エイジ・オブ・ワンダーズII〜魔導師の玉座〜 日本語版

Text by デイビー日高
6th June. 2003

 「エイジ・オブ・ワンダーズII」(以下,AoW2)は,ゴシックファンタジーの世界観をベースにしたターンベースのストラテジーゲーム。プレイヤーは魔導師となって,エルフやドワーフといったお馴染みの種族で部隊を編成し,覇権を握るために奔走することになる。
 といってもAoW2は単に戦うだけのゲームではなく,マップ上を探索して仲間を募ったり,アイテムを入手したりするといったRPGのような要素もあるし,さらに都市の拡張工事などの箱庭ゲーム的な要素も持ち合わせているのだ。このあたりは,名作「ヒーローズ オブ マイト&マジック 」シリーズ(以下HoMM)とよく似ているだろう。このレビューでは,「HoMM IV」との比較などを交えながら,本作の面白さを紹介していこう。
 ちなみに「こちら」にHoMM IVのレビューがあるので,そちらとも読み比べてもらいたい。

個性を生かした部隊作りが楽しい

戦略の要である都市には,英雄や強力な軍事ユニットを駐留させておきたい

 プレイヤーは都市から徴兵して部隊を編成するが,徴兵できる兵種は都市の規模や住人によって左右される。ちなみに世界各地には人間,エルフ,ダークエルフ,ハーフリング,フロストリング,ゴブリン,ドワーフ,ティグラン,オーク,アルコン,ドラコニアン,アンデッドの12種族が生息しており,各種族ごとに7,8タイプのクラス(人間であればハルバート兵,クロスボウマン,海賊,騎兵,ウィッチ,ナイト,飛行船)が用意されている。つまり,世界には約100タイプもの兵種が存在するのだ。さらに,イフリート,四元素のエレメンタル,エンジェルといった召喚ユニットや探索途中で見つけたアイテムを装備できる"英雄"といった特殊ユニットも登場。プレイヤーはこれらを組み合わせて自分ならではの部隊を編成するのだ。
 類似作のHoMM IVでもモンスターなどを登用して部隊を編成したが,"部隊作りのシビアさ"という面においては,AoW2に軍配が上がるといえる。というのは,AoW2の部隊は1駒1名であり,HoMM IVは1駒複数名で編成できるためだ。これが何を意味するかというと,HoMM IVは1部隊を数百もの規模まで高められるので,敵部隊との兵数に差が生まれやすい。だから頭数さえ揃えれば,ユニット間の相性を(多少は)無視しても数で押し切れてしまうのである。だが,AoW2ではそうしたことは無理。1部隊は最大でもたった7名なので,苦手な敵には必ずといっていいほど苦戦させられる。だからこそ部隊編成には頭を使うし,一生懸命考えた分だけ部隊に愛着も湧くというものだ。

都市を舞台にした戦闘。建物にも当たり判定があるので注意 簡易リプレイ機能。早送りや巻き戻しもできる 拡張工事にはかなりのゴールドと時間が必要だ。しかし,これなくして勝利はない

敵の布陣,仕掛けのタイミングを見極めて勝利をつかめ!

探索で入手したアイテムは,英雄に持たせてパワーアップ! RPGのような面白さもある

 本作では敵味方が同ヘックスに入るとシーンが切り替わって戦闘開始となる。一見オーソドックスなスタイルなのだが,随所に一味違った要素が盛り込まれているので,それらについても触れておこう。
 AoW2では1部隊が最大7人までなので,"部隊同士の戦い"というよりも,"RPGのパーティ同士の小競り合い"という印象だ。だからといってこじんまりした戦いばかりかというと実際にはそうはならない。本作では"戦場に隣接している部隊は全員参戦"というルールがあるためだ。だから布陣を理解したうえで突撃しないと,思わぬしっぺ返しを食らうことになる。防衛線の維持などの局面では,通常のターン制ストラテジー以上に頭を使うだろう。
 また,戦況によっては戦闘に入る前に敵部隊に呪文をかけて士気を下げたり,川の水を凍らせて歩行可能にするなど,有利な状況を作らねばならない。ただし,呪文を唱えるには事前に研究が必要で,詠唱可能になるまでに数ターンを要することもある。プレイヤーは先を読む力が試されることになるわけだ。見事先読みが成功したときは格別の思いである。
 さらに,こうした戦略をより複雑化させる要素として,ゲーム開始時に「同時ターン」を選択できる。これは同じターン内で各国が同時にユニットを動かすという,これまでにあまり見られなかったゲームルール(ただし,戦闘は従来のターン制)戦況を見ながら自分がいつ動くのか? を考えられる点は面白く,重要地域では操作スピードが戦術に大きくかかわってくることもある。
 「同時ターン」は若干だがRTSのような緊張感が味わえる点も面白いだろう。相手のターンをボーっと待たなくてもいいので,サクサクゲームが進むという利点も大きい。

 これは戦術的な面白さとは関係ないが,戦闘が面倒なときはオートプレイに任せることもできる。ほかにも戦闘後に簡易リプレイが見られる点は,この手のタイトルにしては珍しい。さすがに毎回見るわけにはいかないが,苦戦した戦いなどはリプレイ機能でチェックしておくのもいいだろう。

効率良い進軍を行うために道路の敷設を行うこともできる マナを生み出す「ノード」。魔導師の属性と同属性のノードからは,より多くのマナを調達できる 都市の規模や住んでいる種族によって,生産できるユニットの種類が異なってくる

軍事と密接な関係を持たせた都市の存在

 この手のストラテジーでは,都市の拡張工事は簡易的であることが多い。とにかくお金さえあれば瞬時に建設でき,すぐに効果を発揮してくれる。そして一度建設すると,決して壊れることもない。そのため,毎ターン資金に余裕があったら,とにかく建設物を建てておくというのが定石だ。どちらかというとオマケ要素でしかないのである。
 AoW2ではそうしたことをよしとせず,都市という存在に軍事的に大きな意味や制限を持たせている。各種施設を建設すると税収が増えたり,新タイプの兵が雇用できたりするが,建設期間中は兵の育成ができない。そのため,戦況に応じた拡張工事が必要であり,タイミングが重要。気軽な気持ちで建設を行えないようになっている。
 また都市を舞台にした戦闘で,広範囲に影響を及ぼす魔法(地震など)を詠唱すると,せっかく建設した施設がなくなることもある。なので都市の攻防は敵部隊を倒すだけではなく,建物への影響も加味した作戦が必要になってくる。占領後のうまみはなくなってしまうが,敵を疲弊させるだけなら,攻め込むたびに"施設の破壊”と"逃げる"を繰り返してもいいだろう。

研究したい呪文やスキルを選択する。習得するまでに必要なターン数も明記されている フロストリング族の魔導師を選んでゲームを始めると,首都の周りは雪や氷河に囲まれている。このほかにも,森林や砂漠,溶岩地帯など,多彩な地形が用意されている シナリオ終了後は戦況結果がグラフで表示される。ゴールドや人口,建物の数などを個別に確認できる

総括

 AoW2は簡単なリリースやScreenshotsから,他の類似作品との違いを見つけることは難しい。ムービーシーンやグラフィックスだけで判断すると,ショップでAoW2ではなくHoMMを手にとってしまうユーザーのほうが多いと思う。しかし,だからといってAoW2がHoMMのフォロワーなどであるとは思ってほしくはない。今回,レビューを書くにあたってHoMM IVもプレイしたが,筆者の感想としてはAoW2のほうがストラテジー要素が強く,かなり複雑な戦闘ができる印象を受けた
 例えば,「魅惑」(異性のみに有効)という能力があり,成功すれば敵の英雄ユニットですらも味方にできる。これに対抗するには英雄に「精神力」というスキルを学ばせるのだ。では「精神力」を習得した英雄は魅惑できないか? というとそうでもなく,「精神力」を打ち破るために「魔法解除」を行えばいい。実はこのようなイタチゴッコはまだまだ続くのだが,あまり長く書いても意味はないので,このあたりで割愛しておこう。このように,戦闘における駆け引きが多数用意されている点や,これまでに紹介してきた戦闘への同時参加などを見れば,いかにAoW2では多彩な戦闘を楽しめるかを理解してもらえたと思う。
 ストラテジーというとリアルタイムが全盛の時代だが,AoW2を見ていると,アプローチ次第ではターンベースであってもまだまだイケる! と思えた。当サイトには英語版ではあるが,かなり遊べる(!)体験版などもあるので,ぜひともプレイしてもらいたい。

3国以上の軍が戦うシナリオでは,同盟を組んで協力し合うこともできる。同盟が組めるか否かは,両国家の相性によって決まる 同盟はほかの魔導師から申し込まれることもある
クエストは自分のターンで発生。難易度も提示されるため,難しいと思ったら断ってしまってもよい クエストを達成すると,アイテムや呪文を獲得できる。どりらか好きなほうを選択しよう

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