大型Sim千夜一夜
Text by Murayama
第一回:三菱みなとみらい技術館
ヘリコプターシム
"スカイウォークアドベンチャー"で
横浜の空を独り占め!
スカイウォークアドベンチャー
形態 ヘリ(MH2000)
プレイ料金 無料
プレイ時間 15分
人数 2〜4名
※プレイには予約が必要

 企画会議で「フライトとか電車なんかのシミュレータの記事が読みたくない?」と言ったら「読みたいからよろしく」という"言いだしっぺ負ける理論"で当連載の担当になったMurayamaです。
 しかし,一口にシミュレータといっても数多くあるわけで,最初はゲームデバイスも絡めて本格的なプレイを……などと考えていたけれど,こちとらPCゲームを遊び倒してきたわけで,どうせプレイするなら今までに体験したことがないようなものを! と探してみたら,博物館や教習所にごついヤツがあるじゃないですか。しかも中には,PCゲームをはるかに凌駕する大人(マニアック)なシミュレータもある。うん,大人なシミュレータいいね。取材と称して気晴らしもできるし,それでいこう! 我ながらナイス。

 さて第一回を飾るのは,神奈川県横浜市の三菱みなとみらい技術館のヘリコプターシミュレータ「スカイウォークアドベンチャー」。もう筐体からして極上ものの匂いがプンプン。どう見ても家庭じゃ味わえない大人っぷりだ。このシミュレータは国産初のヘリコプターである三菱製の"MH2000"を再現していて,なんと本物のコックピットを切断して筐体を製作しており,シート,操縦桿,レバー,シートベルトなどは全部本物! おまけに6軸の揺動装置が付いていて,操縦桿を倒せば機体も傾くといった具合。フライトできる地域は三菱みなとみらい館を中心に半径20kmで,夜景モードなども搭載,こりゃシムファンには垂涎ものですよ!
 さっそくプレイを……と思ったが,なんと予約制で一日29回しかプレイできないらしい。しかも午前中から予約が殺到で,中には予約だけ済ませて一時退館しちゃう人もいるくらいだとか(そういうサービスもしているそうで,再入場にお金はかからない。親切だ)。ちなみに待ち時間が長かったとしても,館内には三菱のゆかりのコーナーが山盛り。原子力だの深海だのといった体験コーナーで遊んでこよう。戦艦や戦闘機のコーナーもあるし,第二次大戦好きでも満足できそうだ。

おまけ
三菱重工の誇る数々の兵器をチェック
 三菱みなとみらい技術館には,クイズやポンプを使った水力発電の体験コーナーなど多種多様な展示がある。そうした中,三菱重工が関連している兵器のモデルの展示は興味深い。
  どれもなかなかに立派なもので,戦艦武蔵,空母隼鷹,F-4E,T-2など,非常に多くの機体や艦船が展示されていた。これは一見の価値アリ! 仕事を忘れて長いこと眺めていたのはナイショだ

おまけ

 実際のプレイは15分程度,5分間のビデオで簡単なレクチャーを受け,10分間で離陸/遊覧飛行/着陸が楽しめるようになっている。レバー/操縦桿/両足のペダルを駆使して操作するが,これが思っていたよりも簡単だった。恥ずかしながら生まれて初めて知ったのだが,足の二つのペダルはヘリを水平を保ったまま右に向いたり左に向いたりできるというもので,これが使えると圧倒的に楽! 思わずいざ水平線のかなたへ! とがんばってみたが,そういう無茶をする客が多いためか,時間の経過とともに「そろそろ着陸をしましょう」のアナウンスが流れ,マップ中央に戻されると着陸へのトライアルとなった。
 着陸は最も難しく,ビルにぶつかったり,着陸ポイントを過ぎてしまったりとうまくいかない。そうしているうちにタイムアップとなりシミュレーションは終了となった。もっとプレイしたかったのに〜。

 一見,ハードルが高そうだが,プレイしてみた感じは非常に面白かった。時間の経過で夜景に変化したし,レインボーブリッジや横浜球場などのオブジェもちゃんと配置されていた。画面解像度こそ最新のフライトシミュレータに負けてしまうが,本物のへりを使った筐体が操縦桿に合わせて揺れ動くさまは,かなり楽しめるだろう。
 ちなみに未練がましくほかのプレイヤーの様子を見ていると,大人はどんな操作も慎重であるのに対して,子供は筐体がゆれっぱなしの思い切ったプレイが多いようだった。ちなみに筐体内部は受付のモニターで監視されているので,夜景が綺麗だからといって彼女といちゃつくようなことをしないように。

 またシムファンなら一度は挑戦してもらいたいのが,着陸での高得点。着陸で100点を出せば特製テレホンカードがもらえるだけではなく,高得点を出したプレイヤーはポラロイドで写真が貼り出されるそうだ。受付のお姉さんに聞いた話では,高得点を目指して毎週プレイに来るツワモノもいるとか。
 最後にちょっとマニアックな情報を。スカイウォークアドベンチャーは,通常は中級モードで稼動しているが,受付で難易度変更を申し出ることもできるそうだ。初級にしてもらうと操作はできず,映画のように眺めるだけとなり,上級になると離陸すらも難しいらしい。そうか,俺がプレイしたのは中級モードだったのか,どうりで簡単に飛ばせたわけだ。スカイウォークアドベンチャーよ,ナメててごめんよ。

三菱みなとみらい技術館
住所 横浜市西区みなとみらい3-3-1号三菱重工横浜ビル
TEL 045-224-9031
開館時間 10時〜17:30
料金 一般:500円 / 中・高校生:300円 / 小学生:200円
アクセス JR根岸線/横浜市営地下鉄「桜木町」駅より徒歩8分
みなとみらい線「みなとみらい」駅けやき通り口より徒歩3分

■■Murayama(4Gamer編集部)■■
体のどこかでアイデアの泉が湧き出て止めようがないらしく,次から次へと新企画やら新ネタを発表したり,プロデューサーの耳元で囁いたりしている。で,結局その企画をやるハメになり,常にいくつもの企画を抱えて押し潰されそうになっている。今回の連載も,そんな自分を苦しめる企画の一つ。

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