「エンジェリック・ヴェール新伝　エフェメール島綺譚」は，"エンジェリック・ヴェールシリーズ"の3作めとなるファンタジーストラテジー作品だ。
　ローポリゴンの3D描画で表現されたストラテジー戦闘の合間に，有名声優陣を起用したフルボイスのアドベンチャーパートが挟まるという構成になっており，主人公を取り巻く登場キャラクターは大半が女性，顔グラフィックスもアニメタッチである。
　そうしたわけで一見するとライトな作品に思えるのだが，戦闘システムの戦術性は高く，実はなかなかやり応えのある作品だ。

　ストーリーは先行作品を引き継いでいる。シリーズ第1作で描かれた戦乱により逼迫（ひっぱく）した財政を立て直すべく，売却予定の保養地「エフェメール島」に，おなじみの登場人物達が到着するところから話が始まり，この体験版では主要人物の一人「エリーゼ王女」が誘拐されるところまでが描かれる。

　アドベンチャーシーンは本作で新しく登場したエトワール，ソレイユ，アロンドラ，ユベール，エスパーダといったキャラクターの顔見せと，状況説明を兼ねた内容で，コメディタッチの会話も随時挟み込まれる。会話は基本的に自動で進んでいくが，マウスを左クリックすればすぐに次のセリフに進める。
　戦闘パートは島に出没する人工生命体とおぼしきモンスターとの軽い戦いが一つ，エリーゼ王女誘拐現場での戦いがもう一つだ。チャージ制で行動順が決まる独特のターンベースシステムに従って，マウスで移動・攻撃・一斉攻撃（本体験版では事実上機能しない）・特殊・防御・アイテム（の使用）・行動終了のいずれかを選び，実行する。攻撃実行前には敵に与える/敵から受ける損害の予測値も示されるので参考にしたい。また，現在どんなアイテムを持っているのか，戦闘前に確認しておくことも重要だ。
　キャラクターの顔グラフィックスの横にはHPのゲージと「スピリットゲージ」があり，魔法および特殊技（必殺技もしくは広域/大威力魔法）は，スピリットゲージを消費することで実行する。このゲージはターンの経過に従って回復していく。
　おなじみの登場人物達は特殊技が使えるものの，本体験版では新キャラのアロンドラが持つ特殊技「ノースオベリスク」がどういったものなのかは見られない。また，ゲームの難易度はゲームスタート時に「NORMAL」もしくは「EASY」が選択でき，プレイの途中でのセーブも可能となっている。

　地形を利用して敵を足止めする，特殊技の効力範囲や防御力を考えつつキャラクターを動かすといったゲーム性は，この体験版でかなりの程度確認できる。キャラ同士の会話のノリなどについてはもちろんだ。
　アニメタッチのキャラクターゲームが好きな人のみならず，各種ストラテジーゲームを愛好する人にも，ぜひ触ってみてほしい。持ち味であるテンポの良さは感じ取ってもらえるに違いない。

 

 

■キー操作 会話を進める　Ctrlキー フレームレート表示　F2キー ※操作はすべてマウスで行えます 移動（戦闘パート）　M 攻撃（戦闘パート）　A 一斉攻撃（戦闘パート）　W 特殊（戦闘パート）　P 防御（戦闘パート）　D アイテム（戦闘パート）　I ステータス（戦闘パート）　S 行動終了（戦闘パート）　E ■動作環境 OS：Windows 98/Me/2000/XP CPU：PentiumIII/500MHz以上 メモリ：192MB以上 ビデオメモリ：32MB以上 HDD空き容量 250MB以上 DirectX 8.1と互換性あるサウンドカード DirectX 8.1以降 （167MB） Copyright（C）2005 CHROME SIX ALL RIGHTS RESERVED

 

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