― 連載 ―

灰色着てるやつを見たら撃て!ブラザー イン アームズ
第2回:地獄の8日間ついにスタート
ノルマンディ上陸作戦

ついにノルマンディに降り立った第101空挺師団第502パラシュート歩兵連隊,死闘の8日間が始まる。任務が成功に終わるか否かは部隊の指揮官であるベイカー軍曹,つまりプレイヤーに委ねられている

 プレイヤー(分隊長)がヘナチョコだと部下がみるみる死んでいく,異色の第二次世界大戦FPS「ブラザー イン アームズ ロード トゥ ヒル サーティー」(原題 Brothers in Arms:Road to Hill 30。以下,BIA)。限りなく難しいけど面白い本作をじわじわ普及させ,迷える分隊長達をサポートしていくのが,本連載の目的だ。
 いよいよノルマンディでの8日間を追っていくわけだが,今回はノルマンディ降下当日(1944年6月6日)の6チャプターを見ていこう。

 前半の3チャプターはチュートリアルを兼ねている部分もあるため,前回(第1回)で紹介した基本操作,制圧,分隊指揮をしっかりマスターしてしまおう。後半の3チャプターも難度はそれほど高くないので,アイアンサイトを使った精密射撃,手榴弾の投弾角度などの練習で何度もプレイしておけば,今後の任務に役立つはずだ。

 とはいえ,難度ハード&リアルでは苦労する部分もあるため,ポイントとなる部分を軽く紹介していこう。では降下作戦開始!

 

近くに投げ入れるだけで制圧状態にできる手榴弾も積極的に使おう。投弾角度により飛距離が変わるので要練習 "史上最大の作戦"に参加した兵士達への,アイゼンハワー総司令官(後に大統領)の指令書も見られる
制圧,分隊指揮,操作性
運命の日(1時15分)

・ノルマンディに米軍第101空挺師団第502パラシュート歩兵連隊が降下

 ベイカー隊の乗ったC-47輸送機は激しい対空放火で被弾し,降下予定地を待たずに飛び降りる……。降下時に武器ケースなどを失った兵士は多く,ベイカー軍曹もその中の一人。降下直後に視点を足下に移動させると,装具らしき物が落ちていくのが見える。

戦場では訓練どおりにはいかない。グリーンライト(降下合図)を待って降下した兵士はどれだけいたのだろう コール中佐は"コール突撃"(後のキャンペーンで登場)の功績が称えられ,勲章を得る凄い人。実在した人物
高射砲制圧(1時45分)

・合流したマックとレゲットと共に二つの高射砲を叩く

 ほかの隊員と合流できておらず,マックの指揮で動くことになる。

TNT爆薬をセットして空挺部隊の脅威となる高射砲を潰す。爆発前に離れないとダメージを負う ボーナスでは,機密扱いだった第502パラシュート歩兵連隊に関する情報報告書の一部を見られる
出口4での奇襲(7時00分)

・ハーソトック伍長と共に,ユタビーチまでのドイツ兵制圧任務を行う

 アレン二等兵,ガーネット二等兵と合流し,ユタビーチから上陸した歩兵師団から逃走する敵を"出口4"で奇襲する。

先にやらなければやられる戦場では,情けは無用だ。背後から近づき,銃弾を浴びせてやろう ユタビーチから逃げてくる敵をM1919A4軽機関銃で撃ちまくり。バタバタと倒れる敵……やみつきになりそう? 当時と現在のユタビーチの写真も見られる。今でも戦争があったことを伝える多くの残骸が残されている
目標XYZ(10時15分)

・ドイツ兵の占領下にある集落(XYZ地域)をハーソトックと2人で一掃する

 敵は複数箇所から攻撃してくるため,序盤から中盤で多くのダメージを受けてしまったり,ハーソトックを失ったりすると終盤が厳しくなる。手榴弾が3発あるので,うまく敵のところに投げ込めれば数人を片付けられる(高めの難度では投げ返してくる)。たとえ倒せなくても,近くに投げ込むだけで制圧メーターが一気に下がるため,次の展開に持っていける。

XYZ地域にある,今も健在の民家の前での戦闘。手榴弾を確実に投げ込めば銃弾の節約にもなる 「建物に入ったらドイツ兵が食事中だった」……という実話が再現されている。不意の遭遇は多かったようだ 史上最大の作戦前に米軍が作成した詳細な地図。作戦前には模型なども使って戦闘地域の地理を暗記したとか
フーカヴィルの封鎖(15時00分)

・ハーソトック伍長,アレン二等兵,ガーネット二等兵の銃撃班を指揮し,フーカヴィルを制圧する

建物を使い,敵側面に移動すれば確実。精密射撃ですら当てにくい本作では,いかに一発で仕留めるかが重要

 "村"ということもあり,建物など遮蔽物も多く敵と撃ち合うだけの膠着状態になることも多い。序盤は斜め側面から狙えるところも多いため,銃撃班に制圧攻撃を任せ,自分で敵を狙える位置に移動して精密射撃で倒したほうが手っ取り早い。

 また,車が停まっている位置から建物裏に回り込めるが,MP40を装備した敵もいるため,強襲をかけると余計なダメージを受けることが多い。こちらのルートを取る必要もとくにないため,素直に村の中を進んだほうが無難だ。村を抜けると2か所にMG42が配置されているが,立ち止まらなければ前を横切っても大丈夫。銃で射撃しつつ横歩きしながら移動するとカッコいい。

任務開始直後の戦闘は前方の敵を倒して進むとよい。左手に見える建物の裏手にはMP40を装備した敵がいる 「ヒトラーの電動ノコギリ」と恐れられたMG42も,距離を取れば当たりにくい(当たらないわけではない)

 教会を制圧し,押し寄せる敵をMG42で一掃したら,2か所の迫撃砲を潰す。迫撃砲の攻撃は最初の着弾から直線的に砲弾が飛んでくるので,横に移動していけば当たることはない。着弾修正のため一時砲撃が止むところも再現されている。

迫撃砲は直線的な攻撃のため,1発めが着弾したら着弾点から離れるように移動する。慣れるとダメージは受けない 残された詳細な資料をもとに再現されたステージは,当時のフランスそのままといっても過言ではないだろう
ロンメルのアスパラガス(21時00分)

・英国のグライダー部隊の着陸援助のために,畑の中にあるポールを爆破する任務に就く

ロンメルのアスパラガスを排除せずに強行着陸を行ったグライダーも多かったようだ。実際にアスパラガスの餌食となった生々しい写真も見られる

 ロンメルのアスパラガスとは,ドイツ国防軍元帥エルウィン・ロンメルが空挺対策として平地に設置させた,木製のポールをワイヤーで繋いだ,妨害物のことをいう。

 畑の入り口から真正面(東)に塹壕が見えるが,ここを潰しても時間が経つと増援がやって来て再び攻撃してくるので後回し。まずは左側の水路を辿って北西に向かい,単独で潜んでいる兵士と塹壕を叩く。部下に塹壕を強襲させて敵を倒すと,すぐに振り返って単独の兵士を倒してくれるので,自分は遮蔽物に隠れて見ていればいい(カッコ悪いが)。

 さらに北西に進むと塹壕と高射砲があるが,ここは遮蔽物がないため制圧射撃をしながら前進して強襲をかける。高射砲を破壊し,周辺のポールをすべて爆破したら,東にある塹壕に向かう。ここにはMG42があるので,真正面から接近するとあっという間に全員戦死という結果になる。畑の入り口まで戻って水路を進み,塹壕の真横から攻撃すれば簡単だ。あとは周辺のポールを爆破すればOK。

左回りで展開すると比較的ラク。畑は東側,西側に分かれているため,東側攻略でのダメージは最小限にしたい 畑の端にある塹壕は敵を叩いてからポールを排除してもいいが,制圧射撃中に作業をしてもいいだろう
グライダーの着陸ポイントはしっかり覚えておくように。最初にプレイしたときは見事に轢かれて死亡した 銃撃が続く中で爆薬をセットする。敵の銃弾は当たりにくいが,一撃で死ぬこともあるので制圧は重要だ

 続けて西側の畑にあるポールを倒すことになるが,ここも左回りで進めて行くとラクなので,苦労している人は試してほしい。

 大急ぎで6チャプターを見てきたが,いかがだっただろうか。ほかにも良い方法はあると思うが,"一つの戦法"として参考にしていただければ幸いだ。次回はD-DAYから1日後,2日後の4チャプターを追っていく予定だ。

コラム
■武器&兵器紹介
▽連合軍:
・M1ガーランド半自動小銃(M1 Garand Semi-Automatic Rifle)

7.62mm弾8発がクリップで留めてある弾倉を,機関部に押し込んで装弾。最後の弾が発射されると同時に「ピキーン」という音と共にクリップが排出されるところは,多くの映画やゲームで再現されており印象の強い銃である。銃弾のみの追加装弾はできないが,クリップごと取り出して別のクリップを再装弾することは可能で,そのへんも本作ではきっちり再現されている。

 

・M1903スプリングフィールド小銃(M1903 Bolt-Action Rifle)

1936年まで米軍制式火器として使用されてきたが,その後はM1ガーランドに置き換わった。7.62mm弾を1発ずつ最大5発まで装弾でき,ボルトアクションのため次弾発射までの時間はかかる半面,高い命中精度を誇っていた。大戦中はスコープを装着した狙撃ライフルとして活躍し,映画「プライベート・ライアン」でジャクソンが使用していたのも,この銃だ。

 

 

▽ドイツ軍:
・MP40短機関銃(MP40 Sub-Machine Gun)

携帯性,即射性,連射性を兼ね備えたMP40短機関銃は,ストックを折りたたむと全長は約63cm,重さは約4kg,拳銃のようなグリップなので取り回しがしやすく速射が可能。銃弾は9mm弾を使用,装弾数は32発,フルオートで1秒間に8発を発射する。接近戦では脅威となり,ゲーム中でも大きなダメージを負うことが多い。

 

■登場人物紹介
ハートソック伍長(CPL HARTSOCK) 銃撃班

ジョー「レッド」ハートソック伍長。レッドはノルマンディ降下後から常に一緒に戦う部下。顔にある傷の原因はゲーム中に判明するので詳しく触れないが,なかなかケンカっ早い様子。そんな彼も故郷に残した妻子の元に帰れる日を心待ちにしている。

 

アレン二等兵(PVT. ALLEN) 銃撃班 (画像右)
ガーネット二等兵(PVT. GARNETT) 銃撃班 (画像左)

アレン二等兵とガーネット二等兵は基礎訓練キャンプで出会い,すぐに意気投合。戦場でも常に行動を共にしている。降下に失敗して散り散りになったにも関わらず,二人は合流し行動を共にしている。

 

■■UHAUHA(ライター)■■
4Gamer専属ゲームライター。副業として,会社員と二児の父をやっている。4Gamer最古参ライターの一人でありながら,実は編集部の誰かと直接会ったことは一度もない。BIAをプレイすると「バンド・オブ・ブラザーズ」が観たくなる性質のようだ。スピアーズ中尉に憧れているようだが,実際に戦場に放り出されたらブライス二等兵やダイク中隊長みたいになれる自信があるとのこと。なんのことやら分からない人は,今すぐ「バンド・オブ・ブラザーズ」を観てみよう。
タイトル Best Selection of GAMES ブラザーインアームズ 〜ROAD TO HILL 30〜 日本語版
開発元 Gearbox Software 発売元 フロンティアグルーヴ
発売日 2006/11/10 価格 3990円(税込)
 
動作環境 Windows 2000/XP,PentiumIII/1GHz以上(Pentium4/2.5GHz以上推奨),512MB以上(1GB以上推奨),VRAM 32MB以上(128MB以上推奨)のビデオカード,DirectX 9.0c以降

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