[GC#13]史実に基づくWWIIコンバットアクション「Brothers in Arms」はプレイアブルで公開
2004/08/25 21:50
 「Halo:Combat Evolved」や「Half-Life:Opposing Force」など,長らくFPSの拡張パックを開発する専門集団として活躍してきたGearbox Softwareが,初めて挑んだオリジナル作品が「Brothers in Arms」だ。第2次世界大戦の出来事を,史実通りに追っていく斬新なスタイルもさることながら,なかなか侮れないシステムが満載されている。

 Xbox版のBrothers in Armsは,Ubisoftブースで18禁ソフトとして公開されていた。史実に忠実なことを信条とする珍しい一人称シューティングで,アクションというよりはシミュレーションに近い雰囲気を持っている。しかし,ナチスとの交戦をテーマにした銃撃戦が多いことからか,ドイツで規制の対象になっているのは残念なことである。
 プレイヤーは,"スクリーミングイーグル"こと米軍第101空挺師団で活躍した,マット・ベイカー軍曹の足跡を辿っていく。101空挺といえばノルマンディ上陸作戦を成功させるため,事前に前線後方に降下した部隊で,ゲームに登場する仲間達はすべて実在した兵士というのが大きなウリだ。
 戦場の地形から建物まで,ありとあらゆるものが当時の資料をもとに再現されており,史実通りの作戦展開で戦争の生々しさを体験できる。VFW(海外戦線のベテラン)基金からの認証も受けている本格派で,兵士たちが手を取り合って戦場を駆け抜けたという,ある種感傷的な視点での描写がなされている。

 Brothers in Armsは基本的にチームベースのFPSであり,チームメイトとはお互いをカバーし合いながらミッションを遂行していく。機関銃を装備した火力チーム,グレネードやライフルの突貫チームなどグループに分かれて行動し,ボタン一つで異なるグループに操作を切り替えられる。敵の思考ルーチンも非常に精巧にできており,きちんと戦術を意識して進まないと,味方に大きな被害をもたらすことになる。



 今回のイベントでプレイできたのは,E3で開発者を対象に公開されていたのと同じCarentan村のマップ。半ば倒壊した2階建ての建物に立て篭もるドイツ軍を,合理的に追いつめていかなければならない。攻撃を加えるのは"ベイカーの12人"といわれた精鋭で,もちろん性格や顔のグラフィックスはそれぞれに異なる。当初バラバラの地点にいる仲間達を集結させ,連携できるようにするのが第一の目標になる。

 装備できる武器はHalo:Combat Evolvedと同じく2種類に限られるので,事前にどの武器を選ぶかが重要な要素になる。途中で使えそうな武器を発見した場合,もともと持っていた武器を放棄していく。
 特徴的なのはキャラクターのヘルスゲージが存在しないことで,アイテムとしてのメディカルキットも登場しないリアル指向である。単独で敵に向かって行こうものなら瞬殺されるが,気をつけてプレイする限り負傷して一時的に移動力が下がる程度で済んでいたようだ。

 ゲームの進行を一時停止させた状態でも視点は移動できるため,鳥瞰図のようにして状況を確かめ,計画を再検討することも可能だ。もちろん敵は,居場所が確認できているもののみが表示される。ミッションの総数は20ほどで,展示されていたXbox版ではすでに非常にスムースに動作していた。

 Halo:Combat Evolvedを始め,数々の拡張パックで好評を博したGearbox Softwareだけあって,ほかの作品の良い部分を合わせたような手堅い展開が期待できそうだ。Xbox版は当初2004年10月の「Xbox Live 3.0」に合わせてリリースされる予定だったが,現在はPC版と同じく2005年前半発売予定となっている。続々と登場する戦争アクションの中でも,かなりユニークな存在になりそうだ。 (奥谷海人)


(C)2004 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Ubisoft and the Ubisoft logo are trademarks of Ubisoft Entertainment in the US and/or other countries. Gearbox Software and the Gearbox logo are registered trademarks of Gearbox Software, L.L.C.




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