[CEDEC番外編]期待の次世代携帯機PSPでの開発環境とデモ映像公開
2004/09/08 23:56
 PSPはソニーコンピュータエンタテインメント(以下SCE)が開発している携帯ゲーム機で,本格的な3D描画機能などを備えた次世代携帯機だ。講演内容はGDCなどで公開されたものとあまり変わらないらしかったが,国内の開発者の関心も高く,会場は満員状態となっていた。

 PSPの話題はあまり追っていなかったので知らなかったのだが,PSPはいわゆるCELLプロセッサ2基の構成となっていると思われる。CELLプロセッサはSCEとIBMが共同開発している次世代プレイステーションのCPUで,マルチコアであることが特徴となっており,同一のアーキテクチャでPDAや携帯ゲーム機からサーバー機までをカバーする構成が取れるという特徴がある。携帯機向けのシステムデザインにおいては,CPUコア1個の構成図がSCEの公開特許文献などで見られたのだが,携帯機でも2コア構成にしてきているのは個人的にちょっと驚いた(不勉強で申し訳ない)。もっとも,片方は通常の処理ではなく,メディアプロセッサとして使用される構成となっている。音楽,映画など,マルチメディア端末としての性格も強い機器としてデザインされているので,これも納得できる構成だ。




 開発者向けのイベントということもあって,開発環境についての説明も行われた。ソフトウェアエミュレータ上での開発が可能で,それをハードウェア版の開発環境に持っていくこともできる。また,これまでLinux上のみだった開発環境がWindows用でも提供されることになったようだ。デバッガのレジスタ一覧(VPUレジスタは実に128個もある)をLinuxのコンソール上で表示してもしかたないなどの理由からWindowsアプリへの移植が決まったらしい。
 エミュレータでの動作画面と,実機での動作画面のデモも行われた。




 最後に,グラフィックの理論性能が机上の空論ではないことを示すためのデモが行われた。テクスチャもなくライティングもされていない,ポリゴンにも見えないようなポリゴンが表示される地味なデモだが,表示ポリゴン数などを表示するベンチマークになっている。デモ会場ではなかなかよい数値が出ず,いろいろいじって20Mポリゴン/secというのが出たところで,「デモ機は220MHzで動いているので,実機の333MHzに換算すれば,ほぼ理論性能である35Mポリゴン/secに近いところ(単純換算値:30.3Mポリゴン/sec)まで実際に表示できる」と説明していた。

 しかしこの件に関しては,編集部秘蔵の1枚があるので,とりあえずご覧いただきたい。




 この画像は,あちこちいじり回られる前に撮影したものだが,220MHzのデモ機であるにもかかわらず,なぜか実機の理論性能値である35Mポリゴン/sをはるかに超える値が示されている。メーカー純正のベンチマークテストは鵜呑みにしてはいけないということか。  (aueki)





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