[韓国ゲーム事情#232]韓国のオンラインゲーム決済事情について
2004/08/31 21:41
Kimの韓国最新PCゲーム事情#232

韓国のオンラインゲーム決済事情について(2004/8/31)

Text by Kim Dong Wook特派員

 オンラインゲームが氾濫する韓国では,オンラインゲームの決済の方式も,ゲームの種類に負けず劣らず多彩だ。子供向けのものから成人向けのものまでオンラインゲームの対象年齢も幅広くなっており,それに合わせて決済方式もどんどん細分化されて,新しいものが生まれている状況である。

 現在韓国のオンラインゲームの決済方法は,10種類以上存在する。あるリサーチサイトによると,オンラインゲームの決済方法では携帯電話決済が43.5%と非常に高く,続いて有線電話(一般の電話)による決済が30.1%,インターネットバンキングが10.5%,電子マネー方式が4.6%,クレジットカード決済が4.2%などといった状況。アナログ方式ともいえる一般電話による決済と,クレジットカード決済を含む広義でのオンライン方式が好まれているといえる。
 しかし一部の決済方式は,若年層による誤った使用が頻発し,社会問題になったりもしている。今回の"韓国最新PCゲーム事情"では,この日本のオンラインゲーム市場にとっても早急な課題である決済方式に関して,"お隣の国"韓国の実態を調査/整理してみた。

●定額料金制
 日本でもお馴染みの,一定の期間に対して決まった金額を支払うタイプ。課金した期間(30日,90日など)内であれば,何時間プレイしても同じ利用料となる。韓国でも,長時間のプレイが要求されるMMORPGは,たいていがこの定額料金制を採用している。

●個人定量制
 こちらは日本ではまだ珍しいタイプ。基本は定額料金制と同じだが,対象となる期間が短く,3時間や5時間,10時間,30時間といった単位で料金が決められている。休日にのみゲームをプレイする人や,1か月に30時間以上遊べない人にとって嬉しいタイプである。

■決済方式
1)口座振り込み
 ゲーム運営会社の銀行口座にプレイ料金を振り込む,ある意味古典的な方式。

2)インターネットバンキング
 韓国では早くからネットワークのインフラがよく整備されていたことから,インターネットバンキングを利用する人が多い。手持ちのPCからインターネット経由でプレイ料金を振り込めるので,非常に便利だ。
 ただし18歳以下のプレイヤーの場合は,親に同意書を書いてもらってゲームの運営会社に送る(郵送やFAX)必要があり,若年層には不便な方式といえる。

3)クレジットカード決済
 欧米などでは最も多いと思われるこの方式も,もちろんある。クレジットカード番号を入力して料金を支払う,伝統的な決済方式だ。

4)図書生活券決済
 日本でいう"図書券"を利用した決済方式。図書生活券とは韓国政府が国民に読書を奨励するために作った一種の有価証券で,5000ウォン券と1万ウォン券がある。オンラインゲームの料金を支払える図書生活券にはスクラッチ方式でシリアルナンバーが書かれており,それをPCから入力することで決済可能。
 2004年8月31日現在は「ゲットアンプド」や「Mabinogi」(マビノギ)など計32タイトルで採用されていて,今後もどんどん増えていく模様。比較的新しい決済方式だ。

5)文化商品券決済
 こちらは,本の購入はもちろん,演劇や映画,美術館などでも使用できる有価証券。「Hangame」(ハンゲーム)や「Netmarble」「Pmang」「Nexon.com」といった大手ゲームポータルサイトの大部分は,この文化商品券を利用した決済が可能だ。また韓国文化振興(発券会社)の運営するサイト「カルチャーランド」で,文化商品券のスクラッチを削って出てくる認証番号をサイバーキャッシュに換えれば,ほかの多くのオンラインゲームでも使用可能だ。
 韓国の学生達は,文化商品券を贈り物としてもらうのが大好き。そのためこの券は,ゲーム関連のイベントの賞品としてもよく使われている。

6)ADSL決済
 いわゆるISP決済。一般家庭で契約しているADSL会社経由で決算する方法で,自分のアカウントと登録パスワードを入力するだけで決済可能な,非常に簡単な方式。ゲーム利用料は,ADSL料金と一緒に引き落とされる。

7)有線電話決済(ARS決済)
 国営企業であるKT韓国通信社がサービスする有線電話でのみ決済が可能な方式(HANARO TELECOMなどほかの会社の電話や,途中に交換機のあるオフィスなどの内線電話では不可)。オンラインゲームの有線電話決済メニューで,決済電話番号,電話加入者名,加入者の住民登録番号(韓国政府が満18歳以上の韓国民全員に発行している番号)を入力することで決済可能。
 しかし2003年には小学生が1か月に数百万ウォン(数十万円)分も利用してしまったなど,何かとARS方式は社会問題化しており,今では月7万ウォン(約7000円)までしか利用できなくなっている。また政府は無分別なARS決済の乱用を抑止するために,未成年が利用する場合は親の同意確認書の提出を義務づけた。
 オンラインゲーム内でARS決済と関連する詐欺行為も頻繁に起きているなど,問題が多い方式といえる。

8)携帯電話決済
 韓国で最も一般的な決済方式。オンラインゲームの携帯電話決済メニューで,携帯電話番号,住民登録番号などを登録すると,その携帯電話あてに承認番号がメールで届く。その番号をメニューから入力すれば,決済完了。携帯電話の利用料金と一緒に支払える。
 比較的簡単で,人気のある方式だ。

9)無料利用券(クーポン券)決済
 オフラインイベントやゲーム雑誌の付録で配布される,1〜10時間程度の無料利用券も非常によく利用されている。ただしこれは新規のプレイヤー用で,既存のプレイヤーは使用不可能。また最近では,オンラインゲームの関連グッズにゲームアイテムの引き替え番号を付けておく方式も多く見受けられる。
 例えばNEXON社の場合,クーポン発行日から3か月間の計10時間のみ利用可能な券を配布している。

10)プリペイドカード
 日本や中国に比べて,韓国ではプリペイドカード市場は非常に遅れている。PC BANGなど全国的なネットワークインフラがよく整備されているため,多くの人がより便利なオンライン決済方式を好むからだ。しかし未成年によるARS方式や携帯電話決済の乱用が社会問題になって以降,親の同意確認書を作成する必要もなく,またコンビニエンスストアなどで気軽に購入できることから,最近は注目を集めている。
 現在は,「Hangame」や「Ragnarok Online」(ラグナロクオンライン),「Pangya」(スカッとゴルフ パンヤ)などの人気オンラインゲームがプリペイドカードを発行している。

 とまぁ実にいろいろな決済方式があるが,先述したようにこの中で最も利用されているのは携帯電話決済だ。
 韓国では先日携帯電話の加入者数が3500万人を突破し,実に全人口(約4800万人)の68%が携帯電話を利用していることになった。事実上,ゲームをプレイする層は誰もが携帯電話を持っているといえるだろう。誰もが持っている携帯電話で手軽に決済できるのだから,利用者が多いのもうなずける。
 ちなみに驚くべきことに,20代の若者達は,携帯電話の通話料よりもオンラインゲームなどの有料サービスの料金のほうが高いことが一般的だという。

 オンラインゲーム市場を活性化するためには,ゲームプレイヤー達が,料金を支払う価値があると判断するコンテンツに,手軽に決済できるシステムを整えることが必要不可欠だろう。日本のオンラインゲーム市場があまり元気とはいえないのは,限られた決済システムの不便さも,その要因の一つではないだろうか。




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