― レビュー ―
"三國志"ファン以外でも楽しめる大ヒットアクションゲーム
真・三國無双3 ハイパー
Text by MIDIはらふじ
2005年4月4日

 

■アクション+戦略,爽快感重視なミリオンヒットの移植作

 

基本画面は3D。自分が操作する武将を背後から見た視点となる。ボタン操作も簡単で,直感的な操作でプレイできるため,マニュアルを一通り読めば初心者でもサクサクとプレイできるだろう
 コーエーから発売された「真・三國無双3 ハイパー」は,2003年2月27日にプレイステーション2(PS2)用ソフトとして発売された「真・三國無双3」のPC移植版。PS2版は100万本を超えるミリオンヒットを記録したというモンスターソフトだ。
 内容は,古代中国の覇権争いを描いた"三国志"に登場する武将達が,画面内を所狭しと暴れ回るタクティカルアクションゲーム。三国志をモチーフにしていることで,プレイヤーを限定しているのでは? と思われがちだが,そんなことはまったくない。三国志を知らない人でも十分に楽しめる作品なのだ。

 本作の売り,それは"爽快感"に尽きるだろう。群がる敵兵達をバッタバッタとなぎ倒し,吹き飛ばしてゆく快感は,一度やったら病みつきになってしまうこと間違いなし。ボタンの連打がここまで気持ちいい作品というのもなかなか珍しく,ついつい何度もプレイしてしまうのである。その快感の裏には,徹底したバランス取り,敵アルゴリズムの調整,ステージ内の起伏(高低差)など,いくつもの要素が絡んでいる。
 そう,本作品は単なる"爽快なアクション"ではなく,"そこそこの難易度を保ちつつ,ここぞというときは非常に爽快なアクション"なのである。ただ敵を倒すだけでは飽きがくるところを,ステージ内での目的をはっきりさせ,それに向かう途中で敵をブッ倒す爽快感を挿入するという手法により,プレイヤーは非常にメリハリの利いたプレイが楽しめるのだ。

 アクションは,非常に簡単な操作で行える。攻撃ボタンを連打することで連続技が出せ,これだけでも敵をサクサク倒していける。が,本作の本作たるところは,無双ゲージが溜まると出せる"無双乱舞"だ。これは格闘ゲームにおける必殺技,超必殺技のようなもので,ボタン一発で発動し,周囲の敵をまとめて吹き飛ばしてくれる。エフェクトもド派手で,多くの敵がきりもみ回転しながら吹き飛んで行く様はまさに気分爽快。通常連続技から無双への連携がズバッと決まった日にはもう,小さくガッツポーズしたくなるほどの快感が味わえる。
 遊んでいてただ楽しいだけでなく,制作者側の「プレイヤーに爽快感を与える」という意図が,画面とゲームパッドを通じてはっきりと伝わってくる。

 また本作ではステージを攻略するうえで,アクションのみならず戦略も必要となってくる。各ステージには勝利条件が設定されていて(例えば"敵首領を倒す"など),プレイヤーキャラはその目標を達成すべく敵陣営に攻め入ることになる。しかしフィールドは広大で,各地に敵陣が配置されており,どこからどのように攻め入るかによって,まったく違う攻略法が必要になってくるのだ。
 また,自軍の他武将もプレイヤーの武将と同じように敵兵士との戦闘を行っており,戦況はリアルタイムに動いてゆく。その様子は,逐一画面にインフォメーションとして表示されるので,敗北寸前になった味方武将を助けに行く必要が生じたりするわけだ。つまり,戦場を駆ける一武将としての役割と,味方の軍を率いる軍師的な役割,その二つを同時にこなさなければならないのである。
 初めてプレイするステージでは,どのような作戦を立てていいか分からずに,敗北してしまうこともあるだろう。が,何度かプレイすることで敵の動きが把握でき,必ず突破口は見えてくる。攻略法を見つけ出し,勝利したときの達成感は,そこらのアクションゲームとは別格のものだ。

 

劉備や曹操,孫堅といった君主のほかにも,関羽,張飛,夏侯惇といった有名武将も選択できる 簡単なボタン操作で爽快感が味わえる……。それが本作の特徴でもある。満喫するにはパッドが必須だ 無双乱舞を発動させると,ド派手なエフェクトとともに技が出る。これがかなり気持ちいい

 

ステージ開始時には,どのような戦略で進軍するかをじっくり検討しておいた方がいいだろう 大勢のキャラクターによる"野戦"は,いつ命を落としても不思議はない,戦場の臨場感に溢れている ゲームプレイ中,随所に挿入されるムービーシーンの美しさも一見の価値あり。気分は歴史の主人公だ

 

 

■"無双モード"で歴史を体験し,武将と共に成長


まずはどのモードでプレイするかを選択。初心者は"無双モード"から始めるのがいいだろう
 本作では,好きなステージが自由に楽しめるフリーモードのほかにも,多種多彩なモードが用意されている。その中でも最も本作らしさが表れているのは,"無双モード"だろう。
 このモードは,"魏" "呉" "蜀"のうちいずれかの武将となって三国志の歴史を体験するというもの。黄巾の乱から始まり,董卓討伐,赤壁の戦いといった歴史上の名場面を駆け抜ける。ステージ攻略の仕方などによりストーリーが分岐し,また条件を満たせば隠しステージが登場するといった要素もあり,そのボリュームからこのゲームの本編ともいえるモードだ。
 ちなみに,前述の三国以外にも隠しシナリオが複数存在し,クリアすることで使用できる武将の数が増えるため,やり込み要素も大だ。

 操作する武将は,最初のうちは攻撃力も低く,連続技の回数も少ないが,敵を撃破し,ステージをクリアすれば,得た経験値に応じてどんどん成長していく。この成長の要素も本作の大きな魅力の一つ。好きな武将が強くなる過程は,プレイの大きな励みになり,何度も何度もチャレンジする意欲をかき立てる。「次回作が出るまで遊び続けられる」と賞される理由は,ここにもあるのだろう。

 また,自分で武将をエディットして操れるのも面白い。自分の分身を作り出して陰謀渦巻く歴史の波に放り込むのもよし,「こんな武将がいたらなぁ」と自由に思い描いたオリジナル武将を自軍に投入するもよし。エディット武将も通常の武将と同じように経験値を得れば成長していくため,こちらも非常にやり甲斐のある要素だ。
 ちなみに,武将を守る護衛部隊も作成できるので,まったくのオリジナル武将+オリジナル部隊で戦場を駆けめぐることもできる。

 

無双モードでは,"魏" "呉" "蜀"それぞれの立場から,三国志の歴史を学びつつ体験できる "黄巾の乱"と呼ばれる民衆反乱から,無双モードはスタートする。まずはこの争いを鎮圧せよ 武将は経験値を得ることで成長していく。ステージ中に倒れてしまうとやりなおしになるので注意

 

エディットではオリジナルの武将が作成できる。ここで作ったキャラはすべてのモードで使用可能だ エディットした武将が戦っているシーン。当然のことながら,エディット武将も経験値を得ると成長していく 武将を護衛する部隊も作成できる。好きな名前でオリジナル部隊を作り,歴史の表舞台に殴り込め

 


■上級者はチャレンジモードで指先さばきを競おう


チャレンジモードは,無双モード,フリーモードと違い,どちらかというと上級者向け
 "無双モード" "フリーモード"はどちらかというと,歴史を体感することを目的に作られているため,初心者でも楽しめるよう難度は低めに設定されている。では,ある程度腕を上げるとやり甲斐のないゲームになってしまうのかというと,そういうわけではない。上級者向けの"チャレンジモード"が用意されているからだ。
 これは,あらかじめ設定されたミッションのクリアタイムや撃破数を競うモードで,純粋にプレイヤーの腕前が問われるもの。用意されているミッションは,敵兵100人を倒すまでの時間を競うものや,制限時間内にいくつ障害物を壊せるかを競うものなど,緻密な指さばきが必要なものばかり。かなりやり込まないとすべてのミッションでいいスコアを記録するのは難しいだろう。

 また,チャレンジモードではプレイヤー同士の対戦も可能。画面を上下二分割し,一対一で戦闘ができるのだ。昨今の格闘ゲームのような奥深さはないが,難しいコマンド入力などは必要ないため,誰でも楽しめるという強みがある。ワイワイと賑やかに楽しみたいときなどには最適だ。

 ほかにも,"三國志事典"なるモードで三国志の勉強も可能。人物事典,歴史事典などが用意され,それぞれの項目についてこと細かな説明がされている。ゲームをプレイしていて「この武将はどういう人物なんだろう?」と疑問に思ったときなどには,見てみるといいだろう。この事典のおかげで,三国志をよく知らない人でもすんなりとゲーム世界へ没入できるのは素晴らしい。

 なお,PCへの移植にあたり,解像度(640×480,720×576,800×600,1024×768ドット)やレンダリングの細かさなどを,自分のPCのスペックに応じて任意に設定できるのもうれしいところ。要求スペックがかなり高いゲームなので,動作が重く感じるときは,グラフィックスオプションを変更すれば,快適に遊べるようになるだろう。グラフィックスの緻密さなどは損なわれるが,爽快感は変わらないはずだ。ただし,売り文句の一つにある"PS2版の約2倍の距離まで遠景を描画可能"を実現するには,かなりハイスペックな環境が必要になるので,その点は要注意だ。

 総合的に見てみると,PS2版を遊んだ人には物足りない移植であるのは確かだが,さすがはミリオンヒットを記録しただけのことはある,という内容になっている。初心者でも安心して楽しめ,上級者には多くのやり込み要素を用意する。どの層のゲーマーでも取り込み,楽しませようとする,開発者の意気込みが感じられる良作だ。

 

敵をどんどん高台から叩き落とす。制限時間の10分でどれだけ多くの敵を落とせるかを競う 他プレイヤーとの対戦も可能。ごちゃごちゃいわんと,誰が一番強いか決めたらええんや! 木箱や戦車などを破壊していくモード。効率のいい技の連携とライン取り(?)が重要だ

 

三国志にあまり詳しくない人は,プレイしながら辞典を見て勉強するといいだろう オプションではイベント時の音声設定のほかに,PCスペックに合わせた詳細な設定が可能 ゲームをプレイするには"GAMECITY"の市民認証が必要。常時接続環境が必要なので要注意

 

タイトル 真・三國無双3 ハイパー
開発元 コーエー 発売元 コーエー
発売日 2005/04/01 価格 6090円(税込)
 
動作環境 Pentium4/1.6GHz以上(Pentium4/2.6GHz以上推奨),メモリ 256MB以上(512MB以上推奨),HDD空き容量 1.7GB以上(フルインストール時は2.8GB以上必要),VRAM 64MB以上(128MB以上推奨),DirectX 9.0b以降

(c)2003-2005 KOEI Co., Ltd.