4Gamer：
すでに武刀の天地はゴールドになっていますし，大まかなことは，すでにファンサイトなどを通じて聞こえてきています。なので本作の特徴を聞いても今さらという感じですし，ちょっと細かい，マニアックな話を聞いてもいいですか？
カストロ氏：
もちろん。
4Gamer：
以前カストロさんは，"がま"に乗れるようにしたいと話していましたよね。実際に武刀の天地にがまが登場するようですが，今のところ騎乗生物としては，「飛龍」と「ファイアビートル」あたりの名前が挙がっているだけ。がまには乗れないのですか？
カストロ氏：
（苦々しい表情で）乗れないんだ。
ルクラフト氏：
これは純粋にテクニカルな問題だ。アニメーションをマッチングさせるのが難しくてね。今回の武刀の天地は，2Dクライアントもサポートするというのが目標の一つだった。これがなかなか大変で，結果，いくつか諦めざるを得なかったのは事実だ。実はハウジングツールで使えるようになった日本式の屋根も，同じ理由で作るのが相当大変だったんだよ。
がまに関しては，現状はテームこそできるけど乗れない。ひょっとしたら，将来的には乗れるようになるかもしれないけどね。
4Gamer：
分かりました，期待しています。あと海外のUO関連のサイトを見ていて気になるワードに，"折り紙"というものがあります。これは具体的にはどういうものでしょうか？
ルクラフト氏：
折り紙キットは，ファンダンサーというクリーチャー（扇を武器に戦う女妖怪）からのみ入手でくるアイテムだよ。この折り紙キットを使うと，ランダムでいろいろな折り紙の形ができるんだ。
4Gamer：
というと，折り鶴とか，カブトとかですか？
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ルクラフト氏：
そうだね。折り紙キット自体がレアなものなので，そこから出てくる折り紙も当然非常にレアなものになるよ。
4Gamer：
とくに使い道はないんですか？
カストロ氏：
ま，インテリアだね。
4Gamer：
なるほど，武刀の天地でデザイン可能になった和風の家に飾ると良さそうですね。それでは次に，新しい二つのダンジョンについても教えてください。
ルクラフト氏：
一つは，"ファンダンサー道場"というダンジョンだ。ここには鬼や既存のデーモンなどが出没し，また結構レアなアイテムも存在する。
このダンジョンは道場の地下という設定なので，内装も日本風になっていて，刀を置く台や掛け軸，日本風の壺が飾られていたりするので，ぜひ日本のプレイヤーにはあちこち探索してほしいね。
4Gamer：
地下といっても，ずっと建物内ということですか？
ルクラフト氏：
まぁ道場の下だから，壁は床は木だし，そういう構造ではあるね。ただし潜れば潜るほど，徐々に地面が見えてきたりはするよ。
4Gamer：
「正邪の大陸」のドゥームは非常に難度の高いダンジョンでしたけど，こちらはどうですか？
ルクラフト氏：
ドゥームが10だとすると，7から8。さすがにドゥームよりは楽だけど，それでも十分手強いのは確かだね。
4Gamer：
もう一つのダンジョンはどうですか？
ルクラフト氏：
もう一つはヨモツマイン（編注：ヨモツの"ヨモ"は「黄泉」。"つ"は「の」を意味する格助詞。つまり"黄泉の坑道"）というダンジョンだ。ここにはその名もヨモツという複数のクリーチャーや，エレメンタル関係のクリーチャーが存在する。今回追加した騎乗可能な生物ファイアビートルにも，ここの一番奥で出会えるよ。
ちなみに，この坑道では鉱石が掘られているんだけど，ここの人々は金には興味がないようで，金はそこいらにボロボロ落ちてるんだよね。
4Gamer：
それはやはり，日本に対して，マルコポーロの「東方見聞録」に出てくるような"黄金の国"というイメージがあるからですか？
カストロ氏：
そうなの？ いや，それは今初めて知った（笑）。これは偶然だね。
4Gamer：
面白い偶然ですね。ではこちらのダンジョンの難度も教えてください。
ルクラフト氏：
やはりドゥームを10とすると，入り口付近は5くらい。奥に行けば，こっちも7〜8というところだね。ドゥームは，挑むための場所として作ったダンジョンなので，特別難しいんだ。今回の二つは，単純に冒険する場所を増やしたいと思って追加しているから，難度としてはドゥームに比べると低くなっている。
4Gamer：
当然武刀の天地を導入して，侍なり忍者なりのキャラクターを新たに作成して，一から育てるという人もいると思うんですね。そういったキャラクターを育成するための場所というのはありますか？
ルクラフト氏：
侍にしろ忍者にしろ，スターティングエリアが決まっている。そこでマルチステップからなるニュービークエストを進めていけば，徐々にキャラクターは強くなるし，プレイヤーも各クラスのアビリティについて学べるようになっている。
また単純に，新しい町である禅都（ぜんと）の北は，レベルが低いキャラクターでも安心して鍛えられるエリアだよ。
カストロ氏：
今回搭載したニュービークエストは，実に良くできているんだ。既存のものの中で，最高のデキだと思う。だから，UOを遊んだことのない人にもぜひ遊んでみてほしいね。
4Gamer：
具体的にはどういう内容ですか？ 例えば忍者のニュービークエストというと，"忍者屋敷"が出てきそうですよね。
カストロ氏：
残念ながら忍者屋敷ではないけど，やはりトラップがわんさか仕掛けられた洞窟には行かされるね。そこではトラップをくぐり抜けながら，アビリティの説明を受けることになる。
侍用のニュービークエストは，八つのステップで構成されている。八つとも複数の解決策があり，どれがより武士道精神に忠実かを考えながら，進めていくんだ。報酬が違うだけで別にどれが正解，間違いということはないけど，武士とはどうあるべきかを考えて選んでほしいね。
4Gamer：
正解のない選択肢というと，ウルティマシリーズ伝統のタロット占いによるクラス選択を思い出しますね。
カストロ氏：
その通り。ウルティマらしいだろう？
4Gamer：
本作は日本をテーマにしつつも，単にそれを追加するだけでなく，うまくこれまでのウルティマシリーズと融合させていますね。
ところで武士とはどうあるべきか……つまり武士道という精神をゲーム内に取り入れるにあたって，既存の騎士道とはどう違いを出していますか？
カストロ氏：
UOの騎士（パラディン）には，スペルをキャストするという感覚が大きい。しかし侍は，もっとファイティングに特化したクラスだ。騎士道が周りの人達をサポートするものなら，武士道は，最終的には周囲のすべての人間を倒してしまうものという位置付けだね。
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