ネヴァーウィンター ナイツ日本語版

ネヴァーウィンター・ナイツ日本語版
「オーロラ・ツールセット」入門講座
第2回:商店の配置とアイテムカスタム方法

Text by 大路政志

 

 2003年3月8日に東京秋葉原のアソビットシティ6番街(6F)で行われた,オーロラ・ツールセットの体験会を筆者も覗かせてもらったのだが,予想以上の盛況ぶりに正直驚いてしまった。NWN本体ならばともかく,それ自体にエンターテイメント性のないオーロラ・ツールセットを見るために,ここまで多くの人がアソビットシティを訪れるとは思っていなかったからだ。10台以上用意されていた試遊台は常に満席状態で,セガのスタッフによる懇切丁寧な解説を聞きながら,モジュール作成を楽しんでいるユーザー達の熱心さが印象的だった(もっとも,純粋にシナリオ本編を楽しんでいるユーザーもチラホラいたが)。
 NWN発売後は公式サイト「こちら」でも「オーロラ・ツールセット」のチュートリアルが掲載されるようなので,体験会に足を運べなかった人は,そちらもチェックしておくといいだろう。

 

 さて。本連載の前回では,冒険の舞台となるマップを作成し,そこに宝箱やモンスターを配置するまでの手順を紹介した。今回は,マップ上に商店(商人)を配置する方法や,オリジナルアイテムの作り方などを紹介しよう。前回と今回の入門講座を合わせて読めば,誰だって簡単にオリジナルモジュールを作成できるので,ツールセットに興味のある人(とくに初心者)はぜひご一読を!

※今回の記事はNWNver0.6を用いて作成しているため,製品版とは仕様が異なる場合があることをご了承ください。

商人・商店の配置

【1】商店のベースタイプを決定

 さまざまなアイテムを売り買いするための施設を設置するには,「商人/商店アイコン」を利用する。
 「商人/商店アイコン」をクリックすると,パレット内に「闇市」「武具店」といった項目が表示される。それらの項目は,作成する商店の"デフォルト商品構成"に影響し,「寺院」ならポーション類やクレリック関連アイテム,「魔術品店」なら秘術呪文スクロールやウィザード/ソーサラー関連アイテムなどが充実している。
 一部を除いて同名項目が4種類並んでいるが,これは本編シナリオのどのChapterに相当する商店なのかを意味している(一番上の寺院はChapter1。一番下はChapter4相当)。今回はChapter1相当の武具店を作ろうと思うので,一番上の「武具店」を選択し,マップ上に配置する。

【2】商人/商店のプロパティを設定

 商店の配置が済んだら,それを右クリックしてサブメニューを開き,「プロパティ」を選択。すると「商人/商店のプロパティ」の「基本設定」が表示される。ここでは,その商店の価格設定や商品のラインナップを変更することが可能だ。気軽にゲームを楽しみたいなら,売り値を100,買い値を50程度に設定して,アイテムの売買をプレイヤーにとって有利にしておくといい(初期設定は売り値150,買い値35)。

 商品のラインナップを変更したい場合は,「所持品編集」ボタンを左クリックして「入れ物の内容」画面を呼び出す。画面の左側にデフォルトの商品が表示されているので,追加したいアイテムがあるのなら,右側のパレットから任意のアイテムを選び,左側にドラッグ&ドロップしよう。なお,画面右下にある「在庫無制限」にチェックを入れれば,文字通りそのアイテムの在庫が無限になる。ポーションやスクロールなど,比較的使用頻度の高い消費アイテムには,チェックを入れておいたほうがいいだろう。

【3】ストア・セットアップ・ウィザードで商人を設定

 「商人/商店のプロパティ」での設定を済ませたら,次に商人を配置する。マップ上に配置した商店を右クリックし,「店のセットアップ」を選択して「ストア・セットアップ・ウィザード」を呼び出そう。
 「会話」「店主の選択」を画面の指示に従って設定すれば,マップ上に店の店主となるキャラクターが配置される。

  その後,商人キャラクターを右クリックしてプロパティを選択すれば,キャラクターの各種データを詳細に設定することも可能だ。がめつい退役軍人が経営する武具店や,魔術品店でバイトする見習い魔術師など,それらしい背景設定を用意し,それを体現するような商人をデザインしてみよう。

 

 

オリジナルアイテムの作成方法

【1】ベースとなるアイテムの決定

 まずは,メニューバーの「ウィザード」から「アイテム・ウィザード」を呼び出し,作成するアイテムのベースとなるアイテムを選択しよう。ここでは,「パーティのリーダー(ファイターorパラディン)にふさわしい,ビジュアル的に派手な武器」を作ろうと思っているので,ベースアイテムを「グレートソード」に設定してみた。

【2】アイテムの名称と質の設定

 お次は,アイテムの名称とその質の設定。突出した性能は備えていないものの,序盤〜中盤の冒険で役立ってくれる武器にしたいので,「マジカル」にチェックを入れ,「アイテムのレベル」を6〜10,「アイテムの品質」をミディアムに設定した。
 あまりにも強すぎるアイテムを作ってしまうとモジュールの難易度設定が難しくなってしまうし,またアイテムレベルが高すぎると序盤で装備ができず,宝の持ち腐れ状態になってしまう。ここはやや「控えめ」に設定しておくのが無難だろう。

【3】パレットのカテゴリを選択

 アイテムの名称と質を決定したあと,そのアイテムをパレットのどこに保存するのかを決定する。「武器」「刀剣類」「グレートソード」内に保存しても構わないが,のちのちのことを考えると,「特殊」「カスタム」内に保存したほうが管理しやすいだろう。

【4】アイテムのプロパティでアイテムの能力を設定

 アイテムの基本設定を終えたら,「アイテムのプロパティ」を開き,細かな設定を行っていく。
 「アイテムのプロパティ」は,「一般」「外観」「プロパティ」「解説文」「コメント」の計五つのページで構成されているが,基本的には「外観」と「プロパティ」を設定するだけでOK。

 まず設定しておきたいのが,アイテムの具体的な性能だ。これは「プロパティ」で操作できる。ここでは,【1】で掲げたテーマに則り,「ダメージボーナス:音波(1d6ダメージ)」「呪文詠唱:ブレス(1日1回まで使用可能)」「強化ボーナス(1)」という魔力を付与してみた。その結果,アイテムレベル(装備するのに必要なレベル)は9とちょっぴり高くなってしまったが,刀身が美しく輝く魔法のグレートソードが完成した。
 オリジナルアイテムを保存したら,そのアイテムを宝箱にしまうなり,商店のラインナップに加えるなりして,プレイヤーキャラクターが入手するための手段を用意しておこう。

 以上で,2回めの入門講座はお開き。次回の入門講座では,自作ポートレートの作り方や,海外のユーザーが作成したモジュールの紹介などをする予定。もちろん,簡単で即効性の高い入門講座も引き続き行っていくので,少しずつスキルアップしていきたいと思っている「オーロラ・ツールセット」初心者の皆様,ぜひお楽しみ。

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