[GC#08]SFがテーマの「Restricted Area」は,Diablo風のアクションRPG
2004/08/25 18:34
 「Psychotoxic」を販売するVidis社からリリースされる予定なのが,Master Creations社開発による「Restricted Area」というアクションRPGだ。2083年の地球は,世界規模での核戦争からなる環境破壊によって汚染が広がり,ほとんどの地域はミュータントのみが生活できる場所になってしまっていた。人間たちは数少ない安全都市へと避難し,街は巨大なメガロポリスとして発展したものの,公害とビルの乱立によって日光はほとんど届かず,人々はネオンサインや街灯の薄暗い光の中で生活している。
 このような危機的な状態で,世界は一つの政府を築いて法治を守っていたが,その影響力は年々弱まっていくばかり。その代わりに,各都市に電力を供給する企業が力をつけ始め,とくに政府の権力が及ばない”禁止区域”(Restricted Area)では,企業が大手を振るって違法行為を働いているのだった。
 ゲームは,4人のキャラクターから自分の好みのものを選択してプレイする。プレイアブルなキャラクターは,政府の元特殊部隊員で鉄砲使いのジョンソン,サイオニックな超能力を持つビクトリア・ウィリアムス,ヤクザのボスである父への反逆から狙われの身となったケンジ・タカハシ,そしてひ弱な自分の代わりにロボットで対抗するジェシカ・パーカーである。詳細は不明だが10段階75種類のスキル制などもあり,どことなくDiabloIIを感じさせるものとなっていた。
4人の主人公の中では,ケンジ・タカハシのキャラクターが興味深く,彼の主要な武器は日本刀になっていた。実は政府を脅かすまでに成長した企業もOsaki Corpという日本風の会社名で,ゲームには日本風の題材も折り込まれているようである。



 実際に,Restricted Areaで遊んでみると,かなり作り込まれているのがわかる。FPS,レーシング,フライトシムでは描画や物理エンジンの採用は活発だが,この手のアクションゲームでは未発達な状態といえる。本作では”IRIS”というエンジンを採用しており,ラグドール効果までを再現しているとはいえないが,破壊できるオブジェクトが多いばかりでなく,超能力で物体を持ち上げて敵に放り投げたり,燃料タンクも銃弾の当たった方向に火炎が噴出して敵にダメージを与えたりできる。オブジェクトの一つ一つには影も投影されており,アイソメトリックなカメラ視点ながらも3Dを生かした空間が,このゲームのユニークな要素の一つになっているようだった。
 地形はプリレンダされた2Dではあるが,キャラクターは全て3Dで表示されている。プレイアブルキャラクターは10万ポリゴンほどもあるらしい。最大の解像度は1024×768ドットで,デモ用で用意されていたフレームレートの計測では,ハイエンドマシンで500近くを計測していた。開発者の話では,DirectX 8.0対応のグラフィックカードがあれば, Pentium II/300MHz程度のシステムでも十分に動作するとのことだ。ゲームメニューにはマルチプレイヤーのタブも存在していたので,何らかのネットワークプレイが期待できるだろう。

 世界観はファンタジーとSFとで全く異なるが,Restricted Areaのデモで用意されていたマップは砂漠地帯のもので,遊んだ感覚もDiablo IIに近いものだった。発売元がドイツではVidis社に決定したことから,9月から10月にかけてマスターアップする模様。運が良ければ,北米地域を通して日本にも輸入されるかもしれない。(奥谷海人)




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