大型Sim千夜一夜
Text by Murayama
第二回:所沢航空発祥記念館
神奈川スバル 藤沢店に
グランツーリスモの限定版が!
グランツーリスモ限定版
形態 インプレッサWR/レガシー/レガシーB4
プレイ料金 無料
プレイ時間 2分
人数 1名

 これまでの二回が両方ともフライトものだったので,今回はちょっと趣向を変えて,ドライビングシミュレータにチャレンジしてみることにした。が,車をテーマにした博物館はあっても,なぜか肝心の大型筐体の展示はなく,かなりトホホな感じ。そこでいったん博物館から目を転じ,富士重工や三菱重工といった開発会社を中心に情報を集めてみることにした。すると,神奈川スバルにドライビングシミュレータがあるとの情報が。これまで博物館などを中心に素材集めをしていたが,まさか営業所や展示場に大型シムが置かれているとは予想外だ。今後はこうした場所もチェックも必要だなぁ。
 というわけで,神奈川スバル 藤沢店に来た筆者。本当に普通の営業所で,目的となる大型シムは営業所の片隅にあった。取材の前までは普通の営業所にあるシムなので,きっと積み木のような車が積み木のような街の中を走る簡単なものだろうとタカをくくっていたのだが,それはいい意味で激しく裏切られることに。なんと,置かれていたのは「グランツーリスモ」の限定版だったのである。しかも三面モニターで。

 この筐体は独自に開発されたもので,モーターショーにも展示されたことがあるらしい。ソフトはプレイステーションで大人気となり,いまだに多くのファンから支持される「グランツーリスモ」を改良したもので,プレイステーション2を3台つなげて起動しているとのこと。お願いして筐体の中を見せてもらうと,確かにプレイステーション2が並んでいた。筆者は見たことのないカラーだったが,これは2003年2月20日にリリースされたプレイステーション2の春季限定カラー"SAKURA"であるらしい。
 選べる車種は,インプレッサWR/レガシー/レガシーB4の3車種。コースは,ファンにはお馴染みのグラベルとサーキットの2種類が体験できる。プレイ時間は2分間だ。また写真を見てもらえば分かるが,本機はマルチモニター仕様で,三つのスクリーンによって映し出される走行シーンは大迫力。所沢航空発祥記念館のフライトのときも感じたが,やはりマルチモニターの横に広い視界は操縦席や運転席の視界を再現するのに適しており,かなり満足度の高いプレイが堪能できた。


 しかもそれだけではない。筐体の下には6本の制御装置が付いていて,ハンドリングや路面に合わせて筐体が揺れたり傾いたりするのだが,筐体の動作は単純な揺れ/傾きではなく,ブレーキング時にはフロントが沈んだり,悪路を走行していると小刻みにガタガタ揺れたりと,かなり本格的な体感が得られるのだ。もちろん筐体のみの動きだけではなく,ハンドルも振動したり路面の手応えを伝えてくれる。シートもインプレッサSTi純正シートを採用しており,座り心地,雰囲気とも十分だ。正直,なぜ普通の営業所にこれほどのシムが? と驚かされてしまった。お金取れるんじゃないですか? これ。

 ここを訪れた人は誰でもプレイできるそうで,30〜50才くらいのプレイヤーが多いという。ほとんどの人が,車の下見やオイル交換の待ち時間にプレイするらしい。お父さんと一緒に来店した子供も大喜びでプレイしていくそうだ。なお筐体の近くに赤いボタンがあったので何かと質問してみたら,プレイヤーに何らかのトラブルが発生したときにお客を守るための緊急停止ボタンなのだそうだ。
 この筐体の評判はかなりいいらしく,店内にはレコード(記録)なども貼り出されていたので,腕に自信があるならチャレンジしてみてはいかがだろうか。ちなみにこの筐体は藤沢店だけではなく,小田原店や相模原店にもあるらしい。

 プレイを終えての感想は面白い! の一言に尽きる。筐体がソフトの魅力におんぶに抱っこではなく,ハードとソフトが互いに引き立て合っているあたりがかなりの好感触。残念な点があるとするならば,ハンドルも本物にして欲しかった点と,(店舗までの)交通事情が少々厳しいところ。気軽に訪れてプレイというわけには行かないが,この手のシムが好きなら一度は体験してもらいたい。興奮すること間違いなしだ。ショップのPRにシミュレータを使う神奈川スバルの遊び心に感心しつつ,今後は他社でもこうした店舗が登場してくれることを願う筆者であった。

 

おまけ
チラシや冊子でWRCの歴史を学ぼう!
博物館と違っておまけの要素を見つけるのはなかなか難しく,無料のドリンクや待ち合い室の音ゲーなどを見ながら,何かないかなと思っていると,興味深いものを発見。フリーペーパーのコーナーに,WRCにおけるスバルの歴史(年度別)を記したチラシや冊子があったのだ。先の日本初のWRCでインプレッサが優勝したこともあって,スバルやWRCに興味を持った人もいるかもしれない。興味があるなら,来店してぜひともチラシや冊子を入手してはどうだろう。写真なども満載で見応えもあるし。そしてチラシを見たあとにシミュレータでラリーコースをドライブすれば面白さが倍増すること間違いなしだろう。

おまけ

 

神奈川スバル 藤沢営業所
住所 〒251-0001 藤沢市西富530-1
TEL
開館時間 9:30〜19:30(月曜定休)
料金 無料
アクセス

JR東海道本線「藤沢駅」下車
神奈川中央交通バス「戸塚バスセンター行き」「緑ヶ丘下車」→「徒歩1分」


■■Murayama(4Gamer編集部)■■
30を過ぎてから原チャリの免許を取り,原チャリとは思えないようなアプリリアのクラシックを足とし,原チャリとは思えないようなパワーとスピードで都内を暴走し,原チャリでは普通行かないような遠くのラーメン屋に深夜突然出かけたりする,ちょっと心配な人。

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