― 体験版 ―
 
メダル オブ オナー パシフィック アサルト
(エレクトロニック・アーツ)
Text by Kawamura

 

 今年のFPSラッシュはあまりに凄まじく,かの伝説の"メダル オブ オナー シリーズ"最新作でさえも,話題と注目を独占してきたとはとても言い難かった。むしろ,これまでほとんど脚光を浴びる機会さえも与えられてこなかったイメージがある。

 3本めの拡張パックではなく,完全新作として登場する「Medal of Honor:Pacific Assault」(以下,MOH:PA)。前作で使用された「Quake III Arena」エンジンを大幅にチューンナップしてDirectX 9仕様にし,ほとんど別物といってもいい新エンジンで開発されている。これはプレイしてみれば,直ちに分かるだろう。  タイトルからもお分かりのように,今回は舞台をヨーロッパから太平洋に移し,南海の島々で死闘を繰り広げるアメリカ軍と日本帝国軍を描いた作品となる。まあ当然,ゲーム内容はアメリカ軍側の視点で描かれているわけだ。

 デモ版では,ガダルカナル島の臨時空港を舞台としたレベル"Henderson Field"を収録している。叩き起こされると,外はすでに大混戦。あちらこちらから敵兵が襲ってくる。
 今回の大きなウリの一つに,AIが操作する味方とのチームプレイがある。味方への指示はカーソルキーを使って出すのだが,それより最初に覚えておかなければならないのが回復だ。
 前作ではあちこちに落ちていた回復アイテムが,今回は見当たらない。ダメージの回復は,基本的に味方に行ってもらう(Hキー)。体力が尽きて倒れても,しばらくは味方を呼ぶ猶予が与えられる。この間にうまいこと味方に治療してもらえれば,戦線復帰できるのだ。もちろん誰にも助けてもらえなければゲームオーバーとなる。
 今回は"Melee Attack"が攻撃において非常に重要な役割を果たしており,敵は銃剣や刀,はたまた銃のストックを武器にやたら突進してくる。ここで慌てて銃撃で対応しようとするとヤラれてしまうのが,MOH:PAの戦闘の特徴だろう。しかし,やたら「突撃ー!」とか切羽詰った日本語が聞こえてくるのは,いかがなものだろう。  右クリックがMelee Attackに割り当てられていることもあり,Meleeは簡単に作動できる。突進してくる敵にはMeleeでの迎撃が大変有効で,気持ちいいくらいビシっと決まる。

 534MBという特大のデモだが,さすがはビッグタイトル,ダウンロードする価値は十分にある。スクリプトを多用した演出効果も,好敵手の「コール オブ デューティー」に引けをとらないほどの美しさと迫力を見せ,新エンジンの威力をチェックするにはちょうどいい。次世代のミリタリーFPSをも牽引するポテンシャルを秘めているか,ぜひ自分の目で確認してみよう(個人的意見としては,ちょっと心配)。
 瀕死時にダメージを食らったり,近くで爆発が起こったときなどにはエフェクトがかかるなど,斬新というわけでもないが流行りの効果を取り入れており,昔の面影は「残っている……かな?」というほどに薄れてしまってはいるが,まったく新しいメダルオブオナーとしての完成度に期待したい。  なお本デモは英語版で,日本語製品版は11月にエレクトロニック・アーツから発売される予定だ。

■2004.11.1 マルチプレイデモ追加

 11月25日に日本語製品版が発売される「メダル オブ オナー パシフィック アサルト」に,英語版のマルチプレイデモが登場。海外での発売も11月9日と目前に迫っており,本デモには購買意欲を高める後押しとなってもらいたいところ。ちなみに製品版のマルチプレイのスペックは,32人参加可能(理論上64人)で8枚のマップが収録されている。

 さて,デモ版では"Gifu"というジャングルマップと,"Invader" "Team Deathmatch" "Free For All"の3モードを収録。最大16人(サポート外では32人)の参加が可能なマルチプレイを楽しめる。ちなみにGifuとは岐阜県のことではなく,日本軍の拠点であったガダルカナル島のギフ高地のこと。  TDとFAAは説明不要だろうから,"Invader"について軽く説明しておこう。これはいわゆるオブジェクティブマッチで,両軍に設定されたオブジェクティブ(目標任務)の達成または阻止を目指すゲーム。
 このマップのオブジェクティブは四つで,マップ(Mキー)で目標の位置を確認できる。具体的な任務内容は,Alliesのスタート地点から近い順番に,川の見張り塔を占拠する,Axisのバンカー(掩蔽壕の銃座)を破壊する,弾薬庫を占拠する,Axisの通信装置を接収して砲撃支援を要請することだ。Axisは逆にこれを阻止すれば良い。占領はエリア(日本の国旗付近)に一定時間留まればいいが,爆破にはエンジニアの持つ時限爆弾が必要となる。
 ちなみに余談だが,本作の性質なのか,敵兵とやたら接近しつつ,必死で撃ち合ったりストックや銃剣で殴り合ったりしている光景が目に付いた。

■2004.12.22 2ndマルチプレイデモに差し替え

 「メダル オブ オナー パシフィックアサルト」に,通算3本めのデモとなるマルチプレイデモ第2弾が登場した。なお,このデモ版は前回のマルチプレイデモに収録されていたマップ"Gifu"を含んでいるため,古いファイルと差し替えという形で4Gamerに掲載する。シングルプレイデモはそのまま残っているので,そちらをプレイしていない人は併せてどうぞ。

 今回のデモ版は,新たに"mp_corregidor_inv"というマップを追加したもの。舞台となるコレヒドール島は,フィリピンのマニラ湾の入り口にある全長6.4km,最大幅800mの小さな島だ。アメリカ軍に要塞として使用されたこの島も,例のごとく太平洋戦争における激戦地として知られている。
 インベーダーモードを中心に紹介しよう。日本軍が攻撃側で,アメリカ軍は防御側だ。日本軍の最初の目標(オブジェクティブ)は,アメリカ軍の野営の聴音哨を破壊すること。第2の目標は,マリンタトンネルの入り口を押さえること。第3の目標が,マリンタトンネルの南口を爆破すること。第4の最終目標が,港を占拠して味方の艦隊を誘導することである。そしてアメリカ軍の目標は,それらを阻止することだ。
 計1万人以上の日本兵が戦死し,しかもその約半数が自決したこの小島は「玉砕の島」と呼ばれる。その凄惨さを噛み締めつつ,さっそくダウンロードしよう。

 

 

■キー操作

ゲームメニュー Escキー
前後左右移動 W/S/A/D
武器攻撃 左クリック
melee攻撃 右クリック
武器切り替え マウスホイール
武器選択 1〜3
クラス武器選択 4〜6
照準 左Altキー
左右覗き込み Q/E
立つ,ジャンプ Spaceバー
しゃがむ,伏せる 左Ctrlキー
走る/歩く Shiftキー
伏せる C
リロード R
使う,拾う F
衛生兵を呼ぶ H
ボイスコマンド V
全体チャット T
チームチャット Y
スコア表示 Tabキー

■動作環境

OS:Windows 98/Me/2000/XP
CPU:Pentium III/1.2GHz以上(2.4GHz以上推奨)
メモリ: 256MB以上(512MB以上推奨)
ビデオカード:DirectX 7対応(DirectX 9対応品推奨)
DirectX 9.0b以降


(マルチプレイデモ:418MB)


(シングルプレイデモ:534MB)


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