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収録車種が34台と豊富に揃っているのが本作の魅力。ラリーゲーム初登場となる車もあるが,モデリングも素晴らしいのひと言。車ごとの挙動の違いも再現されているため,どんな車も乗りこなせるか腕の見せどころだ |
2004年4月にU.K.版が発売された「Colin McRae Rally 04」(以下,CMR04)。日本語版も8月26日に発売になり,楽しんでいる人も多いのではないだろうか。そんな中,最新作である「Colin McRae Rally 2005」(以下,CMR2005)が,2004年9月に突然発売された。
前作発売から約半年で新作をリリースするのはCMRシリーズでは異例のことで,同時期に発売された「Richard Burns Rally」や「Xpand Rally」など対抗馬の存在が影響したのは間違いないだろう。そのためだろうか,全体的にCMR04強化版といった仕上がりだ。今回は新モードや強化された点などを重点的に見ていくので,「こちら」にあるCMR04のレビューと併せて読んでほしい。
ゲームモードは,以下の四つが用意されている。
"チャンピオンシップ"(CHAMPIONSHIP)……日本を含む9か国を転戦し,Citroen Xsara,Impreza WRX,Lancer,Ford Focus,Peugeot 206の5台の車を駆り,シーズンを通してライバルとポイントを競い合う。
"チャレンジ"(CHALLENGES)……CMR04にあったラリーモードやタイムトライアル,そして画面分割,LAN経由でのマルチプレイ(2〜4人)が楽しめる。
"キャリア"(CAREER)……さまざまなラリーに参戦しラリードライバーとしての腕を磨いていく。
"オンライン"(ONLINE)……GameSpyを使い8人までのネット対戦ができる。
また本作には合計34車種が登場するが,最初からすべての車は使用できず,新しく追加されたキャリアモードをプレイしてロックを外していく必要がある。
登場車種一覧 | |||
4WD | 2WD | GROUP B | RWD |
Impreza WRX | MG ZR | Audi | Lancia Stratos |
Ford Focus | Citroen Saxo | MG 6R4 | Lancia 037 |
Citroen Xsara | VW Polo | Peugeot 205 | Sierra Cosworth |
Lancer | Celica GT-S | Ford RS200 | Alfetta GTV |
Peugeot 206 | Fiesta Concept | ||
VW Golf R32 | |||
Audi A3 | |||
SUPER 2WD | 4×4 OFFRD. | SPECIAL | CLASSIC |
147 GTA | Freelander | VW beetle RSi | Escort Cosworth |
Clio V6 | Shogun Montero | MK1 Escort | Lancia Delta |
VW Golf GTI | Nissan Pickup | MGC Sebring | Celica GT-Four |
Mini Cooper S | Impreza 22B STi |
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雪道を疾走するCitroen Xsara。ライセンスの関係で,WRCカラーのマシンは一切登場しないのが残念なところだ | 往年の名車Lancia DELTA。細部まで完璧に再現されている。個人的にマルティニカラーが一番好きだ | レインコンディションではギャラリーにも傘の花が開く。こういった部分もリアリティの向上に一役買っている |
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今回も日本が収録されているが,やはりメインは峠道。ぜひラリー・ジャパンのようなコースも欲しいところ | 狭い林の中を疾走するVW Polo。巻き上がる粉塵の処理が美しい。リプレイを眺めるときに重要な要素となる | GARAGEでは,現時点のロック解除の状況や,どの強化パーツが組み込まれているのかを一覧できる |
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扱いが非常に難しいLancia Stratos。巻き上がる粉塵だけでなく,飛び散る砂利の処理にも注目してほしい |
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本作にはShogun Montero(パジェロ),Freelander,Nissan Pickupと3台の4×4オフロード車も登場する | 路面のうねりや凹凸が一段と細かく再現され,揺れすぎと思うほど画面が揺れることも多い | キャリアモードでは,ラリー結果によって,車種がロック解除されたりドライバーズポイントが得られたりする |
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パーツテストは健在。走行を必要とするテストの場合に一定数のコーン(パイロン)に接触すると失格となる | 格付けポイント次第で参戦できるラリーが決まる |
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ドリフトをコントロールし,インベタでヘアピンを抜ける……。ラリーゲームの醍醐味を味わえる瞬間だ |
デモ版をプレイした人はご存じだと思うが,CMRシリーズのウリでもあるマシンダメージ計算はより緻密になっている。重い物は重く,軽い物は軽く,固い物は固いといった"ごく当たり前のこと"が,自然に再現されているのだ。
車の速度,接触した物体,ヒットした角度や場所などにより受けるダメージに違いがあり,挙動の乱れに反映される。今までは小さな石でもまともに接触するとリアが持ち上がるほど急停車するなどしたが,今回はそういった不自然さはない。ボディ損傷表現も一段と細かくなり,塗装の剥げまでも再現されているのは必見。壁や立木に接触したときの塗装の剥がれは,実際に車をぶつけて悲しい思いをしたことのある人が見れば,リアルさが感じ取れるだろう。
ドライブゲームではフレームレートや見た目も重要だ。CMR2005は見た目も美しく,動作も軽いといえる。筆者はAthlonXP 2800+,メモリ512MB,ATI RADEON9700Proの環境で,解像度を1280×1024ドット,描写距離を10,アンチエリアスを×6,テクスチャをHigh,異方性フィルタリングを×16とグラフィックス周りを最大にしても,車内視点やリプレイでも重さを感じることなく快適にプレイできた。このレビューに使用したショットもすべてこのモードで撮影している。またデモ版にあった"違和感のあるグレア処理"は,自然に処理されているのでご安心を。
全体を見ると,冒頭でも書いたとおり大急ぎで調整した感が強く,"ここが違う"といった進化が見られないのは残念なところだ。知名度の高さからしても,十分に開発期間を取ってプレイヤーを驚かせるような要素満載でリリースしたほうが良かったのでは? と思ってしまった。
とはいえ,手軽にプレイできるラリーゲームとしてお勧めするなら,CMR04よりもCMR2005になるだろう。なによりCMRシリーズの良さである簡単すぎず,難しすぎず,暴れる車を制御してコースを攻めるラリーの醍醐味を手軽に味わえるところは残されており,車ごとの挙動の違いやダメージ処理など強化された部分も手伝って,総合的な完成度は高くなったといえるだろう。すでにCMR04をプレイしている人には手放しでお勧めとは言いづらいが,チャンピオンシップとは違った面白さのあるキャリアモードはハマれると思うので,興味のある人はプレイしてみてほしい。
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CMRシリーズの真骨頂といえるダメージ処理はさらに進化し,大小さまざまなダメージが見た目や挙動に反映される | 走行中にもダメージ状況が判断できる。ダメージを受けた場所が点滅し,ダメージ率は色の濃さで分かる | 豪雨状態での走行は暗くて雨粒で前が見え難く,コースを見失うこともシバシバ。とくに車内視点時は悲惨だ |
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復活したボンネット視点が嬉しい。コース内にも岩があるため,フィニッシュラインを通過するまで油断は禁物 | セッティングで重要なのがタイヤ。タイヤ選択により,タイムに大きな影響が出るので,慎重に選択しよう | ダメージ処理は細かくなっているのに,サービスエリアでのリペアは以前のままと少々矛盾を感じてしまう…… |
■メーカー名:Codemasters (C)2004 The Codemasters Software Company Limited ("Codemasters"). All rights reserved. "Codemasters"(R) is a registered trademark owned by Codemasters. "Colin McRae Rally 2005" and "GENIUS AT PLAY" are trademarks of Codemasters. "Colin McRae" and the Colin McRae signature device are registered trademarks of Colin McRae. "Colin McRae" and copyrights, trademarks, designs and images of car manufacturers and /or on car liveries are being used by Codemasters under license. All other copyrights or trademarks are the property of their respective owners and are being used under license. |