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張松といえば,顔が面白いことで歴史に名を残した人物。そんな彼が,エンジョイ&エキサイティングの精神で乱世をのんべんだらりと過ごす,プレイレポートの後編だ。
前回のラスト付近で何進軍に仕官はしたものの,あんまり真面目に働かずに自分のパラメータ(知力)上げに精を出していた張松だが,その後半生にはどんなイベントが待っているのか? ちょっと緊張感には欠けるものの,ミクロな視点で見ればそれなりにドラマチックだ! |
進軍の本拠地である洛陽で仕官して,ぐんぐん知力を上げまくっていたワタシ張松。魅力は低いままだが,長いバイト生活のおかげで名声が800近くまで上がっており,それなりに丁重に対応してもらえて気分がいい。調子に乗って誰彼構わず話しかけていたら,曹操,袁紹という強烈なお二方と義兄弟の契りを交わすことに。
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地道な努力を積み重ね,ついに知力を100オーバー(ただしアイテム修正込み)にした張松。押しも押されもせぬ名軍師だ |
史実を知っていると割とありえない風味の,曹操と張松の義兄弟。あまりのことに張松も口をポカーンと開けています |
続いて袁紹からも義兄弟のお誘いが。明らかに違和感のある三兄弟だが,深く考えないことにする。ちなみに長兄は袁紹だ |
んなふうに平穏な日々を送っていたワタシだったが,ある日ふと地図を見てびっくり。いつのまにか何進軍とその同盟軍どもが,大陸を統一しかけているじゃないですか。対抗勢力といえば,君主が張角から張魯に代わってずいぶん小さな勢力になってしまった黄巾軍と,北西の端っこの馬騰軍だけ。このままじゃゲームが終わっちゃう!
今の暢気な生活を失いたくないワタシは,何進軍を離れて対抗勢力に身を寄せ,もう少し乱世を長引かせることにした。下野すると,待ち構えていたかのようなタイミングで馬騰軍の成宜から勧誘を受ける。馬騰は武威に引っ込んで半分隠居みたいになっており,韓遂が天水の都督として一切を取り仕切っているような状態だった。目の前では何進の同盟軍である董卓軍が,いまにも天水に攻めかかろうという状態。滅亡の憂き目だったが,この張松が来たからにはもう大丈夫!
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義兄弟になったばかりの袁紹と涙の別れ。なかなかグッとくるセリフを言ってくれます。戦場に出るつもりはないけど |
在野武将になってからおよそ数日。間髪入れず馬騰軍の成宜から仕官の誘いを受ける。望むところじゃーい! |
大陸の北西の果てまでやってきた張松。中央の大都市・洛陽とはまるで環境が違うが,ここがワタシの新天地だ |
騰軍に力を蓄えさせるため,生まれ変わったように身を粉にして働くワタシ。内政に外交に計略にと,まさに八面六臂の活躍だ。張松はやればできる子なんだから。天水はエラく現役武将が少なかったが,これは各地の君主もだいたい同じような感じである。仮想モードだからかもしれない。あちこちで「見聞」を実行すると,ウジャウジャと武将が湧いてくる。再仕官から3年で,ワタシが登用した武将は華雄,閻圃,張任などを始め,11人にのぼった。最初は現役武将が3人しかいなかったもんな。これでよく抵抗してたよな。
そうこうしているうちに何進が死んで,その後を袁術が継いだ。これによって配下の武将の忠誠値が軒並み下がったので,混乱が収まる前に曹操を引き抜いてくる。義兄弟ということもあり,簡単に寝返ってくれた。
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衛士を「籠絡」し,敵都市へ潜入しまくる張松。衛士との舌戦は多少不利な位置からスタートするが,これくらい平気だ |
敵都市で城壁を破壊したり,悪い噂を流したりと,ダークな任務もどんどんこなしていく。セリフがいちいち腹黒い |
武将を発見しては,次々登用していく。すぐに「うん」と言わないヤツが多いが,こんなときにも舌戦が役に立つ |
騰軍に身を寄せて数年。我が忠勤の甲斐あって,支配化都市の規模も大きくなり,それなりに勢力としての力もついてきた。正面から袁術軍に立ち向かうのはさすがに不可能だが,しばらく持ちこたえるくらいはできるだろう。しかし,政庁で献策しやすいように都督の韓遂と仲良くしていたら,「義兄弟になろう」と誘われてしまった。うわあ,またか! これでついに四兄弟。長兄は韓遂に交代だ。
豪傑コラム:舌戦における上級攻撃コマンド |
舌戦における攻撃コマンドは,全部で4種類。基本的にこれらのコマンドは,通常コマンドに無条件で勝利する。問題は攻撃コマンドが同時に出された場合だが,最も弱いのが「揚足」で,以下「論破」「挑発」「面罵」の順に強くなっていく。
最強の「面罵」は,相手に大ダメージを与えたうえ2ターン行動不能にする,「論破」と「挑発」の効果を併せ持ったようなコマンドだ。初っ端に決まれば勝利がほぼ確定するという強力極まりない存在だが,これを習得するためには舌戦に30連勝したうえで,非武将キャラクターである禰衡もしくは左慈と親しくなり,伝授してもらわなくてはならない。大変だが,舌戦を活用するキャラクターなら,なんとか入手したい特技だ。
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ほかの舌戦特技は,それを持っている武将から教えてもらえるが,「面罵」だけは禰衡か左慈から教えてもらわなくては習得できない。とにかく強力な技で,食らった相手は平常心を失ってしまう |
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材も充実してきたこともあり,空白地だった武都を陥として,領地を広げた馬騰軍。ところが,なんとワタシ張松がこの武都の太守に任命されてしまったのでさあ大変。やってみると依頼事を受けるヒマもないほど大変で,そのうえ韓遂から「2万の兵力で20万の兵がいる長安を攻略してネ」なんて虫のいい任務を与えられたりしたので,さすがに辞めさせてもらうことにしました。
下野するときに武都の金庫から金1万ほどもらってきたので,しばらくはお金に困らない。また洛陽に舞い戻り,基本知力を限界の100まで上げることにする。さらには大商家でアイテム「論語」(知力+5)を購入。ついに顔の面白さ以外でも大陸一,二を争う男となったのだ。
というわけで,今度はあちこちを旅して知力の高い武将を探し,舌戦をふっかけて凹ませて回ることに。いうなれば「軍師狩り」? 郭嘉,司馬懿,法正,劉曄,程イクなどなど,錚々たるメンツをことごとく撃破し,ついに舌戦にて80連勝無敗。スーパー舌戦マンとして,その名を天下に轟かせるに至った。
だが,どんなに舌戦での勝利を重ねても,あの人物を倒さない限り三国志一の知恵者とは認められない。その人とはもちろん,諸葛亮孔明である。孔明を探してあちこちの都市を回ったのだが,どこを探しても見つからない。ひょっとしてまだ登場していないんじゃないのか? もう213年なのに!
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馬騰軍から下野し,再び気ままな在野武将となった張松。今回は閻圃が引き止めてくれましたが,当然のように無視 |
面罵をマスターした張松は強い強い。そこらの武将ではまったく相手になりません。わざとピンチを演出してみることも |
依頼事もたまに受けていたり。鍛冶屋が落ちるときの「んぎえぇぇぇ〜」という声は,何度聞いたか覚えていないほどだ |
うこうしているうちに,またもや天下がやばいことに。強大な袁術軍の前に張魯の黄巾党があっさり滅亡し,馬騰軍もいつの間にか武威1都市だけに。ああもう,ほんと手間のかかる天下!
そして214年,馬騰軍は滅亡。215年頭に袁術は皇帝となり,国号を「韓」と定めてしまった。もはや一刻の猶予もない。ついにワタシ張松は放浪軍として発起。在野となっていた韓遂,曹操,それに閻圃が従軍してくれた。続いて未だ空白地だった呉に移動し,旗揚げに成功! ここに君主・張松が誕生したのだった。ホントは天下とか全然興味ないし,在野でブラブラしてたいんだけど。
旗揚げと同時に,例によって猛烈な勢いで人材を集める。孫策とか張昭とか,すごい大物が在野でゴロゴロしており,張松軍はあっという間に大所帯に。同時に,増えた武将を使ってあちこちの都市を探らせていく。これは戦争や外交のためというより,単に孔明探し。この時点までで張松の舌戦連勝記録は90弱。天下の趨勢がほぼ決まってしまった今,なんとかゲーム終了までに孔明に勝利したいところ。国政ほっぽらかしで見聞してまわると,徐庶とか荀イクとか,そういった連中が今さらポロポロ現われたので,とりあえず舌戦で蹴散らしていく。ええい,孔明はどこだ!
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なぜかまだ空白地だった呉にて旗揚げ。もちろん有力者を「説得」でうまく言いくるめ,無血入城したのだった |
ふと城壁の衛士に話しかけてみたところ,乱世が長く続いているのを憂えていた。すまん,長引いてる原因はワタシです |
あんたら,まだブラブラしてたのか! と言いたくなるような大物武将は続々現われるのだが,孔明はなかなか見つからない |
らに時は流れ,220年。ゲームスタート時に15歳だった張松少年も,ついに五十の坂を越えた。袁術は死に,後を継いだのは劉豹。士燮軍はとうに滅び,我が張松軍も守りの弱かった会稽からじわりじわりと攻め立てられている最中,ついに小沛で孔明を発見した。
責任感の希薄な君主・張松は,さっそく国を捨てて放浪軍になり,放浪軍も直ちに解散。我ながら,なんて勝手な行動かと呆れるが,もはやワタシの目には諸葛亮しか見えていない。ちなみに舌戦連勝記録は99。このときのために,ちまちまと数を調整していたのである。100人目の獲物は貴様だ,孔明!
舌なめずりをして襲い掛かる張松。颯爽と迎え撃つ孔明。舌戦にしては珍しい長期戦の末,ついにワタシ張松が100連勝達成! 名実共に大陸一の知将となったのである。あまりにも満足感が高かったので,最後の抵抗勢力である劉備軍が劉豹軍に攻められているのも普通に無視。かくして大陸は劉豹によって統一され,天下に平和が戻った。
自分の欲望だけで大陸を操り,乱世を長引かせ,挙句の果てに勝手に満足して歴史の表舞台から消えていった男,張松。エンディングによると,彼はその後,学問所の先生をして余生を過ごしたという。
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小沛にて,ついに宿敵孔明を発見した。張松と違い,実に風格溢れる顔をしているが,ここで引き下がるわけにはいかない |
必殺の面罵を,なんと反論で返され苦しむ。さすが孔明。ギリギリでなんとか逆転! 孔明を破って,ついに舌戦100連勝達成だ! |
エンディングで先生になった張松。傍目にはいまいち謎な生き様だが,きっと本人としては満足のいく人生だったのだろう |
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今回は在野プレイということで,CPU担当の何進軍(のちに袁術軍,劉豹軍)が勝手に天下を統一したといった感じ。しかし張松の利己的な暗躍により,乱世の平定にはかなり無駄に時間がかかった |
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■■K.サワノフ(フリーライター)■■
基本的に統一欲は薄いようで,今回の「三國志X」については「在野プレイこそ真の醍醐味でしょう,ダラダラ遊べるのがたまらん」というコメントを残している。「舌戦」が相当お気に召したらしく,次回作では,ものっすごく長い橋での舌戦とか,戦場での舌戦で相手を憤死させるなどの要素を望むとのこと。 |
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