アクション 4Gamer.net Review
 
気分爽快! 剣撃アクション見参!
コナン
Text by Murayama
14th Oct. 2004


マッチョな剣士が大暴れ
こんな英雄を待っていた

本文中に出てくるイカしたコンボ。「斬る」→「蹴る」→「パンチ」→「投げる」→「追い討ち」と非常に多彩な動きを見せてくれる

 最近のヒロイックファンタジーといえば,モデルのような兄ちゃんが剣と魔法を駆使して世界を救うような話が多い。これが近年の王道なのだろうが,右を向いても左を向いてもそんな英雄ばかりで,いつからファンタジー業界はそうなっちゃったの? とちょっと嘆いていた。たまには違う英雄を演じてみたいなぁ。
 そんな某月某日,ロバート・E・ハワードの小説「コナン」がアクションゲームになると聞いて,筆者は小躍りした。コナンといえばヒロイックファンタジーの原点ともいえる小説で,マッチョな剣士が大暴れするという話。もちろんコナンは魔法など使えるわけもなく,文字通り"力こそ正義"の男なのである。アクションゲームというからには,きっと爽快に剣をぶん回して敵をバッタバッタと倒すものに違いない。しかも嬉しいことにライブドアが日本語へのローカライズをしてくれるという。こいつは楽しみだ。やっぱりストーリーが分からないと切ないし。

 本作は,プレイヤーがコナンに扮して,彼の村を襲った謎の集団に復讐する3Dアクションだ。シナリオは一本道で,とにかく次々と現れる敵を倒していくだけでストーリーは進行する。ゲームの要所にはカットシーンなどが挿入されているほか,敵を倒すことでコナンが成長するRPGのような要素や,ボスキャラやデカキャラといった特殊な敵を相手に大立ち回りを楽しんだりもできる。ゲームシステムに斬新さはなく,非常にオーソドックスな剣撃アクションに仕上がっているといってもいいだろう。
 コナンは剣や斧系の10数種類の武器を操り,敵を倒すことでポイントを獲得できる。ポイントを使えば新しい剣技を習得できるというRPGとしての側面もあり,プレイを続けることで,最初は単純に剣をなぎ払うだけだったコナンが,「下段を薙ぎ払い」→「水平斬り」→「突き刺し」→「三連続突き」といったコンボを披露するようになるだろう。
 剣技は50種類以上も用意されており,同じ剣技にポイントをつぎ込めば,より強力なダメージを与えられるようになっている。また基本は剣や斧による攻撃だが,コンボによっては連続技の途中で蹴り/投げ/パンチ/追い討ちなども発動し,ゲーム中盤くらいともなると,「薙ぎ払い」→「膝蹴り」→「アッパー」→「投げ」→「倒れた相手に剣を突き立てる」といった多彩な攻撃も可能だ。
 戦闘の効率を考えると,特定の技だけを強化するのがよさそうだが,それだとどうしても単調な剣技しか楽しめず,本作ならではのコンボや剣撃が楽しめなくなってしまう。(クリアのしやすさという問題はさておき)できることなら幅広いスキルに均等にポイントを振って,全剣技を使える状態にしたほうが,見ごたえのある戦いが楽しめるはずだ。
 ここでちょっとだけアドバイス。コンボの途中で発動する投げやつかみ技は非常に強力で,一度発動すれば確実にダメージを与えられる。コンボはガードされると止まってしまうという短所があるが,空を斬る分にはコンボは止まらない。そこで敵が見えたら空振りしながら近づき,敵に接近するあたりで投げが発動するようにすれば,ガード中の敵であっても確実に投げ/つかみ技をキメられるのだ。なお投げのモーション中はコナンは無敵という利点もあるので,さまざまな局面で投げを狙っていきたい。

敵を斬れば斬るほどコナンは強くなる。スキルは三段階となっていて,同じスキルを強化すると攻撃力が上がる コナンは敵の攻撃を剣で受け止める。実はこの構えは映画のコナンの防御体制とまったく一緒。思わずニヤリ 昆虫や動物相手だと投げ技が通用しないので注意が必要。相手に合わせた戦術を駆使して戦いたいところだ

プレイ中にはカットシーンも用意されていて,ゲームを盛り上げてくれる。ゲーム中盤ではちょっとしたラブロマンスもあるが,国内のゲームとは異なりコナンの世界のラブロマンスは非常にストイックな感じを受ける


森林,溶岩,遺跡,洞窟で
多種多様な敵を真っ二つに!

コナンは剣を振り回す以外に,ジャンプ,よじ登るといったアクションもできる
 さて剣撃以外の要素にも触れておこう。ゲームは,雪原,森林,溶岩,遺跡,洞窟などを舞台にコナンが冒険する。ステージごとに景色は大きく変わるのだが,たとえ吹雪の中でも沼の中でも,コナンの足取りが重くなるようなことはない。せっかくなのでこのあたりんはもう一工夫合ってもいいのでは? という気がした。  そうした自然的な障害がない代わりに……というのもなんだが,場所によってはジャンプをうまく使ったり,特定のスイッチを押したり,振り子を避けながら進んだり,障害物を剣で破壊しながら進むといった,ちょっとしたアクションが要求されるシーンも。こうした仕掛けは全編を通して数えるほどしかないが,戦闘の合間のカットシーンなども含めれば,かなりいい箸休めとなった。いくら剣撃アクションといっても,ひたすら戦ってばかりだと飽きてしまうものだし。
 もちろんステージによって登場する敵も異なる。森林では原住民や動物,遺跡ではアンデッド(?),など非常にバラエティに富んでいて,敵によっては噛み付いてなかなか放してくれなかったり,魔法やナイフを投げてきたり,ガード不可の強力な打撃をしてくるヤツもいる。足場の悪い場所で戦いを強いられることもあり,そうした場所では,堅実なガードやモーションの小さい剣技を使うなど,戦術の工夫も必要だ。

 ステージについては前述したが,本作ならではの要素に敗者復活ステージがある。戦闘でコナンが死んでしまうと(落下死などは勇ましい死ではないとのことで,即ゲームオーバー),クロム神の裁きを受けることになる。裁きとはモンスターと戦うというもので,勝利すれば復活,負ければゲームオーバーとなる。敗者復活ステージは何度でも利用可能だが,利用回数が増えるにしたがって敵の数も次第に増え,復活が難しくなってゆく。
 また,プレイしているステージによって敗者復活ステージの風景や,登場するモンスターも変化するので,新しい場所に足を踏み入れたら,わざと死んで復活ステージに行ってみるのも面白いだろう。

雪山で登場する狼の噛み付き攻撃には注意。なかなか放してもらえないのでボタン連打で回避しよう 本作での罠は一撃で死んでしまうこともあるほど強力。罠を見たらその前でセーブを忘れずに この場所はカメラアングルが固定なのでプレイし辛い。ちょっとでもミスをすると下に落下……意地悪!

ゲームのセーブは聖なる石を使って行う。が,一度のセーブにつき一個消費するので場所を考えたい 敗者復活のステージ。何度も利用すると,登場する敵の数が増えていく。写真のようにならないように注意 ゲーム中盤での敗者復活ステージ。パッと見,ここにボスがいてもおかしくないほどの迫力だ


闘技場で大暴れ
コナン以外のキャラで戦え

闘技場で使用可能な16人のプレイキャラクター。連続技などもちゃんと用意されていて,コナンとは違う動きは新鮮だ

 本作には,コナンの復讐を描いた本編以外に「闘技場」というモードもある。闘技場では,非常に狭い6種類のステージと,16人のプレイキャラクターから一人を選んで,1分の間に得点(攻撃した回数でupし,一定の得点を貯めると時間が加算される)を稼ぐ「タイムチャレンジ」モードや,10分間の間に何人の敵を倒せるかを競う「倒した数」モード,また一台のPCを使った「対戦」が楽しめるようになっている。「闘技場」は探索要素がまったくなく,プレイ時間が短くて済むことから,格闘ゲーム感覚でプレイできるのはありがたい。実際に筆者も仕事の息抜きにプレイしている(熱くなって長時間遊びがちだが)。
 「闘技場」で嬉しい点は,コナンではないプレイキャラが選べること。コナンとはまったく異なる戦士達を使ったプレイは新鮮で,剣技についてもキャラクターごとに独自のものが用意されている。ほかにもゲームを終わりまでプレイすると,メインメニューにボーナスという項目が登場し,コナンの新しいエピソードが体験できるといった要素もあって本編を終わらせても,まだまだ楽しめるといった感じだ。
 なお本作はネットワーク対戦にも対応しており,GameSpyを利用した1on1やデスマッチが楽しめるが,現状ゲームが開いていることは滅多になく,せっかく磨いた腕を披露する場所がないのは残念でならない。

 筆者がエンディングまでプレイした感想としては,コナンは非常にオーソドックスな3Dアクションゲームで,お手軽に楽しめるタイトルだ。ガードと剣技しかないとはいっても,迫力ある肉弾戦が楽しめるし,適当にプレイしていても連続技が出てしまう点などは初心者にもオススメ。最近家庭用ゲーム機では剣術家をテーマにしたタイトルなども多く,複雑な剣術が楽しめるが,細かいことは気にせず敵はすべてを力任せにぶった斬る! そんな大雑把なコナンが私は大好きだ。


新しく使えるキャラクターの中には,二刀流のキャラクターも。これにはグッとくる人もいるはず 基本的に闘技場では,次々と出現する敵を倒すことになる。敵は一定数以上にならないので落ち着いて戦え 闘技場は6種類のマップが用意されている。どれも本編で登場した地形を改良したマップになっている

タイムチャレンジモードは,1分間のプレイ時間しかないが,得点を稼ぐとプレイ時間が加算される 「倒した数」モードは制限時間内にどれだけの敵を倒せるかを競える。体力の回復はないので慎重に タイトルに「ボーナス」の文字が。新たな戦いがコナンを待っている。果たしてどんな敵が?

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■メーカー名:ライブドア
■価格:6279円(税込)
■発売日:2004年10月1日(金) ■動作環境:Windows 98SE/Me/2000/XP,Pentium III/1GHz以上,メモリ256MB以上
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