをお届けしよう。

 

第三回大海戦イベント「アントワープ争奪戦」の舞台に到着! イスパニア所属である筆者は,ここでイベントを開始する

 

 

高レベルプレイヤーの強さには正直驚いた!

 

 イスパニア所属である筆者は,イベントを進めることで必要な入港許可を入手。どうやら名声を高めることでも入港許可を得られるらしいのだが,もし名声稼ぎが間に合わなかった場合,またしても参加できないことになってしまうので,とりあえず無難にイベントを進展させていったのだ。
 参加条件をすべて満たしていることを確認し,アントワープの街役人から"大海戦イベント"を受ける。イングランド軍が,アントワープを攻略すべく艦隊を集結させているらしい。イスパニア軍は,アントワープ付近の海域で迎撃任務に就くことになる。報償額は30000D,難度5のクエストだ。
 1回め(計3回行われる)の開始時刻である19時が近づくにつれ,イスパニア所属のプレイヤーキャラクターが集結してきた。人物情報をチェックしてみると,どのキャラクターも筆者とは比べものにならないほどのスキルレベル……。そんな状況で艦隊に加えてもらうのもなにやら申し訳ないので,まずは艦隊を組まず,単独で大海戦に突入してみることにした。

アントワープ防衛のため,近海の敵艦隊を迎撃することに。敵艦隊も人間(プレイヤー)が操っているため,難度は敵の数次第といったところか

 

 19時になり,大海戦スタート。さっそく出撃してみると,あたりは敵軍であるイングランド艦隊だらけ……。そんな中でうまいこと単独の船を発見したので,戦闘を仕掛けてみた。
 相手は筆者の船より耐久度/船員数が低く,幸先のいいスタートが切れそうな予感がひしひし。実際いい調子で敵船にダメージを与えていたのだが,突如,50以上ものダメージを複数回くらい,あれよあれよという間に撃沈されてしまった。
 どうやら敵の援軍に,視野外から砲撃されたらしい。おかげでキープしていた交易品が海の藻屑となり,船だけではなく金銭的なダメージまで受けてしまった。

 

いわゆるタイマンならば勝機はあったが,援軍を呼ばれては多勢に無勢。信じがたいダメージを受けて沈没……

 

 切なさを押し殺し,第2ラウンドスタート。しかし,明らかに敵艦隊のほうが多い。先ほどよりも圧倒的に敵軍有利の状況であった。敵艦隊のあまりの迫力に呆然としていたら,先制攻撃を受け再び沈没。敵の艦隊を見ると,5隻からなる艦隊で,どの船も筆者の軽ガレーより巨大だった。「軽ガレーとは違うのだよ,軽ガレーとは!」というイングランド軍からの罵声が聞こえたのは,きっと気のせいだろう。

 

見渡してみると,明らかに敵のほうが多い。孤独な筆者はなすすべもなく,海の藻屑となってしまった

 

 三度(みたび)単独出撃。砲撃戦では勝負にならないので,今度は白兵戦で勝負をしようと,船員数の少ない船に対して接舷,白兵戦に持ち込んだ。……と思ったら,巨大な船に接舷されてしまい,あっという間にEnd。こちらが26人の船員数に対して,相手は75人。攻撃力も防御力も数倍で,まぁ勝ち目はない。おまけに所持金とすべての積み荷が奪われ,船員のフォアステイスルとジレが波に流される始末。筆者,一応地方海賊なのだが,逆に身ぐるみはがされてしまいました。

 

徐々に味方が増えてきたので,ちょっと強気に白兵戦を挑む。が,圧倒的な兵力で速攻を掛けられ,身ぐるみをはがされてしまいました

 

 

艦隊にまぜてもらい,リベンジ……!?

 

 たび重なる完敗でふてくされてしまった筆者は,釣りをしたり,犬を愛でたりして心の傷を癒すことにした。そんな惨めな筆者を見かねてか,とあるプレイヤーが筆者を艦隊に誘ってくれた。この提督はもう一人単独プレイヤーを誘い,あっという間に3隻からなる艦隊を完成させた。筆者以外の二人はスキルレベルが高く,船も非常に立派。「これならもしやいけるかも……」と思えるくらいに頼もしい味方であった。
 さっそく出撃すると,すぐに敵艦隊との戦闘が発生。筆者の砲撃が敵船に火災を起こすなど,そこそこの活躍ができたのだが,提督船が集中砲火をあびて沈没すると,あっという間に全滅させられてしまった。

 

釣りと犬とで心の安寧を取り戻す筆者。特殊アクションによるコミュニケーションにも,かなり和ませてもらった

艦隊に誘ってもらったことでかなり有利に戦えるようにはなったが,総合戦力の差が大きすぎた

 

 

 一度アントワープに戻り,体勢を立て直すことに。その間筆者は大海戦の戦況を確認してみたのだが,やはりイングランド軍が優勢であった。これまでもイングランド軍のほうが艦数が多いのは感じていたが,どうやらさらに増えてきたようだ。しばらくすると,提督が新たな味方を艦隊に迎え入れた。5隻からなるフル艦隊の完成である。筆者の軽ガレーはかなりみすぼらしいが,みなさんほれぼれするほどの立派な船に乗っていた。
 今度こそ満を持しての出撃。すぐに戦闘がスタートした。さすがに味方の戦闘力は高く,敵艦隊に甚大なダメージを与えていったのだが,追い込まれた敵艦隊が複数の援軍を呼び込み,形勢逆転。それでも(筆者以外は)善戦はできたのだが,確実に各個撃破されていき,全滅。しかも筆者はPCがハングアップし,再起動を余儀なくされてしまった……。

 

味方の人数が増え,艦隊としての準備は整ったものの……。筆者が足を引っ張ってしまったようで,申し訳ありませんでした……

 

 再びログオンしたときには,1回めの大海戦は終了していた。後日海戦結果をチェックしてみると,イングランド軍83・イスパニア軍17で,イングランド軍の圧勝という結果に終わったようだ。大海戦イベントとしては3度めということもあり,高レベルキャラクターが多かったこと,そして戦場がイングランド軍の本拠地であるロンドンに近かったことが,戦局に大きな影響を及ぼしたのだろうが,それにしてもイングランド軍の見事な勝利であった。

 

ぐうの音も出ないほどの完敗。クローズドβでの最強国は,イングランドという結果に終わったようである

 

 これまでは,非常にまったりとした,いい意味でのんびりムードの漂う「大航海時代 Online」だったが,大海戦イベントの迫力と激しさは,そんな第一印象を払拭するインパクトがあった。オープンβや正式サービスでもこのような熱いイベントが定期的に行われるのであれば,ゲーム展開にメリハリが生まれて,まったり好きゲーマーにもちょうどいい目標が生まれることだろう。やはり,システム的に敵味方が区分けされる集団戦闘は,後ろめたさがなくて楽しい。味方国内の仲間意識も高まるし,まさに一石二鳥だ。……と,そんなことを感じたイベントだった。

 さて,本作のクローズドβも,12月13日で終了することが正式にアナウンスされた。そしてその前日の12日には,クローズドβ終了前夜祭ともいうべきイベントが開催されることとなった(「こちら」)。

「喜望峰を目指せ!」

 

・実施日時:12月12日(日) 19時 〜 24時
・参加条件:スタート地点であるリスボンに入港可能であること

 

 重要中継地点であるアフリカ最南端の調査を目的とするこのイベントでは,リスボンに入港可能であればどの国籍のプレイヤーキャラクターでも参加可能。当連載も,このイベントのプレイレポートで連載に一区切りをつける予定である。
 まさに前夜祭を飾るにふさわしいイベントなので,筆者も遭難/沈没覚悟で挑戦するつもりだ。参加条件を満たしている人は,ぜひ一緒に喜望峰を目指そう!

 

装備を失い,船も傷んでしまった筆者。まさに満身創痍だが,クローズドβ終了前夜には,命がけで「ちょっとそこまで」大航海する予定である

 

 

「大航海時代 Online」
  →公式サイトは「こちら」
 →紹介ページは「こちら」

 

■■大路政志(ライター)■■
「申し訳ありません」が口癖のゲームライター。口ピアスを開けてから,「食べにくくない?」とよく聞かれると語る大路氏だが,せっかくなので編集部でも聞いてみると,「食べにくい」というお答え。激しくイライラするので納豆は食べられなくなったとか。さもありなん。まぁ大路氏曰くまだマシなほうで,氏の友人には飲み物を飲むと口ピアスの穴から漏れてくる人もいるらしい。ここまでいくと,コメントに困る。