― 連載 ―

ハートマン松本の全軍突撃! バトルフィールド2
諸君! 分隊システムで夢の隊長生活を送れ
バトルフィールド2の分隊システムとはなんなのか

 新米分隊長諸君! 陸軍士官学校へようこそ! 諸君は,いずれ分隊長として職を拝命し,自分の分隊を指揮することを希望してここに集まったわけだが,その道は険しいと言っておこう。なにしろ諸君の指揮する兵士達の中には,諸君より腕の立つ者や,戦場を知り尽くしたベテランなどが大勢いるはずだ。そんな連中の前でトンチンカンなことをしたら,たちまち部下はやる気をなくし,軍紀は緩み,膀胱も緩み,我が軍の勝利など思いもよらない事態に陥ってしまう。
 そう,分隊/コマンダーシステムこそ「バトルフィールド2」における最も重要なポイントなのだ,というとちょっと大げさかなって気もしないでもないが,ともかく今回は分隊システムについて学んでいくことにしよう。気をつけ!

 

 分隊長の任務とは,当然ながら,最大6人で構成される分隊を指揮することだ。コマンダー(司令官)の命令を受け,あるいは自分自身の判断で,拠点を攻撃したり,防御したり,コマンダーに様々な要請を出すのだ。とはいえ,分隊システムにおいて最も重要かつ画期的なのは,やはり「分隊員が隊長のそばにリスポーンする」ことであろう。

 これにより,分隊長殿がご存命であられる限り,部隊がバラけることなく,戦闘力を維持できるのだ。戦場は広く,また車両や航空機などが全員分あるわけではないので,この「即座に前線に復帰できる」というシステムを有効に使いこなしたほうが,はるかに有利なのは即座に理解できるだろう。分隊は最大で9個まで作れる。これはつまり,「拠点以外にリスポーンポイントが最大9個も増える」ということだ。分隊システムはすごいのである。

 

 というわけで,まずは分隊長になる方法だ。3通りある。

 

[写真1]この画面で,分隊への参加,分隊の作成などを行う。また,コマンダーが指示を出すと,画面左下にそれに従うかどうかを問う表示が出る。通常,従ったほうがいいが,ときには現状にそぐわない命令を受けることもあるもの。分隊長の判断が重要になるところだ。コマンダーの指示はマップ画面に星印がつくので,すぐに分かる

自分で分隊を作る(その1)

 まず,写真1のようにCapsLock(デフォルト。以下同)でマップ画面を開き,左のリストから「部隊」のタグをクリック。そこで部隊欄の「作成」を選べば,驚いたことに諸君は小隊長だ。おめでとう。まだ部下はいないがな。

 

自分で分隊を作る(その2)

 画面は同じだが,下の「新規作成」をクリックだ。この二つの違いは,前者は「デルタ」だの「エコー」だの,すでに分隊名が決まっているが,後者のほうは勝手に名前を付けられることだ。これは,後述するが,自分の任務をはっきり知らせたいときに使うのがいいだろう。

 

いつの間にか

 最後。実はこれが一番多いようだが,気がついたらいつの間にか分隊長になっていたというもの。分隊長だった者がなんらかの都合で部隊を抜けてしまい,次席だった諸君に指揮権が回ってきたのだ。いったん分隊長になったらゲーム終了まで責任を持つのがマナーだが,昼食のカラアゲに当たって急にさしこみが来たとか,まあ人生,思うようにはいかないものである。そんなときのためにも,分隊長の任務を知っておくことは重要なのだ。強引かしら?

分隊長の的確な命令が全軍を勝利に導く
分隊を作成したら,隊員を勧誘しよう。これはマップ画面の「分隊の管理」をクリックすることで可能だ。同じ画面で,いらない隊員をキックもできる。たいていの不良隊員は悪気があるわけでなく,システムを知らないために奇妙な行動を取っているだけなのだが,やはり命令を聞いてくれないと困る

 分隊長の任務とは,もちろん分隊に命令を下すことだが,想像してみたまえ。諸君の下には指示を待つ部下達がおり,戦場における諸君の責任は重大だ。とはいえ,諸君の手にある情報は部下達とたいして違わない。あっちの拠点を攻めるべきか,それともこっちの拠点を守るべきか,家に帰って寝ちゃうか,即座に判断しなければならないのだ。さあ,困ったぞ。鉛筆でも転がすか?
 大丈夫である。こういうときのコマンダーなのだ。戦場の状況をすべて把握しているのはコマンダーだけであり,そのコマンダーが直接指示を出せるのは分隊長だけなのである。Vキーでコマンダーとボイスチャットできるのも分隊長だけだ。一兵卒が軽々しく司令官閣下と口を利いちゃいかん,ということだな。ちなみに,分隊員はBキーで分隊長,およびほかの隊員とボイスチャットが可能。また,マイクを持っていなければ,Lキーにより,テキストでのチャットができる。

 さて,攻撃目標ははっきりした。準備は万端だ。とはいえ,実のところ指示をなかなか出さないコマンダーもいるし,明らかに変な命令を下すコマンダーもいる。人それぞれだ。こういうときは仕方ない,私の好きな格言「熟慮の末の最善の判断より,即座に下した次善の判断のほうが良い」を思い出したまえ。とりあえず,近くの敵拠点を攻撃するとか,隊員をどこかに集めるとか,即座になんらかの行動を起こすのだ。命令を出さないコマンダーと同様,何もしない分隊長も困りものである。また,後述するが,コマンダーに指示を出してくれるように要請することも可能。
 さて,その命令の出し方と種類だ。

 簡単なのは,視線を目的のほうへ向けてTキーを押すことである。すると,写真2のような表示が出るが,これは普通の隊員がQキーで行うチャットと違い,分隊長専用の画面だ。見ての通り,命令には以下のようなものがあり,下された命令に従い,目標地点にはそれぞれ形の異なるアイコンが現われ,色の異なるスモークが焚かれることになる。

 

[写真2]目標に照準を合わせ,Tキー押下すると,このような画面に,またマップ画面で目標を右クリックするとこのようになる。表記が若干異なっているが,命令の内容は同じだ。また,Tキーには地雷散布の命令がないが,照準によって散布場所を確定するのは困難なので,そうなっているのだろう。コマンダーへの要請もこれら画面で出すことになる
移動 "矢印"のアイコンと"黄色"のスモーク
防御 "盾"のアイコンと"紫色"のスモーク
攻撃 "剣"のアイコンと"オレンジ色"のスモーク
修理 "スパナ"のアイコンと"紫色"のスモーク
破壊 "ハンマー"のアイコンと"オレンジ色"のスモーク
地雷 "地雷"のアイコンと"オレンジ色"のスモーク
目標には,このようにアイコンが表示されスモークが焚かれるので分かりやすい。また,このマークはほかの分隊のメンバーには見えないので,混乱することはない。目的が達成され,別の命令が下されると,この煙は次第に消えていく

 命令の内容は説明するまでもないだろう。ただ,視線で指示するのは心もとない,という生真面目な分隊長は,CapsLockキーでマップ画面を開き,目的の場所で右クリックすることでも同様の指示を下せる。ズームもできるので細かい指示が可能であり,個人的にはもっぱらこちらを使っているが,Tキーによるチャット画面のマウスさばきが苦手,という理由なので,好き好きだ。これらの命令によって分隊員を手足のように使い,戦闘に勝ち続けるのが諸君の仕事なのだ。

 

 さて,察しのいい諸君なら,Tキーあるいはマップ画面によって出せる各種命令の中に,コマンダーに対する要請が入っていることに気づいたであろう。そうなのである。諸君のもう一つの重要な職務は,コマンダーに依頼を出すことだ。すでに述べたとおり,一般の兵士はコマンダーと連絡を取れない。そのため,物資の投下,支援砲撃,偵察機の使用,そして指示要請はすべて分隊長が行わなければならないのである。いずれも,戦況を有利に進めるために欠かすことができないものばかりで,命令を聞くばかりでなく,コマンダーをうまく使いこなしてこそ,分隊長の価値が高まるというものである。とはいえ,コマンダーが必ず分隊長の要請を聞き入れられるわけではないことも理解しておこう。

分隊員の仕事と分隊長の役割を考えてみよう

 このように,分隊システムには大きな意味があり,単独でプレイする価値はまったくなくなったといっていいだろう。別に分隊長にならなくても,分隊に参加するだけで構わない。ボイスチャットができなくとも,マップ画面を見るだけで各種の指示の意味は分かるし,致死性の高い兵器が増えた現代戦においては,一人で何とかできる場面は非常に限られているのだ。単独プレイ禁止。
 だがそれでも,「他人と協力するのはイヤだ。オレは自由がいいのだ! フリーダーム!」などと叫ぶ愉快なプレイヤーもいるだろう。そういう諸君のための道として用意されているのがロック機能である。マップ画面,自分の分隊の欄に鍵のマークがあることに注意したまえ。これをチェックすることで,その分隊に誰も入れなくなるのだ。あんまりオススメできないが,これで一人分隊でも作って,心ゆくまで単独プレイを楽しんでほしい。
 もっとも,このロック機能はおそらくパイロットや特殊機能を持った分隊作成のために用意されたものだ。もし分隊長が戦闘機パイロット一筋だった場合,うっかり参加した隊員は隊長をリスポーンポイントにできず,もよりの拠点で再出撃することになってしまう。しかし,コマンダーが戦闘機に指示を出すこと自体は重要だ。そんなときにロック機能が有効なのである。あるいは,特殊部隊員2人で偵察を主任務とした分隊を編成したいとする。分隊の名称を「スカウト」にして,コマンダーやほかのプレイヤーに分かってもらい,同時に分隊をロックすれば少人数の軽快な行動が可能になる。

 

 さて,以上のことから,すでに諸君も分隊長および分隊員の"最重要任務"に気づいていることだろう。つまり,分隊長の場合は生き残ることであり,分隊員は隊長を死なせないことである。
 分隊長は「歩くリスポーンポイント」だ。「率先垂範! 指揮官先頭!」とばかりに拠点に真っ先に飛び込んで討ち死にしていては,そのメリットがなくなってしまう。隊員は,隊長を守ることを優先させ,場合によっては自分を犠牲にしなくてはならない。なーに,隊長が生きているから,すぐにリスポーンできる。そして,そのためにも隊長はきちんと命令を下し,自分が何をやりたいのかハッキリさせる必要がある。意図が不明確では,隊員は隊長の背後をくっついていくしかなくなり,真っ先に撃たれるのも隊長になってしまうからだ。しばしば隊長は歴戦の兵士が担当し,あんまり逃げ回りたがらなかったりするのだが,勇気を持って隠れるのが諸君ら隊長候補に求められる資質なのである。がんばってコソコソしてくれ。では,今日は解散!

 

分隊/コマンダーシステムは本当に機能しているか?

 最近のことだ。松本分隊長は5人の部下に対し,拠点Aを攻撃するよう命令を下した。流動的な戦況から判断し,そこが重要だと決定したからだ。ところが次の瞬間,それまであった敵の旗は白くなり,すぐ我が軍の旗になってしまった。つまり味方の誰かが占領したのである。そこで,あわてて命令を取り消し,別の拠点Bの攻撃を命じる私だったが,そのときだ。たった今我が軍のものになった拠点Aがいきなり白くなり,再び敵の占領下に入ってしまったのである。つまり敵が取り戻したのだ。やはり拠点Aは重要である,と判断した私はあわてて命令を取り消し,再び拠点Aへの攻撃命令を下した……,てなことやっていたら,いつの間にか隊員が1人抜け,2人抜け,いつの間にか部下が1人だけになってしまったのである。とほほ。

 このように,一生懸命やっていても報われない隊長がいる一方,部下5人をシーホークに乗せ,旗の上でホバリングすることで次々に拠点を陥とし,勝利の暁には同乗して地上制圧を担当していたミニガン銃手(楽な仕事である)にシルバースター勲章を与えるほどの活躍をする分隊長もいるのである。ちなみに,そのとき勲章をもらったのは私なんだけど。

■■松本隆一(ライター/学生/教官)■■
ついに新学期が始まってしまった松本教官。今年からカリフォルニア州の政策により学費が値上がりしてしまい,シュワルツェネッガー知事のもとにマイケル・ビーンとプレデターを送り込もうと企んでいるらしい。どっちも負けて殺されていたような。サーイェッサー!
タイトル バトルフィールド 2
開発元 Digital Illusions CE 発売元 エレクトロニック・アーツ
発売日 2005/07/07 価格 オープンプライス
 
動作環境 OS:Windows XP(+DirectX 9.0c以上),CPU:Pentium 4/1.70GHz以上(Pentium 4/2.40GHz以上推奨),メインメモリ:512MB以上(1GB以上推奨),グラフィックスメモリ:128MB以上(256MB以上推奨)

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