Monolithといえば,「No One Lives Forever 2」「Aliens vs. Predator 2」などの人気作を次々と世に放ち,自社開発であるLithTech系エンジンのクオリティアップと共に実績を重ねてきたデベロッパ。ここへきてオリジナルの「F.E.A.R.エンジン」を使用するなど,LithTechのライセンスビジネスとは別路線のタイトルをラインナップに加えてきた。いずれにせよ,同デベロッパらしく,決してミリタリー色に染まらない意欲作だ。
本作のシングルプレイのフィーチャーを端的に言うと,Half-Life 2に匹敵するとされる(?)グラフィックスはもちろん,ホラーやオカルト要素が強く謎めいたストーリーや,「ナイトメア・シークエンス」なる突発的な挿入シーンの数々だろう。
しかし今回のβクライアントはマルチプレイ専用のため,過激なゴア表現などはともかく,本作を本作たらしめているはずの雰囲気はそれほど味わえない。プレイしてみると分かるが,非常にスポーツライクな仕上がりだ。
プレイヤーキャラクターにクラスはなく,リスポーン時に携行できる武器は,二丁拳銃/サブマシンガン/ショットガン/アサルトライフル/Nailgun/セミ・オート ライフルの六つ。ただしマップには,ミサイルランチャーやプラズマガンが配置されている場所もある。ベーシックな武器に,ヘルス+アーマーという2段構えの体力設定と,このあたりは非常にオーソドックスである。
グラフィックスは,全体的に画面が暗いからか,ガラスの透明処理などが似通っているからか,HL2というよりもタクティカルFPS「SWAT 4」を彷彿とさせる(キャラクター移動のもっさり感や,金属音が微妙に混じってキンキンと心地良い武器の使用感も,「SWAT4」のそれに近い)。
ゲーム開始直後こそ印象の良くないグラフィックスだったが,手榴弾の炸裂時に空間が歪んだり,ライフルの跳弾であらゆる場所から火花が飛び散ったりといった細かい演出はマル。オブジェクトもキチンと破片を吐き出しながらダメージを受けてくれる。
βクライアントに収録されている基本的なモードは,Deathmatch/Team Deathmatch/Elimination/Team Eliminationの四つ。やや単調な上記のモードにアクセントを付けているのが,本作のメインフィーチャー"SlowMo"(スローモ)を使用できる上記四つのサブモード,SlowMo DeathmatchとTeam SlowMo Deathmatchだろう。
SlowMoは,早い話がバレットタイムで,プレイヤーが一定時間,時間の流れる速度に干渉して,ほかのプレイヤーの動作を遅くできる能力。思い切ってマルチプレイでバレットタイムを利用可能にしたのはともかく,SlowMoを発動するために必要な薬剤をめぐるやりとりが抜群に面白い。
SlowMoはマップに一つだけ存在するアイテムを拾うことで,一人だけが発動できる。これだけだと,一見SlowMo所持プレイヤーが無敵のようにも聞こえるが,実はSlowMo発動アイテムの所持者は,すべてのプレイヤーからその居場所を知られてしまう。SlowMoを使って勝利を目指すか,SlowMo使用者を狩るかといった遊び方ができるわけだ。SlowMo発動アイテムは,プレイヤーが倒れるとその場にコロンと落ちるので,それを拾いにくるプレイヤーを待ち伏せするといった戦略も可能だ。本作が,SlowMoをただの能力ではなく,モードとして実装しているのも頷ける。
本デモ版には前述の6モードと,三つのマップが収録されている。マルチプレイだけでは本作のトータルクオリティは図りかねるが,既報にあった要素を大きな遅れもなく実装してリリースしてきた点は評価に値する。FilePlanetの有料会員向けではあるが,FPSファンならぜひプレイしておきたい一作だ。
■マルチプレイ専用クライアント一般公開 2005年6月20日追記
先日公開されたFPS「F.E.A.R.」のマルチプレイ専用βクライアントが,FilePlanetの有料会員でなくてもプレイ可能になった。ただし,無料の会員登録は必要となる。
FilePlanetの「こちら」で,無料会員のアカウントでログインしてから,住所,氏名,メールアドレスを入力し,最後に自分のPCのスペックを選択すれば,ファイルをダウンロードできる。早速プレイしてみよう。
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