大型Sim千夜一夜
Text by Murayama
第四回:東京技術博物館
音声によるフライトは初心者にもオススメ
SS21でフライト技術がメキメキ向上!?
フライトシミュレータSS21
形態 フライトシム(セスナ172SP)
プレイ料金 200円
プレイ時間 約7分
人数 1名

 今回取材に向かったのは東京技術博物館。総合博物館であることから,非常に多岐に渡る分野をフォローしている点が特徴で,体験ベースの展示物が非常にたくさん置いてある。実は事前に,ここにはバイクシミュレータが展示されていると聞いていた。噂では筐体には本物のバイクを採用しており,3画面のモニターでシミュレーションが楽しめるとのことだったので,かなり期待していったのだが……いざ現地に到着してみると目的のバイクの展示はシミュレータではなかった。がっくし。
 そこでスタッフの人に,ほかにシミュレータはないのかと聞いてみると,フライトシムがあるという。

 置かれていた筐体は日本BTAが開発したSS21というもので,操縦桿と筐体の連動はないものの,フラップ/エレベータ/操縦桿/ラダーは,それぞれアナログ入力可能。それぞれの機器は単純なつまみであったり,ダイヤルであったりと本格的ではないが,味のある操作が楽しめるという点においては高く評価したいと思う。さらに3面モニターも操縦席の視界を再現するのに適しており,快適なフライトが楽しめそうだ。
 ちなみにソフトは「マイクロソフト フライトシミュレータ2002」をカスタマイズしたものらしく,羽田か調布のどちらかを中心としたフライトが可能。ゲームは自由にフライトするものではなく,アナウンスにしたがってチェックポイント(アドバルーン)を目指してフライトし,一定時間が経過すると強制的に着陸シーンになって,離陸を楽しめるものになっていた。ややゲームを意識した作りといえるだろう。
 ちなみに羽田と調布の二つのモードのそれぞれのプレイタイムは,羽田は7分,調布は8分となっているので,少しでも長くプレイしたい人は調布を選択するといいだろう。

 ゲーム(というかシミュレータ)の難度設定が低めになっているのか,割と気軽にプレイできた。風の影響もほとんど受けていないようだったので,難度は最低になっていると思われる。本格的に凝ったものではないにせよ,アナログ入力による操縦も味があってよかったし,3画面による広い視界のフライトはかなり気持ちが良い。大型シムとしては中の上くらいであろう。とここまで読むと,本筐体ならではの特筆すべき点がなさそうに見えるが,実は一番感心したのは,声によるアドバイスがあるおかげでプレイしやすかったこと。
 この手のシミュレータで音声によるアドバイスがある場合,速度が○×になったらレバーを……という指示だけで,間違えた操作をした場合に警告してくれるものが少ないのだ。が,このシミュレーターは間違えた操作をしていると,それを修正するためのアドバイスをしてくれる。何が悪いのか? どうすれば機体を立て直せるのか? が分かるので,比較的容易にフライトが楽しめるのだ。これなら多くの人がシミュレーションを楽しめるに違いない。博物館側(開発者?)の初心者にもフライトの楽しさを教えたい! という意思が強く感じられた。

 ちなみに取材の途中で運営部の人と色々と話をさせてもらったところ,担当の人はかなりのフライトファンであったのか,大型筐体が置かれている博物館などをたっぷりと教えてもらった。これでしばらくは公私ともにフライト三昧になりそうな予感だ。次回もフライトシミュレーターにチャレンジしようかな。


おまけ
最新モデルのバイクで,
ちょっとツーリング気分を
 本来の目的であったバイクシムだが,実はまたがって映像を眺めるという簡単なものだった。が,ちょっと嬉しかったのがバイクの筐体が,まんま本物のバイクで,しかもモデルが新しい! 展示されているバイクは一年周期でモデルチェンジするそうで,現在の展示は白バイなどにも採用されているホンダVFR800。毎年メーカーも変わるそうで,バイクファンにはちょっと嬉しい展示かもしれない。
 これまでにヤマハのXJR1300,カワサキののバリオスなどの展示もあったそうだ。一般的に博物館の展示というと古いものとのイメージがあるが,まさか最新モデルのバイクが展示されているとは思いませんでした。シムじゃないけど,ちょっとだけドライブ気分を味わってみてはいかが?

おまけ

 

東京技術博物館
住所 〒102-009
東京都千代田区北の丸公園2−1
TEL 03-3212-2440(テープ案内)
開館時間 9:30〜16:50
料金 600円 / 中・高校生:400円/4歳以上:250円
アクセス
営団東西線 「竹橋」駅下車 徒歩7分
  「九段下」駅下車 徒歩7分
営団半蔵門線 「九段下」駅下車 徒歩7分
都営新宿線 「九段下」駅下車 徒歩7分

■■Murayama(4Gamer編集部)■■
乗り物系記事には不謹慎な話題だが,大の酒好きであり大酒豪である。4Gamer編集部の話ではないが,以前,職場でスピリタス(96度のポーランド産ウォッカ)を誕生日にプレゼントされたとき,しばらく机に飾っていたが,いつの間にか(割とすぐに)空瓶になっていた。

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