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ホラー系シミュレーションゲームというと,どうしてもグロテスクな内容を連想してしまうが,このGhost Masterは非常に明るいグラフィックスとニヤリとさせるパロディ満載で,子供から大人まで楽しめそうな雰囲気だ。
カメラ視点は「シムピープル」をズームアップで見ている感じで,人間達の行動が逐一把握できる。人間達を驚かし,その結果彼らが取る行動をうまく利用してミッションを遂行していくのが斬新で,頭を使ったパズル性の高いゲームに仕上がりそうだ。
4G:
それでは,Ghost Masterの基本的なゲーム内容を説明してください。
セヴァーン:
ごく簡単に説明すると,プレイヤーが手下のゴーストで人間達を脅かしたり怖がらせたりすることで,彼らがこちらの思惑通りに動くよう仕向けるゲームです。人間は直接動かせないので,目標を達成するために,どのゴーストの能力でどう驚かせれば人間が思うように動くのか,考えていくわけです。
もっと具体的に説明しましょうか。各レベル(ステージ)には,その場所に縛られたゴーストがいます。そこでなぜ彼らがそこに縛られているかを調査して,問題を取り除くことでそのゴーストを解放してあげるわけです。単に掃除機に引っ掛かって身動きの取れないゴーストもいますし,壁の後ろに,ゴーストとなった人間の死体が放置されていることもあります。
ただ,プレイヤーキャラクター(ゴーストマスター)を含むゴースト達は,ドアを開けたり人間に話しかけたりという,実世界へ物理的な影響を与えることはできません。そこで手下のゴースト達の持つ特殊能力をよく考えて,人間をどううまく操るかを考えなければなりません。
4G:
なるほど,人間達をプレイヤーの意思通りに動かすために,ゴースト達の能力を使うんですね。
セヴァーン:
そうです。もちろんプレイヤーにはほかにも目的がありますよ。舞台となるグレイヴェンビル(Gravenville)に隠された謎を探求するのが本来の目的ですし,ゴースト達に新しい能力を身に付けさせたり,隠しゴーストを見つけたりするのも重要な任務です。またスマートに人間達を怖がらせれば,ボーナスポイントがもらえるので,ぜひ挑戦してほしいですね。もっとも,人間達の日常生活をぼんやり観察しているだけでも楽しいように作ってありますよ。
4G:
このゲームにおけるリソース,つまりプレイヤーキャラクターのパワーの源はなんですか?
セヴァーン:
Ghost Masterでのマナの源泉は,人間達が恐怖を感じると放出する,エクトプラズム(心霊体)です。そのため,人間達をどんどん怖がらせることによって,より強力なパワーにアクセスできるようになるのです。
4G:
ここまでの話を聞くと,Ghost Masterではホラー映画のようなシーンが頻繁に登場するようですが,実際のグラフィックスを見る限り,暗くて怖いというよりは,明るく楽しい雰囲気がありますね。
セヴァーン:
そう,そうなんですよ。このゲームでは,怪奇現象に対して真剣に取り組んでいるわけではありません。Ghost Masterのホラーは,コメディホラーであって,どの人間も血を出したり死んでしまったりすることはないのです。壁から血が垂れたり,家の中が火の海になったりするのだって,幻覚を見せて人間達に信じ込ませているだけなんです。それぞれのレベルは「ポルターガイスト」や「ウィアードサイエンス」などの有名なホラー映画のパロディで,ゲーム全体にジョークや見覚えあるようなシーンを散りばめています。我々は,そういう部分の追求には真剣なんですよ(笑)。
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| このシーンでは,ブウの力でピザの箱を揺らせ,人間達が興味深く集まってきたところで,かなりグロテスクなTerror Incarnate (テラー・インカーネイト)を使って一気に驚かそうという作戦だろうか。複数のゴーストを使うほど,ボーナスポイントが得られる |
同じ現象に対しても,人間達によってそれぞれリアクションが異なるのがこの画像から分かるだろうか。「シムピープル」のように人間達の頭上に記号を出して,彼らが何を考えているのかが理解できるようになっている |
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4G:
Ghost Masterには,どれくらいの数のゴーストや人間達が登場しますか?
セヴァーン:
ゲームに登場するハウンター(ゴーストの総称)は,50種類くらいですかね。プレイヤーは8種類ほどの基本的なハウンターから使い始め,ゲームの進行に合わせてどんどんと新しいハウンターを仲間にしていくんです。
ハウンターはそれぞれ違う能力を持っていて,レベルごとの目的を達成するにも,プレイヤーによって異なる手法が取れるようになっています。人間の登場数は,まだいろいろと調整中で決まっていないのですが,12レベルでだいたい200人くらいになるんじゃないでしょうか。
4G:
プレイヤーが1レベルで使用できるハウンターは何体くらいなのですか? またこのチームには,レベルごとに違ったゴーストを選べるのでしょうか?
セヴァーン:
一つのレベルで最大で8体のハウンターを使用できます。それにもちろん,レベルごと,ゲームごとに手持ちの中から自由にチームメンバーを編成できますよ。また,もし自分でよい組み合わせが浮かばないなら,CPUに自動選択させることも可能です。
ただし自動選択の場合では,ボーナスや隠しキャラクターがうまく見つけられない可能性があるので,どちらを選ぶかはプレイヤー次第ですね。Ghost Masterには,同じレベルでも違うハウンターの組み合わせでクリアするという楽しみもあるんです。ハウンター達はバラエティに富んだ能力を持っていますから,どの場面でどのハウンターを使えばいいかを結構簡単に習得できるはずですよ。
4G:
ゲームのデモを見せてもらったときに,それぞれのハウンターにカテゴリーのようなものがありましたよね。
セヴァーン:
おそらくスプライトとかエレメンタルのことですね。ハウンターは,大まかに6タイプに分類できます。グレムリンやウィスプといった"スプライト"(Sprites),ファントムやシャドウなどの"フライトナー"(Flightners),さらに"ディスターバンス"(Disturbances),"エレメンタル"(Elementals),"ヴェイパー"(Vapours),"ホラー"(Horrors)の六つです。
4G:
ほかに何か,ハウンターごとの個性を出しているものはありますか?
セヴァーン:
それぞれのハウンターには,特殊能力以外にも力量や弱点といったパラメータが設定されています。水,風,子供,就寝,死体,鏡といった,"ハウンターの能力が一番効率よく発揮できる状況"というパラメータもありますよ。
なお,召喚コストがほとんどかからないグレムリンのような下級ハウンターは,テレビのような電化製品を故障させるくらいのことしかできません。反対に,例えばヘッドレスホースマン(首なし騎馬兵)だと,人間達を驚かせる力が大きい分だけ,コストもかかってしまうのです。
4G:
このコストというのが,先ほどのエクトプラズムの消費ですか?
セヴァーン:
はい。ステージによって登場する人間達の数が決まっていますから,使用できるエクトプラズムの分量も決まっています。それを効率よく使って人間達を驚かせ,ミッションを達成していくわけですね。
4G:
なるほど。では,ほかにもいくつかハウンターの特殊能力を教えていただけますか?
セヴァーン:
じゃあGhost Masterに登場する一番強力なハウンターを公開しましょう。それは,死霊ガストリー(Ghastly)です。これは人間達の目の前に突然現れて,腕に付いたフックで切り裂こうとするんですよ。
それからクラッタークロウズ(Clatterclaws)という巨大なクモのお化けは,天井中にクモの巣を張り巡らせ,人が入ってきたときにワラワラと子グモを撒き散らします。若い女の子を狙うときなんかにピッタリですね。プレイヤーはこれらのハウンターの特性を生かして,例えばブウを使って奇妙な音を出すことで人間を地下室におびき寄せ,そこにガストリーに配置しておくというような,複合的な使い方ができます。また複数のハウンターのコンビネーションで人間を驚かすと,ボーナスポイントを得られるんですよ。
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| この二つの画像は,本文で紹介しているクリッタークロウズの特殊能力発動場面だ。女性警官は怖くて動けなくなってしまっているし,男性警官は彼女を見捨てて走り去ってしまっている |
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