― 連載 ―

 

 天高く,馬肥ゆる秋。
 なるほど。秋だからだ! 秋のせいとあっては致し方ありません。なにしろ季節の仕業です。メジロジオンが肥えるのも,タイキジオンが丸々なのも,すべては秋のせいだったのです。いやぁやっぱ秋には勝てないや。
 ちなみに,秋の定義とは,天文学的に言うと秋分から冬至まで。秋分ってのが9月23日で,冬至が12月22日。ほら,ちゃんと秋だったでしょ?

 さぁ,頑張って22日過ぎの言い訳を考えなきゃ。



 てなわけで,残念ながら今週も馬騎蔵牧場が誇る2頭だけのジオン軍はお休みとなってしまった。なにしろ,レースに出すには太すぎ丸すぎタプタプしすぎ。まぁ登録して出走するだけならやってやれないことはないけれど,そんなつまんないことで大事な手駒を失う危険を冒してもねぇ。でも,じゃぁ何をネタにすればいいだろう? 馬を補充するのはやっちゃったし。前回試したように,この状態じゃフリー走行も悲惨な結果を残すのみ,うーん……。


 そんなときに,神降臨!


 なんとゲーム内で,海外種牡馬の種付けイベントが開催されたのだ! 期間は12月8日〜12月15日午前7時まで。この記事を見た読者がイベントに間に合うかどうかは,かなりギリギリというか若干の無理が漂ってるが,この原稿を書く筆者には十分に間に合っている。ここが重要だ。


 競走馬を手に入れるには,以前に書いた子馬を購入する方法のほかに,今回のネタである種付けによる「生産」ってのがある。生産といっても,要は馬の子作りをするだけなので,作り方はそう難しいものではない。♀と♂がイチャイチャするだけの話である。
 ただし,幾つかの用語とか風習ってのがあるので,それを説明しよう。まず,母親のことは"繁殖牝馬"(はんしょくひんば)と呼ぶ。別に無理して呼ばなくてもいいけど,少なくとも世間ではそう呼ぶし,ゲーム中でもその名前で売られている。
 次に父親だけど,こっちは"種牡馬"(しゅぼば)と呼ぶ。何故に繁殖牡馬じゃないのかは筆者にも,まったくもって分からない。で,繁殖牝馬は自分の牧場で育てるんだけど,種牡馬は違う。お金を払い,種付けの時期限定で牧場に出張して来てもらうのである。いい子いますよ,と。
 もっとも,生産する物は馬の命。いくら種牡馬が頑張ろうと,子供を授からない場合もあるわけだ。現実では,そういう場合は一部返金があったり,そもそも支払いが受胎ご確認後だったりするわけだけど,「競馬伝説Live!」の場合は残念ながら一切返金無し。「比較的繁殖力も高いので」みたいな記載が公式サイトにもあるので,100%受胎って仕組みではなさそうだ。


 競馬伝説Live!では,繁殖牝馬にS・A・B・C・Dの5段階で評価された9種類の能力値が,種牡馬にはそれに遺伝力/成長/距離適性を加えた12種類の能力値が各馬に設定されている。




繁殖牝馬スピード,スタミナ,根性,気性,パワー,瞬発力,芝適性,ダート適性,体力
種牡馬スピード,スタミナ,根性,気性,パワー,瞬発力,芝適性,ダート適性,体力,遺伝力,成長,距離適性

 通常だと,種牡馬には1500万と最高値のブライアンズタイムから,10万で最安値のオグリキャップまで多くの馬がずらりと並んでいる。今回の期間限定イベントは,それらに加えて,海外種牡馬である"ストームキャット"と"ダンチヒ"の2頭が利用可能になるというもの。値段はそれぞれ2500万,2000万と半端ないが,十二分にそれに見合った能力だ。詳しくは次の表を見てほしい。



 さすが海外種牡馬。2頭とも,このイベントに相応しい能力の持ち馬だ。個人的にはSが多い分,ダンチヒのが突き抜けやすそうなので好みだったりするが,ストームキャットも500万高い分はきっと何かあるに違いない。毛並みがいいとか,何かとテクニシャンだとか。
 ちなみに成長と距離適性については,公式サイトの"Tips1"にまとまっているので,そちらを参照して欲しい。


 しかし,馬ってのはただ能力値が高ければいいってもんじゃない。もちろん血統的にニックスだとかインブリードだとかって話も色々あると思うけど,それだけじゃない。個人的には馬に対する思い入れこそが最高のスパイスであり発憤材料でありパフパフなのだ。いい子いますよ。


 なので,この2頭がどんな馬かっていうのを軽くご紹介しておこう。



・ダンチヒ 1991年〜1993年に北米リーディングサイアーとなった名種牡馬。既に結構なお歳のため受精能力も低下してしまっており,現実では今年限りでの種牡馬生活終了が発表されているはずだが,ゲームではまだまだハッスルハッスル。
 個人的にはダンチヒといえば,ビコーペガサス。結局三度挑戦したスプリンターズSには1回も勝てなかったが,二度の二着は十分すぎる成績だ。1994年に敗れたサクラバクシンオーなんて,1200のレースを8戦7勝した短距離界の怪物君だしね。短距離レースでは実に馬券を計算しやすい,ありがたく愛すべき名馬でした。


・ストームキャット 世界中で活躍馬を産出しまくる世界的歴史的名馬,ということになっているのだが,日本では何故か地味な活躍が続くというか活躍がほぼない。以上の情報をもとに三段論法を進めると,日本は世界に含まれていないという恐ろしい結果に繋がってしまったのは,すべてストームキャットのせいだ。
 ただし,残念なことに今年に入って重賞を勝利したシーキングザダイヤがようやく登場し,これで日本もようやく世界に含まれることが許可された模様。その後はイギリス,フランスと二度の海外遠征に挑戦し,それぞれ敗れたものの,ちょっとハイカラ加減を演出した。かと思えば,何故か続いて参戦したのは宇都宮で行われた,とちぎマロニエC。何故栃木なのか,何故ダートなのかと疑問は尽きません。しかも負けました……。


■ 番外編的追記

 ん,これはなんだろう?


 おーおーおー。というわけで,実はもっともっとカッチョ良かったレース画像をお送りします。いやぁ,危ないところでした。



 というわけで,次回の目標。


 「まさか,種付けでこんなに引っ張るなんて」


 では,また来週〜


■■真木孝一郎(ライター)■■
この記事の原稿を書いていると,古き良き競馬人生を走馬灯のように思い出します。大敗した日に友達と食べるご飯の涙味とか,そこはまだ直線にも入ってないぞ,というツインターボのダレっぷりとか。……えーと,良い思い出絶賛募集中(読者ではなく馬から)。


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