[E3 2004#067]東欧から登場した本格派アクションRPG「The Witcher」 - 2004/05/15 15:49


 「The Witcher」は,Xbox専用ゲーム「Jade Empire」で盛り上がっていたBioWare社のブースで,カーテンに隠すようにしてデモが行われていたアクションRPGである。2003年の9月から実質的な開発がスタートしたばかりということで,今回のE3のために特別に用意したという簡単なα版だけでデモが行われていた。
 Auroraエンジンは大幅に改造されており,CD Projekt社が作成したまったく新しいレンダリングエンジンを内蔵。OpenGLをサポートしていたNeverWinter Nightsとは異なり,DirectX 9.0のシェーダ効果を十分に生かした美しい風景や魔法効果が見物である

 The Witcherでは,同名のウィッチャーという職業を持つ一匹狼の男が主人公となる。ウィッチャーとは,そのファンタジー世界に巣食うゾンビなどのモンスターを抹殺するのが任務の戦士であり,この主人公も幼い頃から有無を言わさず剣技などの訓練を受けてきたという設定だ。
 The Witcherは,カメラ視点をNeverWinter Nightsよりも下方に設置し,プレイヤーキャラクターの背後から地平線までを見渡せるようになっている。「Microsoft Dungeon Siege」には大きな影響を与えられているらしいが,単なるハック&スラッシュにはとどまらず,ストーリーやパズルにも重点を置いた内容になるようだ



 今回のデモで最も人目を惹いていたのが戦闘システムで,特殊なマウス操作でコンボ技を発動できるようになっていた。具体的には,モンスターに剣を振り下ろす動作を確認しながら,ちょうど剣がモンスターの体に当たった瞬間に次の打撃のために左クリックを押す,というもの。タイミングが合えば次の攻撃はさらに強力になり,続けざまに成功させることでかなり殺傷能力を高められるのである
 クリックするのが早すぎたり遅すぎたりすれば,また最初からコンボを出し直さなければならない。なおコンボ技の核となるスキルは,スラッシュや突きなどの基本動作から,力を溜め込むものや魔法の属性を加えるものまで,自分のスキルセットに合わせて自由に組み合わせられる。
 こうして複雑な連続技を成功させると,そのときに得る経験値も高くなる。またこのクリックは同じモンスターに繰り返す必要はなく,周りに群がる複数のゾンビに順番に打撃を与えていくことも可能になっていた

 元々魔法の属性を持った秘剣があったり,特別な剣を作成できたりするらしいが,詳細については現在答えられないとのこと。ただし,主人公は剣が特技のウィッチャーであるため,斧や弓などの武器は出てこないらしい。

 The Witcherにはパズル要素も多々あるとはいえ,地下通路の入り口を開けるための鍵を探すなど,どれもそれほど複雑な内容ではないようだ。
 NPCとの会話によってゲームが進められていくが,プレイヤーの評判によって変化するマルチエンディング方式が採用されているとのこと。この評判はどのような内容のサブクエストをこなしていったかで決定していき,ある町では嫌悪され,そのほかの町では好意を持って迎えられるといったことも起こり得るのだそうだ。

 The Witcherは,2005年中には完成する予定であるものの,ヨーロッパ各地や北米,アジアなどでの販売は決定していない。それでもCD Projekt社の面々は,今回のE3への参加で十分な手応えを得たと言い,すんなりと販売元も決まりそうな様子だ。(奥谷海人)

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