― 特集 ―

「大航海時代 Online」インタビュー

Text by 大路政志
Photo by kiki

 

 

■ クローズドβについて:予想以上の成功に

 

4Gamer:
 では,そろそろゲーム内容についてお聞きしたいと思います。まずは,無難な質問から。私の場合,DOLをプレイしていて,従来のMMORPGとはずいぶん勝手が違うというか,楽しみ方がひと味もふた味も違うなぁということを一番感じたんですよ。ほかのテスターさん達の反応は,どのようなものが多かったのでしょうか?

 

渥美氏:
 戦闘やレベル上げが中心となるMMORPGが多いですが,私達はこれまでにない独自のMMOを作りたいと考えて,いわば狙ってこのようなゲームを作ったんですね。そのため多少は不安もありましたが,クローズドβでの反応は大変良好でした。当然,「合わない」と思ってプレイをやめた人もいるとは思いますが,予想以上に受け入れられたと判断しています。

 

4Gamer:
 では,テスターから一番多く寄せられた要望は,どのようなものだったんでしょうか?

 

渥美氏:
 一番多かったのは,艦隊(一般的なMMORPGのパーティにあたる)を組んだ場合のゲーム性をもっと高めてほしいという要望でした。

 

4Gamer:
 その要望が,先日の発表(記事は「こちら」)で明らかになった,クエスト・発見・報酬を艦隊で共有する仕様として実現されるわけですね。

 

渥美氏:
 はい,それも一つですね。またやはり要望が多かった所属国の追加も,今のところはフランス,ネーデルランド,ベネツィアの3か国を予定していますが,オンラインゲームなので,その後も順次……と考えています。プレイヤーの反応を見つつ,いろいろ調整していくことは可能なので,「がんばっていこうかな」と思っています。

 

4Gamer:
 所属国の追加といえば,大航海シリーズだし,いつか日本が出てきてもおかしくないですもんね。

 

渥美氏:
 それはもう,当然,いずれはあるでしょうね。世界は広いですから,たくさんの国を追加できればと思っています。

 

4Gamer:
 地中海付近しか実装されていないクローズドβのときでも,十分広く感じましたよ。ほかのMMORPGと比較してみても,"ゲーム世界の広大さを実感できる"という意味では,本作は群を抜いていますね。

 

渥美氏:
 そうですね。私達でも,最初にマディラに行ったときには,「どこにあるんだろう……」と,凄くドキドキしましたよ(笑)。進んでも進んでも見渡す限り海だし,ある程度マップは頭に入っているとはいえ,あぁ,当時の航海士は大変だったんだなぁと。

 

4Gamer:
 最初のうちは航海が本当に手探りで,隣町に行くだけでもドキドキしましたね〜。クローズドβの最終イベントで,私は喜望峰まで辿り着けなかったんですが(詳細は「こちら」),それでも「大冒険したなー」という満足感を得ることができました。

 

渥美氏:
 本当に大冒険ですよね。まぁ,うちのスタッフも各所で戦いに明け暮れていたみたいですけど……。

 

4Gamer:
 確か,運営スタッフが,喜望峰を目指すテスター達の妨害をしていたんですよね。

 

渥美氏:
 別に激しく妨害しろと指示を出したわけではないんですが,テスターのみなさんが予想以上に戦闘慣れしてて,思わず本気になってしまったようですよ。実際,スタッフ側の船もいくつか沈められたようですし……。いやぁ,みなさん本当に強くて。

 

4Gamer:
 まぁそう簡単に喜望峰に行けては面白くないですし,あれはあれで,凄く楽しかったです。私の知る限り,参加したテスターさん達も喜んでいましたよ。

 

渥美氏:
 そう感じてもらえれば,こちらとしては最高ですね。


世界の拡大に伴い,船の速度に調整が加えられている。序盤で得られる船ではスピードアップは実感できないが,中型船以降の船は目に見えて速くなっているそうだ。速くしすぎれば世界が狭くなり,速度を抑えすぎればストレスの溜まるゲーム展開になる。ゲームの性質上,快適性とリアリティを天秤にかける作業は頻発するだろうが,開発陣のバランス感覚は確かなものだと感じた。