[GC#02]「World of WarCraft」がヨーロッパで初めてプレイ可能に!
2004/08/24 20:23
 次期発売予定のMMORPGでは,「EverQuest II」と共に双璧をなすと言われている「World of WarCraft」。多くのファンが期待を寄せてはいるが,いつ正式にリリースされるのかはまったく見えてこないGame Conventionでも,ドイツっ子が心待ちにしているのが感じられた。

 2004年春からβテストが続けられている「World of WarCraft」が,Game Convention会場で,6人までが遊べる状態で公開されていた。ファンイベント型のゲームショーではいつものことだが,World of WarCraftのあるVivendi Universal Games社のブースには黒山の人だかりができており,狭いブースが一層狭く歩きにくくなっている。30分ごとに区切られたプレイ時間では足りないようで,プレイ後に再びサインナップしようとして拒否されていたツワモノもいたほどだ。
 6月にはPvPサーバーが設置されて,各キャラクターのバランスやプレイヤーキリング(PK)に対するルール作りが行われている。当初,アライアンスとホードの闘争では,プレイヤーキャラクターはもちろんトレイナーや商人などすべてのNPCキャラクターも殺害できるという意味不明のルールがテストされていた。しかしフライトマスターを殺すことで,リスポーンするまでは敵プレイヤーが別のゾーンに移動できないようにするなど予想通りの嫌がらせ行為が起こり……とまぁいろいろと調整が行われていて,現時点ではβテストがいつ終わるのかまったく分からない状態だ。
 今回のデモは,オンラインなのかローカルなのかは不明だったが,6人のプレイヤーが対戦するのではなく,同時にクエストを進めていく形式になっていた。

 「Mythica」「Ultima X:Odyssey」「Warhammer Online」など,2004年に入って期待のMMORPGが次々と制作中止になる中,「World of WarCraft」と「EverQuest II」の一騎討ち状態が濃厚になってきている。
 インスタンシングと呼ばれるミッション遂行時の専用スペース(ダンジョンや特定ゾーンなど)でのプレイは,World of WarCraftで最も注目される仕様の一つ。「Anarchy Online」で実験的に登場してから好意的に受け入れられ始め,今後リリースされるほとんどのMMORPGで"プライベートゾーン"として採り入れられているシステムで,これまで問題とされてきたキャンピングが解消されることになる。
 特定のモンスターが落としたクエストアイテムは,Soulboundと名付けられた特殊な保有者へのバインドにより,最初に入手したプレイヤー以外は使用できなくなる。Soulboundされたアイテムは,ほかのプレイヤーが装備することはもちろん売買もできないので,欲しければ自分で入手するしかないというわけだ。このシステムは「EverQuest」で"No Drop"として採用されているもので,貴重なアイテムの乱獲/売買によるエコノミーの破壊を防ぐことができる。
 World of WarCraftは,アニメーションや作風はもちろんゲームシステムでも独創的なアイデアが詰まっているが,こうした先人の開拓した仕様でも,ゲーム世界のバランス維持に効果があるものなら貪欲に受け入れているようだ。

 なお今回のGame Conventionでは,EverQuest IIを抑えて,Best of Online Games賞を受賞。先述したように,いつ正式リリースとなるか分からないWorld of WarCraftではあるが,発売日は未だに「When it's done」のまま。この人気を持続させて,MMORPGを盛り上げてほしいところだ。(奥谷海人)

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