ページ 3/4
Ghost Masterのシステムはかなり自由度が高く,プレイヤーは一つのミッションを遂行するために,さまざまな組み合わせでゴーストを使用できる。例えば暖炉に注目してほしい場合,中から音を出してもいいし,部屋の温度を下げることで火を点けるように仕向けてもいいのだ。
シングルプレイヤーモードは,"女学生専用のアパート"のレベルから始まり,15以上のミッションをこなしていくことになる。「死霊のはらわた」を思わせるキャンプ小屋もあれば,精神病棟や幽霊船などの舞台もあり,怖さ半分興味半分でゲームを進めていくことになるだろう。
4G:
ECTS 2002のときに,死体が埋められた古い邸宅で数人のゴーストが登場するレベルのデモを見ましたが,そこに出てきたような,固有の名前の持つゴーストも登場するのですか?
セヴァーン:
ええっと,おそらく元訪問販売員だった3人のゴーストのことですね。あれは"スタティック"(Static),"アークライト"(Arclight),"マキシーン・ファクター"(Maxine Factor)の三人で,その邸宅を訪問して狂った老女によって殺された人達という設定なんです。
ミッションの内容は,現在その家を所有する家族に死体が埋められた場所を発見させるというもので,うまく彼らを発見すると,その後の彼らを手下として使用できるようになります。アークライトは炎の幻覚を見せる能力を持っているので,かなり使えるハウンターになるはずですよ。
4G:
マキシーン・ファクターって,某有名化粧品会社の名前をもじってますね(笑)。ところで,ゴーストスクールというコンセプトがあるそうですが,これはなんですか?
セヴァーン:
それは名前を変更して,"グール・ルーム"(Ghoul Room)にしました。スクール・ルームに綴りと音が似ているでしょう?(笑)
グール・ルームは,プレイヤーの持っているハウンター達を訓練したり,ミッションに参加していないハウンター達がブラブラできる憩いの場所です。手下にしたばかりのゴーストは,あまり調教されておらず,プレイヤーの意思に逆らって自分の思うがままに行動することがあります。そのため,人間を効率良く脅かせなかったりするわけですね。
訓練すると,ハウンター達がコントロールしやすくなります。また彼らが訓練中にゴールド・プラズムというランダムボーナスを得ると,特殊能力を複数回発動可能になったりしますよ。
4G:
プレイヤーの障害として,例えば映画「ゴーストバスター」のような敵が登場したりしませんか?
セヴァーン:
それはいい質問ですね(笑)。確かにプレイヤーはゴーストマスターとして好き勝手に振舞えるわけではなくて,ミッションによっては特定の人間達が敵として登場します。ハウンターを撃退する人間達には,"ゴーストブレイカーズ"という清掃屋や,霊媒師や政府の特殊捜査官などもいますね。
例を挙げておくと,「ポルトリーガイスト」(ポルトリーとは食用鶏肉のこと)のレベルでは,ハウンター達の行為に嫌気がさした民家の住人が霊媒師を呼んで,あなたと対決するというシーンがあります。霊媒師は霊現象に恐怖を感じなくて,家中をくまなく徘徊してはハウンターを見つけて消滅させてしまいます。なお一度霊媒師に消滅させられたハウンターは,そのレベル中は使えなくなってしまいます。しかし彼女(霊媒師)にも苦手なものがあります。プレイヤーはそれを見つけ出して,家から追い払う必要があるわけですね。
またゴーストブレイカーズは街の刑務所に捕獲したハウンターを閉じ込めるのですが,それによって仲間達を救出する目的のレベルが発生します。このように,プレイヤーのライバル達はストーリーに沿って特定のレベルでのみ登場することになります。
4G:
特殊捜査官について,まだお話されてませんよね。
セヴァーン:
……やっぱり聞きたいですか?(笑)
特殊捜査官というのは,黒い背広とサングラスに身を包んだ,……つまり映画「メン・イン・ブラック」に登場するアレなんですが,こればっかりはプレイヤーも……。はい,すいません,次の質問をお願いします(笑)。
 |
 |
| 幽霊船レベルでの1シーン。ゴーストの"マローン"は,その昔にはギャングの一味だったのだろうか |
画面左上の四つハウンターのアイコンは,現時点でどのハウンターが使用できるかを示している。また右下の三つの数字は,左から,何人の人間達がいるか,どれだけパニックに陥っているか,そして何人が逃げ出したかを表す |
|
4G:
お話を聞いていて思ったのですが,Ghost Masterを成功させるうえで,人間達の思考ルーチンがかなり重要になりそうですね。
セヴァーン:
まったくその通りですね。このゲームの開発過程で一番時間を費やしたのが,人間達のAIなのは間違いありません。Ghost Masterには,人間達が自然な形で日々の生活を送るようにしているだけでなく,目の前で起こるさまざまな怪奇現象に対して,リアルに反応を示せるようなシステムを開発しています。
それぞれ人間達は恐怖を感じる現象や度合いが違いますし,パーソナリティや身体的能力も異なっています。例えば子供は怯えやすいけど,モノを破壊するような状況には持っていきにくい。だから封印された扉を開けてほしいときなどは,それ相応の人物を狙っておびき寄せる必要があるわけです。
ジッと人間達の行動を見ていると,そういう長所や弱点も見えてきます。もしプレイするのに飽きたのなら,それこそ「シムピープル」のように彼らの生活を眺めていたって構わないんですよ。
4G:
人間達の心理状況を把握できるパラメータもありますね。
セヴァーン:
これは,ECTS直後に仕様を変更しています。これまでは"心理状態"という一つのパラメータしかなかったのですが,今は一人の人間につき三つのパラメータ,つまり"恐怖レベル"(Fear),"狂気レベル"(Madness),そして"信用レベル"(Belief)を用意しています。
恐怖レベルが意思によってコントロールできない状態になると,人間は叫びながら走り出して建物の外に逃げていってしまいます。プレイヤーが巻き起こした怪奇現象を体験するうちに狂気レベルが上昇すれば,……まあ人間達がこの場合どんなリアクションを起こすかは,ゲームを見て楽しんでください。残る信用レベルですが,これはどれだけ人間達が怪奇現象やゴーストのことを信じているかということです。例えると防御力のようなもので,信用レベルが低いとちょっとやそっとでは驚いたりしてくれません。そういった人間には時間をかけてゆっくりと対峙していかなければなりませんね。
 |
 |
| まるでワーナーブラザーズのドタバタアニメに出てきそうなウサギのキャラクター"Trickster"(トリックスター)は,出会った人間や動物になら,なんにでも姿を変えられるという能力を持っている |
これは「死霊のはらわた」に出てきそうな,山小屋の地下室か何かだろうか。人間は三人なのに,すでに5日が経過している。かなり手強いミッションのようだ |
 |
 |
| 電気イスに座ったまま,死にたいのに死にきれないゴーストなのだろうか? いくらゴーストとはいえ,電気イスのスイッチを入れるにはちょっと勇気がいるかも…… |
|
|