「Granado Espada」

"ラグナロクオンラインの父"が作る,
ありそうでなかった究極のMMORPG

【詳細編】

 

モンスター,プレイヤーキャラクターの
種族/クラスについて
〜"こういう戦略で倒せるモンスターを作ろう"という
意図のもとにモンスターをデザインしてるんですよ〜

4G:
 ほかのMMORPGなら,プレイヤーが選択できる種族について質問するところですが,さすがに人間だけですよね?

Kim:
 ええ。プレイヤーキャラクターの立場では,人間のみです。ただ敵としては,モンスターも出てきますよ。

4G:
 具体的には?

Kim:
 さて,それはまだちょっと……。そうですね,エイリアンが出てくるしれませんよ。
 ただこれまでの普通のMMORPGのモンスターって,少し面白味に欠けていたと思いませんか? なんというか,攻略法も戦略も何もなくて,ただクリックするだけ,みたいな。しかし本作の場合,キャラクターが3人という大前提があるので,それを生かせるようにモンスターを作成しています。
 つまり,一般的な"デザイン的なコンセプトありきのモンスター作成"ではなく,先に"こういう戦略で倒せるモンスターを作ろう"という意図のもとにモンスターをデザインしてるんですよ。

4G:
 なるほど。例えば,魔法使い系キャラクターが3人じゃないと倒せない敵とかが存在するんでしょうか?

Kim:
 そうですね。ちょっと極端な例だとは思いますが,大体そういう意味だと考えてもらえればOKです。

4G:
 キャラクターの職業(クラス)にはどのようなものがあるんですか?

Kim:
 基本的には,"戦士タイプ" "魔法使いタイプ" "スカウトタイプ"の3種に大別できます。スカウトとは,戦闘以外のすべてを行うクラスで,基本的な仕事はヒーリング(治療)になります。

4G:
 意外とシンプルですね。

Kim:
 大別して3タイプしかないというと,少ないと感じる人もいるかもしれませんね。しかし複数のキャラクターを操作するMCCシステムを搭載した本作の場合,一つのキャラクターが万能になる必要性はありません。逆に,極端なキャラクターが活躍できるといえますね。例えば,筋力は強く肉弾戦では無敵だけど,一人じゃ体力を回復するための注射も打てない(※)ような"おバカキャラクター"を作成しても,ほかのメンバーがフォローできればOKなんです。

4G:
 なるほど,確かに一芸に秀でたキャラクターの使い道がありますね。

Kim:
 MCCシステムを考慮に入れれば,そこそこ武器も魔法も使える……みたいな中途半端な職業があるより,それぞれの職業の役割が完全に分担されているほうが望ましいわけです。それぞれ個性的なキャラクターの組み合わせで,多様な遊び方ができるんですよ。
 あるときはバランス良く戦士系,魔法使い系,スカウト系の3人で冒険し,またあるときは魔法使い系3人で冒険する。……ヘタに職業が複雑より,こっちのほうが楽しく遊べそうでしょう?

※本作には体力を回復する飲み薬はなく,注射を打って回復するとのこと

 

パーティ,住居,生産について
〜政治システムによって,みんなと協力することが面白く感じるはずですよ〜

4G:
 プレイヤーごとに3人のキャラクターを操作するのであれば,ほかのプレイヤーとパーティを組むことはできないんですか?

Kim:
 いや,そんなことはないですよ。もちろんほかのプレイヤーと組んで冒険できますし,そうするメリットもあります。例えば一人のプレイヤー(3キャラクター)ではクリアできない大人数用のクエストもたくさん用意しています。
 ただ,ほかのMMORPG……とくにアメリカのMMORPGのように,パーティプレイを強制するつもりはありません。そういうゲームだと,パーティを組みたくない人は,何もできないですからね。
 世の中には一匹狼のプレイスタイルを好む人もいるわけですから,一人でも楽しめるクエスト,多人数で楽しめるクエストの両方を用意します。

4G:
 そのほうがいいですね。パーティは,強制させるものじゃないですよ。パーティプレイは,自発的に組むから面白いんですよね。

Kim:
 そうですね。自発的にパーティを組ませるという意味では,政治的なシステムも関わってきます。政治システムによって,みんなと協力することが面白く感じるはずですよ。
 例えば自分が属しているギルドのメンバーが領主になると,みんなにそれぞれ仕事をくれたりする。で,自分は警察のような組織に割り当てられて,ほかの警察官と一緒に悪い人をこらしめる……なんてこともあります。

4G:
 ギルドのようなものは存在するわけですね。ところで領主になると,少し良いところに住めたりするんでしょうか?

Kim:
 ええ,そうなる予定です。ただ住居システムに関しては,今いろんなアイデアがあって,どれを採用するかは確定していない状況なんですよ。詳しい情報はもうしばらく待ってください。

4G:
 "家"は日本人が好きなシステムですからね。期待しています。そういえば,もう一つの日本人が好きな要素といえる"生産"はどうですか?

Kim:
 生産の要素はありますよ。ただこれも,まだアイデアを煮詰めている段階ですので,詳細はまだお話しできません。
 ただどんな要素にしろ,それがいろんな方向に影響を与えるものにしたいですね。ちょうどMCCシステムや政治に関するシステムが,ほかの部分のゲームシステムにも大きな影響を与えているのと同じように。
 とくに住居や生産は,ゲームの外的な要素とも連結する余地があるので,いろいろと模索中です。例えば,ゲーム内の住居をいわゆる"ブログ"とつなぐシステムとか……,これ以上は,またいずれ(笑)。

 

PvP,ゾーン,
そしてサービス開始時期について
〜うまくいけば,日本でも韓国とほぼ同時期に
    正式サービスを開始できるかもしれませんね〜

4G:
 ではちょっと話を変えて,PvPについて教えてください。制限はあるんでしょうか?

Kim:
 自分が警察に所属していれば,制限はないですね。あと国家と国家が戦争状態のときは,敵国のプレイヤーキャラクターへの攻撃に制限がありません。それと,相手が無国籍者の場合も同様です。彼らは税金を払っていないわけですから,それくらいのリスクは覚悟してもらいます。
 逆に,同じ国家や同盟国に所属するプレイヤーキャラクターには,基本的に攻撃できません。とはいえ,競技場内では戦えますよ。ちなみにこの競技場で戦いを重ねてランキングで上位に入らないと,選挙に出馬できないんですよ。

4G:
 ある程度の"強さ"がないと,権力も得られないんですね。あともう一つ聞いておきたいのが,世界の広さです。

Kim:
 うーん,現状では広いとしかいえませんね。一つ一つのゾーンもかなり広い。

4G:
 ということは,本作はゾーンシステムを採用しているんですね。

Kim:
 ゾーンではありますが,かなり広いので,ゾーンだとは感じられないでしょうね。ちょっとズルい言い方をすると,シームレスとゾーンの良いところを持ってきた感じになっています。

4G:
 なるほど。……もう今すぐにでも遊び始めたい気持ちになっているんですが,いつごろサービスが開始されますか?

Kim:
 2004年中はテストに力を入れて,正式サービスの開始は2005年になります。

4G:
 日本を含む海外の展開はどうですか?

Kim:
 パブリッシャであるHanbitSoft社と一緒に,海外のパブリッシャにもいろいろと接触しています。まだ交渉段階なのでなんともいえませんが,うまくいけば,日本でも韓国とほぼ同時期に正式サービスを開始できるかもしれませんね。
 少なくとも開発スケジュールは,それに合わせていますよ。

4G:
 おお,いいですね。そうなることを期待しています。では最後に,4Gamerの読者に向けて,ひと言コメントをお願いします。

Kim:
 以前のインタビューのときに,「いつの日か,きっとまたみなさんにお会いできると思います」って話しましたよね。忘れられる前に帰ってこようと思ってました。で,今,帰ってくるために準備しています。なるべく早く準備を整えて,「ジャン」(右の写真参照)とみなさんの前に登場したいと思っています。
 みなさんの応援,声援を楽しみにしています。

4G:
 ありがとうございました。


 Kim, Hakkyu氏は何気ない顔で話していたものの,今の"MMORPGの常識"から考えると,どれも一見奇抜な話ばかり。しかしよくよく話を聞いてみると,全然奇抜でもなんでもなくて,非常に論理的な理由があるのが分かった。むしろこんなに"当たり前"と思えることを,これまでに実現したMMORPGがなかったことが不思議に感じるほどである。
 彼の話を聞いていると,Granado Espadaこそが本当のMMORPGで,これまでのMMORPGは,その前座にすぎないようにすら思えてくる。しかし結論を出すには,まだ早いだろう。実際にサービスが開始される日が,待ち遠しい。

「Granado Espada」の情報一覧は,「こちら」でどうぞ。

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