コーエー新戦略発表:映画「鬼(仮称)」制作発表会
2004/10/28 21:15
 2004年10月28日,東京の六本木ヒルズでコーエー,シブサワコウプロダクション,黒澤プロダクションの三社が合同発表会を行い,巨匠黒澤明氏の遺稿を基にした映画「鬼(仮称)」を2006年に公開すると発表した。発表会はコーエー代表取締役会長の襟川恵子氏,信長の野望などをプロデュースしたシブサワ・コウ氏,ソニー・コンピュータエンタテイメントジャパンの竹野史哉氏,故・黒澤明監督の息子である黒澤久雄氏の4名が出席。非常に豪華な顔ぶれによるものとなった。

 最初にコーエーの襟川恵子氏から,単に映画を制作するだけのものではなく,映画/ゲーム/書籍/CD/モバイル/グッズなどが一体となった一大プロジェクトであることが解説された。このプロジェクトの総制作費は30億円とのことで,3年間で100億円の売上げを狙うという。続けて,現在は政府が映画産業に注目していることや,映画や書籍などメディアミックスで成功しているポケモンは2兆3000億円もの経済効果があるとして本プロジェクトへの熱意を語った。
 ちなみに映画「鬼(仮称)」の話がスタートしたのは2001年12月27日のことで,最初はアニメ化での話が持ち込まれたが,原案が素晴らしかったので,実写で制作すべきではとの判断から機が熟すまで寝かせておいたという。

 次にソニー・コンピュータエンタテイメントジャパンの竹野史哉氏からの激励の言葉として,「ソニーとコーエーは1995年9月「信長の野望〜覇王伝〜」からの付き合いで,プレイステーション2の初発表会では,シブサワ・コウ氏から"ハードの挑戦をソフトが受けて立ちましょう"とのコメントをもらったことが懐かしいです」とコメント。さらにソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)社長の祝辞なども読まれ,ソニーとコーエーの蜜な関係が感じられた。



 「鬼(仮称)」で監督となる黒澤久雄氏は,「えらいことを引き受けてしまったなぁというのが今の感想です」と語る。もともと「鬼(仮称)」は,私が10代の時にオヤジから「金髪の目の青い武者が活躍する話って面白いと思わないか? 俺スティーブ・マックイーンで撮りたいんだよね」と語っていたんですと裏話を明かした。
 今回のプロジェクトの発端については,「オヤジの遺稿は非常に暗くて長く,今では売れないだろうという話だったので,僕だったらこうしようとストーリーを書いてコーエーさんにアニメでどうですか? と見せたところ,しばらくは音沙汰がなくてあきらめていた」とのこと。しかし2004年になるとバタバタと話が進んでしまったばかりか,脚本/監督も僕になってしまいましたと語った。
 ちなみに一般的な映画の制作発表ならばキャストの紹介もあるのだが,今回こういう形での発表になったことについては,鬼(主人公)とその相手役のヒロインを公募するためとコメントした。

 最後にシブサワ・コウ氏が登場して,ゲームコンテンツについての話をした。当サイトの読者に最も関係のあるゲームだが,残念なことにPCではなく次世代のプレイステーションのタイトルになるとのこと。ゲームに関する具体的な話は聞けなかったが,氏の期待としてはプレイステーションからプレイステーション2になったときにリアルタイムレンダリングが強化されてキャラクターの感情表現が可能になったので,今回もそういうパワーアップはあることを前提に制作しているとのことだ。ジャンルに関してはアクションRPGのようなことを語っていて,新システムなども導入すると語ってはいたが,ひょっとすると無双系? さらに映画とゲームで素材を共有をするそうで,どういった演出が見られるのかが楽しみである

 発表会では次世代プレイステーションのタイトルとして語られていたが,襟川氏の口からは"ブロードバンド"を強調した話がよく聞かれたことから,ひょっとするとPC版もリリースされるのでは? と筆者は期待してしまった。パートナー企業も募集しているそうなので,参入する企業によっては,ひょっとすると,ひょっとするかも。(Murayama)




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