― 連載 ―

ハートマン松本の全軍突撃! バトルフィールド2
諸君! 地上兵器の紹介もやっとくよ

 新米戦車兵諸君! フォート・アーウィンへようこそ。今日は戦闘車両について学ぶことにしよう。いうまでもなく,各種地上兵器は陸戦の華。すたこら歩く諸君らに,より軽快な移動力,より強力な攻撃力,より強靭な防御力を与えてくれるのである。
 とはいえ「バトルフィールド1942」ゆずりの地上兵器には,ちょっとオジサン悲しくなる。あいもかわらずトタン板1枚突き破れず,逆にダメージを受けてしまうほどの虚弱体質だが,今回はさらに対戦車ミサイル,戦闘ヘリコプター,新鋭戦闘攻撃機,砲撃など新兵器の登場により,地上兵器の立場はさらに悪化した。「どうせ,ビビビビーって警報が鳴って,あっという間に木っ端微塵」と敬遠している諸君もいるのではないかと思う。気持ちは分かる。

 しかし,物事すべからく適材適所だ。攻撃ヘリコプターのいないマップにおける戦車の対歩兵戦闘能力は侮れない,やたらと広くなったマップを縦横無尽に駆け抜けるジープは拠点占領にもってこい。水陸両用の兵員輸送車で意外な場所に上陸し,奇襲を仕掛けるのも楽しいだろう。いずれにせよ,うまく使いこなせば諸君はみるみるスコアアップし,背もぐんぐん伸びて女の子にモテモテになること間違いなし。

 

 そんなわけなので,今回は第3回の航空兵器編のように,地上兵器の実車について学んでみることにしよう。何度も述べたように,ゲームの都合上,同じカテゴリであれば性能差はほとんどないので,分類そのものが重要だ。キャタピラで動いていればなんでもかんでも「戦車だ!」では,小学生である。迫ってくるのが装甲車か対空車両かによってつけ込むべき弱点が異なり,対処の仕方も変わってくるのだ。形を見て即座に判断できるようにならないと,優秀な兵士にはなれないであろう。とはいえ,実車解説だけではなんだから,ほんの少しだけゲームでのポイントを述べよう。

 

●地上兵器に乗るつもりなら,兵科は工兵

 これはもちろん,ダメージを受けたら自分で回復させるためである。戦闘が一息ついたら,さっと地上に降り,魔法のスパナでキリキリキリキリ修理するのだ。マップにもよるが,全般的に,兵員に対して地上兵器は不足気味。次はいつ乗れるか分からないぞ。

 

●機関銃手を必ず乗せる

 いうまでもなく敵の対戦車兵や突撃兵,特殊兵のC4爆弾などに対処するためである。砲塔の同軸機銃だけでは死角が大きく,撃ち漏らしも出てくる。ジープで高速に敵中を突破するときでも,機関銃手がいるといないとでは生存率が大きく異なってくるだろう。

 

●スモークを使う

 実戦であまりやっている人を見ないのは,自分の視界まで狭めてしまうのを嫌ってのことだろう。とはいえ,ミサイルがロックオンされ警報が鳴り響いているときは,ダメもとで煙幕発射&高速移動だ。意外に効果があるのを実感できるだろう。

 

 以上である。これ以外にもいろいろあるかもしれないが,それは,いずれまた。次の実車解説を参考に,より良い全面戦争を楽しんでくれたまえ。気をつけ!

 

【主力戦車】
―― ゲームにおけるスペック ――
操縦手 120mm〜125mm砲:40発
同軸機銃,煙幕
乗員 重機関銃

 

アメリカ

■M1A2エイブラムズ

1981年に正式配備が開始されたM1エイブラムズ主力戦車は,各種の改修を施されながら発展を続け,現在,陸軍と海兵隊を合わせ8000両近くが稼働する,アメリカ地上軍の中核戦車だ。1991年の湾岸戦争では旧ソ連製のT-72を相手に完璧なワンサイドゲームを行い,世界最強戦車の名を欲しいままにした。西側主力戦車としては唯一,1500馬力のガスタービンエンジンを採用し,高度な火器管制システムと,強力な120mm砲を装備する。

 

中国

■98式戦車

1999年,北京における人民解放軍のパレードで確認された中国国産の最新鋭戦車で,1200馬力のディーゼルエンジンと125mm砲を装備するものと思われる。車体はT-72によく似ているが,複合装甲を採用した角ばった砲塔が特徴だ。砲塔上には一風変わった防御装置があり,敵のレーザー照射を検知すると同時に,敵戦車のサイトにレーザーを放射して破壊すると推測されているが,実際の効果のほどは不明。自動装填装置を備え,乗員は3名。

 

中東連合

■T-90

T-72の後継主力戦車としてロシアが開発した新型車両。火器管制システムと各種センサーの高度化,ミサイル防御システムの搭載,爆発反応装甲の採用など,現代戦向きの強化が施されている。125mm主砲からは砲弾以外にスナイパー対戦車ミサイルを発射可能で,これにより5000メートル以上の距離から敵戦車をアウトレンジ攻撃できる。ロシアは同戦車の輸出にも熱心だが,今のところ成績はあまり芳しくないようだ。自動装填装置付きで,乗員は3名。

 

【装甲兵員輸送車】
―― ゲームにおけるスペック ――
操縦手 25mm機関砲(BTR-90は30mm機関砲):450発
対戦車ミサイル:6発
煙幕
乗員 機関銃×4名

 

アメリカ

■LAV-25

緊急展開のため車体重量とスピードが重視されるアメリカ海兵隊は,主力装甲車としてスイスのモヴァク社(現在はGMカナダ)が開発したピラーニャ8輪装甲車を採用した。車体重量は約10トンで,輸送機はもちろん,海兵隊のCH-53E重輸送ヘリコプターでも輸送可能だ。主砲にはブッシュマスター25mm機関砲を搭載し,乗務員を除いて6名の兵員が搭乗できる。自走対戦車ミサイル搭載型,指揮・管制型など,バリエーションも豊富だ。

 

中国

■WZ551

中国のNORINCO(中国北方公司)が開発した一連の装輪装甲車シリーズの一つで,6輪のAPCタイプがこのWZ551だ。90式装甲車とも呼ばれる。原型となったのは,ドイツのメルセデス・ベンツ重トラックを中国でノックダウン生産した,6輪トラックXC2200。本車の配備は1992年頃からで,乗員を除く9名の兵員が搭乗可能。また,車体後部の砲塔には25mm機関砲が装備されている。水陸両用で,機械化歩兵の頼れる足として活躍している。

 

中東連合

■BTR-90

強力な火器を装備した新世代の装輪式兵員輸送車として,西側の専門家にも大きな影響を与えたBTR-60が登場したのは1960年のこと。このBTR-90はその系譜に連なる最新型だが,ロシア軍が現在使用しているBTR-80の後継というよりは輸出市場を強く意識した車両で,ユーザーのニーズによってさまざまなカスタマイズが可能だ。10名の兵員が搭乗可能で,砲塔には30mm機関砲と7.62mm機関銃が搭載されている。もちろん水陸両用だ。

 

【対空車両】
―― ゲームにおけるスペック ――
操縦手 25mm機関砲(M6 ブラッドレー ラインバッカー):450発
30mm機関砲×4門(95式):600発
30mm機関砲×2門(ツングースカ):600発
地対空ミサイル:12発
乗員 手持ちの武器×1名

 

アメリカ

■M6 ブラッドレー ラインバッカー

圧倒的な制空能力を持つアメリカ軍は,あまり対空車両の開発に熱心ではない。このラインバッカーも,ボーイング社の開発したキットを使って,戦闘兵車であるブラッドレーにスティンガー対空ミサイルを搭載するという単純な改造車両である。これによって,戦闘ヘリコプターなど,比較的低空の敵に対する防空能力を高めることが可能となった。本車の制御系は非常に高性能で,最高速度で移動しながらでも照準を目標に固定し続けられる。

 

中国

■95式

中国の最新式対空車両である95式は,1990年代半ばに確認されている。それまでは古い固定式の対空砲に防空を頼っていた人民解放軍だったが,この95式の登場で,一気に近代的な能力を持つことになった。砲塔には25mm機関砲4門を備え,さらに4発の地対空ミサイル,捜索用の全天候レーダー,光学追尾システムなどが搭載されていると推定される。ゲーム中では,独特の発射音と共に放たれる嵐のような連続射撃が圧巻だ。

 

中東連合

■ツングースカ

成功を収めたZSU-23-4シルカ対空自走砲の後継として開発されたのが,2S6ツングースカである。低空および中高度の航空機に対抗できるよう,4門の30mm対空機関砲と共に,SA-19グリフォン地対空ミサイルを搭載するハイブリッド対空車両だ。捜索レーダーと目標追尾用のレーダー,さらにそれらを制御する最新の電子機器を搭載した,極めて高機能な対空車両だが,それだけにコストも高く,ロシア軍における配備はあまり進んでいない。

 

【四輪駆動車】
操縦手 1名
重機関銃手 1名
乗員 2名
計4名

 

アメリカ

■HMMWV

HMMWVとは High Mobility Multipurpose Wheeled Vehicle(高機動多目的装輪車)の略だが,M998"ハンヴィー"という名称のほうがよく知られている(あるいは単に"ハマー"とも)。かつてのジープのように,アメリカ軍の行くところ必ず見られる車両だ。何種類もあったジープの機能を一つにまとめて調達とコストダウンの便を図ることを目的に開発され,1984年から配備が始まっている。大型の四輪駆動車で,派生型も数多い。

 

中国

■南京(NJ)2046

南京の中国自動車企業と,イタリアのイヴェコ社のジョイント・ベンチャーで製造された四輪駆動車が,このNJ2046だ。ベースとなったのはイヴェコ社のミニバンで,兵員の輸送だけでなく,指揮/通信,荷物の運搬など,多方面に使用できることを開発目標としている。その結果,堅牢で信頼性が高く,かつパラシュート投下も可能な,運用しやすい車両に仕上がった。ターボつきディーゼルエンジンを搭載し,最高速度は時速100km。

 

中東連合

■GAZ 39371 ヴォドニク

歴史あるGAZ(ゴーリキ自動車工場)によって生産される本車は,西側の同クラスの車両と比較しても極めて優秀な4輪駆動軍用車である。そのユニークなデザインは,貨物部分がモジュール化されているところからきており,同じシャーシを用いてさまざまな目的の派生車両を簡単に作り出せるのだ。タイヤ圧可変システム,高いグランドクリアランスなどにより水上浮航性も優れ,道路が未発達な僻地への荷物運搬など,民間でも広く使われている。

 

【軽車両】
―― ゲームにおけるスペック ――
操縦手 1名
重機関銃手 1名
機関銃手 1名
計3名

 

アメリカ

■DPV

DPV,すなわちデザート・パトロール・ヴィーグルという大仰な名前はついているものの,正体は無装甲のデューンバギーである。対戦車兵のEryxミサイル一発で乗員はお陀仏だ。アメリカ海兵隊は同型車を湾岸戦争とイラク戦争で多数使ったが,主な任務はパトロール,部隊間の通信,SEAL部隊の移動などごく限られたもので,前線で使われることはほとんどなかった。ゲームでは,その高速性を生かして,手薄な拠点への突入などが考えられる。

 

中国

中東連合

■FAV

FAV(Fast Attack Vehicle)は,中国と中東連合が使用する軽車両。ゲームでは,搭載している機関銃を360度旋回できるので,射界の限られるDPVに比べてやや使い勝手が良い。実車は中国の軍用機メーカーによって開発され,2001年頃から空挺部隊を中心に配備が始まっている。独立懸架の4輪駆動車で,85馬力の水冷エンジンは車体後部に搭載される。空輸とパラシュート降下を可能とするため各部の軽量化が図られており,重量は約1.7トンだ。

 

秋の叙勲

 現実の生活では勲章なんか一生もらえそうもない私だが,バトルフィールド2では,獲得したスコアに応じてメダル,バッジ,リボンなどがもらえて非常に嬉しく,励みになる。戦闘機好きの私としては,目指すはやはり「エア・コマンド・メダル」であろう。うう,なんてカッコいいのだ。よく分かんないけど,これぞエースの証ではないだろうか。というわけで,何をどうやったらもらえるのか海外サイトなどでいろいろ調べてみた。

 その結果,非公式ながら,叙勲資格は「飛行3000時間。航空機によるトータル10000キル。飛行機による1ラウンド25ビーグルキル」であるらしい。なんかの間違いかと思ったが,どうもそうらしい。1ラウンド25キルについては,まあ,敵パイロットの腕前とかマップの状況とか,運に左右されるけど,それにしても,さ……3000飛行時間!
 BFHQで調べると,私の飛行時間は約8時間で,スコアは120程度。ということは,今までの375倍飛ばないといけないらしい。ゲームの発売が7月で,何やかやあったから,正味丸1か月ぐらい遊んでいるとして,375か月ということは……,えーと……,もう考えるのはやめたほうがよさそうである。この勲章システム,バトルフィールド2の新たなお楽しみといっても過言ではない。諸君も張り切って叙勲目指してがんばろう。とほほ。

■■松本隆一(ライター/学生/教官)■■
新学期が始まり,学業に打ち込んでいる松本氏。授業中,いかにBF2の空戦で勝利できるかをぼんやり考えているうちに妄想が広がり,ノートいっぱいに独自の空戦理論を展開。ノートを埋め尽くすと,今度は実戦で試すために帰りたくて帰りたくて仕方がなくなったという。勉強嫌いの中学生!? サーイェッサー!
タイトル バトルフィールド 2
開発元 Digital Illusions CE 発売元 エレクトロニック・アーツ
発売日 2005/07/07 価格 オープンプライス
 
動作環境 OS:Windows XP(+DirectX 9.0c以上),CPU:Pentium 4/1.70GHz以上(Pentium 4/2.40GHz以上推奨),メインメモリ:512MB以上(1GB以上推奨),グラフィックスメモリ:128MB以上(256MB以上推奨)

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