[TGS2004#18]ナムコ:NVIDIAブースにて,自社開発のSF RTS「NEW SPACE ORDER」を展示
2004/09/25 04:02
 以前「こちら」のニュースで掲載した,ナムコが開発中のリアルタイムストラテジーゲーム「NEW SPACE ORDER」のプレイアブル版が,NVIDIAブースの一角にて出展されていた。既にナムコが経営するネットカフェ「知好楽」にてクローズドβテストが行われている本作だが,出展されていたのはそれと同じバージョン。細かい調整を除けば,ゲームとしてはほぼ完成している状態だという。
 いわゆるオープンな公の場では"初お披露目"の本作だが,基本的なゲームシステムは以前のニュースで掲載した通り。なので今回は,より突っ込んだ細かいシステム部分など,細部について見ていきたい。

 さて,惑星単位で内政が管理される,いわゆる"マイクロマネジメント"を必要としないタイプの本作。しかし,そういった簡略化が図られている半面,本作の大きな特徴としてあげられるのが"スターライン"と呼ばれる,物流ラインの概念だろう。
 スターラインとは惑星間を結ぶ星間航路のことを指し,この星間航路で惑星同士が結ばれていると,資源や資金といった物資が星系内で"共有化"されるという利点がある。つまり,遠くの惑星で生産された資源を使って,即座に母星でユニットが生産したりできるようになるわけだ。逆に,支配する星系の要となる惑星を奪取ないし破壊されてしまってスターラインが途切れてしまうと,資源の流通が滞り易くなり,敵をして有利を許してしまうことになるのである。これは,いわゆる補給線や兵站といった概念のルール化だと思われるが,内政が簡略化された分,こういった戦略/戦術部分のルールを盛り込んでいるのだろう。



 また戦術部分といえば,本作にはユニットに「向き」の概念があり,正面よりも横,横よりも後ろの防御力が低く設定されている。つまり正面から打ち合うだけではなく,横に回り込んだりして攻撃を仕掛けるといった戦い方が非常に重要。同じ兵力でも,戦い方次第で有利にも不利にもなる要素が色濃いのは,面白い試みだといえるだろう。
 とはいえ,この向きの概念と,それに関連する艦隊フォーメーションのシステムについては,若干の練り込み不足というか,昇華しきれていない印象が拭えない。例えば,向きが非常に大切な概念の割には,向きを変更する操作方法がこなれていなかったり,フォーメーションの扱いについても,ちょっと大雑把だというのが正直なところ。
 フォーメーションの扱いでいえば,最近では「Rise of Nations」,昔では「Kohan:Immortal Sovereigns」などが非常に良くできていたし,向きを変える操作方法にしても,「Myth」「Shogun:Total War」といった戦術級のRTSなどが良いサンプルになってくれるかもしれない。向きによってダメージが変化するというルール自体は非常に面白いだけに,それをスムースに遊べるようにするシステムも,今後のブラッシュアップでの課題となるだろう。

 ちなみに展示ブースの側に居たナムコの開発スタッフによれば,本作は完全な自社開発ということで,ゲームエンジンから何からゼロから作り起こしたものだという。日本のRTSというと,これまではどうしても海外タイトルに劣る作品が多かった中,このNEW SPACE ORDERのクオリティはなかなかのレベルだといえる。
 正直,まだ荒削りな面も否めない本作だが,ナムコの開発力の高さを感じさせてくれるタイトルであることだけは確かだろう。今後の予定はまだ未定という話ではあったが,引き続き注目していきたい作品である。
 余談だが同じスタッフの話によると,選択できる勢力のうちの一つである軍事帝国のBGM(国歌っぽい曲なのだが)には,なんと"ゼビ語"が使われているのだという話。さすがに筆者もプレイしただけではそこまでは分からなかったが,やはりナムコ・スペースオペラの世界観を踏襲していることは確かな模様。スタッフ曰く,「だからといって,ゼビウスが飛ぶワケでもないですし,関連は無いんですけどね」とフォロー(?)していたが,UGSFにドラグーン,そしてゼビ語と来ては,「関連とかいうレベルじゃないような」と思うのは筆者だけではないはず。正式な関連作品として発表されることを期待したいところだ。(TAITAI)

→「NEW SPACE ORDER」の記事一覧ページは,「こちら」
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