ネヴァーウィンター ナイツ日本語版

ネヴァーウィンター・ナイツ日本語版
「オーロラ・ツールセット」入門講座
第3回:「オーロラ・ツールセット」をより深く楽しむために

Text by 大路政志

 

 NWNが発売されてしばらくが経ち,筆者の周囲にも徐々にプレイヤーが増えてきた。その中で「オーロラ・ツールセット」でのモジュール作りに手を出しているのは,筆者を含めてまだ3人なのだが,ヒマを見つけては自作のモジュールを持ち寄って,モジュール作りの勉強会やLAN接続でのマルチプレイを行っている。
 あえてLANで遊んでいることもあってか,みんなで遊んでいる光景は「TRPG」のセッションそのものといった感じで,どこか懐かしく,実に楽しい時間である
 ネット上のファンサイトや各種掲示板に目を向けてみても,NWNは徐々に,そして確実に盛り上がってきている。全ユーザーの内,どれくらいの割合の人がTRPGプレイヤーなのかは分からないが,本作はオリジナルモジュールやマルチをプレイしてこそ,本来の魅力が引き出されるゲーム。もしマルチプレイやTRPG未経験のユーザーが周囲にいるなら,シンプルなオリジナルモジュールを用いるなどして,真のロールプレイングゲームの魅力を楽しく共有してほしいものだ。

 というわけで,「オーロラ・ツールセット」入門講座第3回をスタートしよう。前々回と前回で「オーロラ・ツールセット」を用いたお手軽モジュール作成法をひと通り紹介したので,今回はその続きと,オリジナルポートレートの作成法などを紹介……,という流れを考えていたのだが,製品版に同梱されたマニュアルに目を通してみたら,そんなことはすべて記載されている。さらに公式サポートページのほうでも,丁寧な「ツールセット入門編」がスタートしているので,急遽予定変更。今回はカスタムクリーチャーの作成/配置方法などを解説しつつ,NWNユーザーならばぜひチェックしておきたいサイトを紹介していこう

 さて。本連載の前回では,冒険の舞台となるマップを作成し,そこに宝箱やモンスターを配置するまでの手順を紹介した。今回は,マップ上に商店(商人)を配置する方法や,オリジナルアイテムの作り方などを紹介しよう。前回と今回の入門講座を合わせて読めば,誰だって簡単にオリジナルモジュールを作成できるので,ツールセットに興味のある人(とくに初心者)はぜひご一読を!

※今回の記事はNWNver0.6を用いて作成しているため,製品版とは仕様が異なる場合があることをご了承ください。

カスタムクリーチャーの作成・配置

【1】
 固定配置クリーチャー(ここではモンスター)の装備や能力,倒したときに落とすアイテムなどを調整したい場合には,クリーチャーアイコンを利用する。ここでは弱体化させたブルードラゴンを作成し,低〜中レベルパーティにとっての「中ボス」的なカスタムクリーチャーに仕上げたい
 というわけで,まずはクリーチャーアイコン内のアダルト・ブルードラゴンを選び,右クリックから「コピーを作成して編集」を選択しよう。


【2】
 すると「クリーチャーのプロパティ」が表示される。〈画像1〉プロパティ内には「基本設定」や「スクリプト」など,合計11ものサブカテゴリが用意されているが,今回大きな変更を加えるのは「能力値」「クラス」「特殊能力」の三つ。「能力値」では,筋力を"27"から"18"に,耐久力を"21"から"18"に,そして基本ACを"20"から"16"に下げ,ブルードラゴンの身体能力を弱体化させた。〈画像2〉
 次に「クラス」を開き,アダルト・ブルードラゴンの「ドラゴン」レベルを"21"から"15"にダウン。〈画像3〉さらに「特殊能力」を開き,「ドラゴンブレス,電撃」の使用回数を"3"から"1"に減らした。〈画像4〉
 こうすることで,強敵アダルト・ブルードラゴンはすっかり弱体化し,3〜4人からなる中レベルパーティでも十分対抗可能な程度になった。いい加減ゴブリン退治に飽き飽きしているパーティにとっては,適度にスリリングな障壁となるはずだ。実際に戦ってみて強すぎる,または弱すぎると感じたなら,「能力値」の筋力や基本AC,基本ヒットポイントなどを微調整してみよう

【3】
 さて,いわゆる「中ボス」としてクリーチャーを配置するなら,見事撃破したときに得られる戦利品も,しっかりと設定しておきたい。そんな場合には「所持品編集」ボタンを押して,クリーチャーの所持しているアイテムを設定しよう。〈画像左〉
 といっても,ドラゴンを倒したら鎧や弓が落ちるというのも不自然なので,今回は,周囲に宝箱を配置することでプレイヤーへの報酬を用意することにした。なお,クリーチャーが武具を装備可能な人型であれば,マジックアイテムを装備させることによって戦闘力を高めることができる。このとき,オプションの「死ぬと落ちる」「ピックポケット可能」にチェックを入れておけば,クリーチャーからから,装備(所持)アイテムを奪うことも可能だ。(画像下)

 

「NWN」をより深く楽しむためのリンク集

ネバーウィンター・ナイツ日本語版サポートホームページ
http://www.sega.co.jp/pc/baldurs/nwn/

 SEGA PC LOCALIZED GAME OFFICIAL SITE「ネバーウィンター・ナイツ日本語版」ページからジャンプできる,公式サポートページ。現在(2003年4月4日時点),「DMクライアント」「FAQ」「グラフィックボード情報」「ツールセット入門編」「ネットワークプレイ(マルチプレイ)の遊び方」といったコンテンツが設置されており,随時更新されている。
 なかでもとくに注目したいのは,なんといっても「ツールセット入門編」。オーロラ・ツールセットの基本用語から,NPCとの会話をコントロールする「カンバセーション・エディタ」の使い方まで,オリジナルモジュールを作るために最低限必要な情報が丁寧に解説されている。マニュアルではやや不十分だった「オーロラ・ツールセット」の解説だが,このコンテンツを一読すればスムースにモジュール作成に取りかかることが可能だ。まだチェックしていないユーザーは,ぜひ"お気に入り"に登録しておこう。

 

Paths to OtherWhere
http://geshi.s17.xrea.com/index.html

 geshi氏が運営するNWNファンサイト。マルチプレイの楽しさがヒシヒシと伝わってくるリプレイ集「冒険の記録」は,マルチ時のロールプレイやモジュール作りの参考にもなる魅力的な読み物。ほかにサーバ設定やツールセットに関するTipsや,NWN初心者が見たらビックリすること請け合いの「扉絵コレクション」,オリジナルモジュールを紹介するコンテンツなどが用意されている。

 

Neverwinter Connections Japan
http://nwcj.r7office.net/1/xoops/

(このサイトは現在移行中で,マルチプレイの募集と告知など,一部のコンテンツは旧URLの「こちら」で利用できます)

 Masacy氏が運営するサイト。登録することで,フォーラムやダウンロードサービスが利用可能となる。会員登録はもちろん無料。会員数は4月4日現在で140名を超えるほどの盛況ぶりだ。NWNを思いっきり遊び倒したいなら,NWCJへの会員登録は必須といってもいいだろう。

 

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