■戦闘のためのインターフェースは優秀だが
クローズドβテスト開始直後の街の様子。人だらけで,最初はスタート地点から動くのにも苦労した。現在は"芋洗い"状態からは脱しているはず |
RSのクローズドβテストがスタートしたのが,(つい先日の)12月21日。当サイトではこれまでにもRSに関して何度か紹介を兼ねたニュースを掲載しているが,今回は実際にプレイしたうえでの感触を中心に,改めて紹介していこう。
画面写真を見れば分かる通り,RSはフィールドを俯瞰視点で見下ろすタイプの2DアクションRPGである。最近の3D MMORPGなどと比較すると,画面はお世辞にも派手だとか美麗だとは表現できない。しかしそのぶん,要求スペックが低く押さえられているのが本作の魅力であり,アドバンテージといえるだろう。
プレイヤーキャラクターの移動や通常攻撃は,左クリックで画面内の目標を指定するというオーソドックスなシステムだ。
通常攻撃の方法こそ普通だが,ここに"スキル"による戦闘補助などが加わってくると,少し趣が異なってくる。各キャラクターに用意されたスキルは,最大で50種類あり,ウィザードの魔法もこれに含まれる。大方のアクションRPGがそうであるように,このスキルをいかに組み合わせて活用するかによって,同じキャラ/ジョブでも戦い方がずいぶんと異なってくるのである。
このゲームには,左クリックで行う通常攻撃を設定する基本攻撃のスロットに加えて,"自動スキルスロット" "スキルホットボックス"という2種類のスキル登録箇所がある。
このスロットに登録できるスキルは"基本攻撃" "自動攻撃" そして"自動補助"×2種類の,計4種類。自動攻撃のスロットには,CP(チャージポイント。詳細は後述)が必要量に達したときに,自動で発動するスキルを登録する。一方の自動補助スロット二つには,敵や味方に対して,それぞれ右クリックで発動するスキルを登録する。
要するに使用頻度の高いスキルは,わざわざ特定のホットキーを押したり,使用するスキルを選んでから対象を選んだりといった手間をかけることなく,ワンクリックで発動できるのだ。この仕様によって1回の戦闘で省かれる手間はわずかなものだが,RSはフィールド上に多くのモンスターが出現し,連戦に次ぐ連戦になりがちなゲームである。軽減されるストレスの量は,決してバカにはできない。
もちろん使用頻度こそ若干劣るものの,重要なスキルは"スキルホットボックス"に登録しておけば,ホットキーや,ボックスのクリックによって使用可能となる。これらは実際に組み合わせて使用してみると,なかなか便利なシステムだと感じられる。
しかし戦闘用のインタフェースが便利な半面,チャットの動作はいただけない。本作の通常画面にはチャット欄がなく,Enterキーを押さないと文字を打つスペースが出てこないのだ。
βテスト開始直後には,この仕様を知らないために「しゃべりたいのにしゃべれない」というプレイヤーも若干数いたようだし(公式サイトの"プレイ方法"にチャットの方法が書かれてはいるが),この仕組みだと,とっさの受け答えなどには,やはりタイムラグが生じてしまう。戦闘用インタフェースが秀逸なだけに,玉にキズだ。
■2種類のジョブをどう使い分けるか
キャラクター作成画面。といっても,ここではキャラクターと最初のジョブを選択するだけ。キャラの容姿が変更できないのが残念 |
さて,実際にキャラを使い分けてみた印象だが,ランサー/アーチャーとウィザード/ウルフマンは,近距離攻撃と遠距離攻撃という明確な違いがあるので,かなり操作感が異なる感じ。一方,剣士/戦士は共に近距離攻撃のジョブではあるが,"速さと防御に勝る剣士"と"破壊力のある戦士"ということで,大きくはないが一応の違いが感じられた。
この違いは,プレイヤーキャラクターのレベルが高まれば,より明確になっていくだろう。というのも,2種類のジョブでは使えるスキルが異なり,高レベルになるにつれてジョブの特性が際立ってくると予測できるからだ。
本作では,戦闘で敵を倒すと,通常の経験値のほかに"スキル値"が与えられる。このスキル値が一定量以上になるとスキルにポイントを振れるシステムで,通常のレベルアップではスキルの効果は上がらない。
スキルによっては,"ポイントを振るための条件"があるものも存在するが,基本的にどのスキルを熟練させていくかはプレイヤーに委ねられている。もちろん,この割り振り方は,二つあるジョブの片方に集中してしまっても一向に構わない。例えばランサーの特性を犠牲にする覚悟があるのなら,低レベルでもある程度優秀なアーチャーを作り出すことが可能なのだ。
さて,異なるジョブに変身するために必要なのが,CP。デフォルトでは0ポイントだが,敵を攻撃するか,アイテムを使用することによって溜まっていく仕組みだ。CPは変身,スキル使用で消費するほか,使わずに放っておくだけで自然に減少するようにもなっている。このあたりは,結構独特の感覚だ。
一方,キャラクターの体力を表すHP(ヒットポイント)は存在するが,数多くのRPGで採用されているMP(マジックポイント。あるいはマナ)などといったゲージはない。CPがその代役を兼ねているのである。
ランサーのスキルによる複数攻撃。こうしたスキルはパーティハントなどで複数の個性が絡み合ってこそ,明確に発揮されていく感がある | 外観だけで見れば,一番目立つのはウルフマンだ。動きはさほど速くない印象だが,成長したらどのような特徴が出てくるのだろうか | 戦士は盾を装備できないのがちと不安。早いうちに頑丈な鎧でも入手したい。破壊力は,おそらく全ジョブの中でピカイチではないかと |
■長く楽しめるゲームになる可能性を秘める
レベルアップ後の成長ベクトルは,プレイヤーが任意に,ステータスにポイントを割り振ることで行う。ここでのポイントの振り方も,当然,重要な要素となるだろう |
その分といってはなんだが,HP回復に関しては少し厳しめだ。まず,HPの自然回復は座っていないと発生しない。一応,ウィザードが体力回復のスキルを覚えられるが,このスキルはかなり高レベルのもので,始めて2〜3日じゃ全然覚えられないというシロモノである。少なくとも,序盤における戦闘中のHP回復は,アイテムに頼るしかないといった案配だ。
またモンスターがドロップするお金は,かなり"しょっぱい"。HP回復のためのキャンディが1個200Gもするのに,初心者向けのモンスターを倒して得られるお金はたったの1〜3Gである。初心者向けのHP回復アイテム"キャンディSP"こそどんどん入手できるという救済措置がとられているが,レベル20以降になると効き目が弱くなるとのこと。それまでに,なんとか手を打っておくべきなのかもしれない。
というわけで,2日ほどプレイしてみての雑感を連ねてみたが,とにもかくにも,派手さはないが,細かなところで個性的なゲームである。クローズドβテスト開始直後は若干のラグがあったが,現在はサーバの調子も安定しているようだ。
あくまでも"気軽"に,一風変わったゲームを堪能したいという気持ちがあるなら,RSへの参加を検討してみてもいいのではないだろうか。ストイックなゲームといった感もなくはないが,クエストの数も多いし,長く楽しめそうな予感がする。
クエストは,六つまで同時に受けられる。ザッと見たところ,ほとんどが「モンスターを倒して得られるクエストアイテムを持ってこい」といった内容。達成すれば武器や防具などが入手できるが,難度が高いものも結構ある。レベルが低いうちは,受けるクエストの内容を吟味したほうが良さそう |
別のマップに移動するときには,若干の読み込み時間がある。それほど長くはないが,建物に出入りするときにもあるのがちょっと…… | 専用のクエストをクリアすれば,個人商店を開けるようになる。NPCのショップは値段が高い印象があるので,利用客は多そう | HP回復アイテムが高価なだけに,戦いは慎重に行うべきか。余裕を持って倒せる敵と数多く戦ったほうが,結果的には成長が早いようだ |