MMORPG「World of Warcraft」のプレビュー記事第一弾を掲載 - 2004/04/15 17:25

 Blizzard Entertainment社が開発中の「World of Warcraft」は,同社の人気RTS「Warcraft」シリーズの世界観をモチーフとしたファンタジーMMORPG。MMORPGファンの間で最も注目を浴びているMMORPGの一つだが,その大きな理由には,バランシングと完成度の高さを十分に期待できる(させられる)同社のタイトルというところもあるだろう。
 本作は,現在地域限定でのクローズドβテストが行われている途中で,未実装の機能が多く完成度はまだまだといったところ。しかし,そのテストでの限定された環境下でも,楽しくプレイできるのは,さすが同社のタイトルといわざるを得ない。
 今回,少しだけプレイできたので,そこをメインとしてプレビューということで紹介していこう。その第一回は,キャラクターメイキングと,クラスの2点について。非常にユニークな戦闘システムに注目だ。

●ワクワクせざるを得ないキャラクターメイキング

 まず,キャラクターメイキング。本作では,Human,Dwarf,Night Elf,Gnome,Troll,Orc,Undead,Taurenの8種族が用意されている。このうち前者4種はAlliance,後者4種はHordeと,Warcraftの世界と同様に勢力分けがなされている。この勢力はスタートポイントやPvPなどに関連するようだが,テストバージョンではAllianceの4種族だけ実装され,Horde勢力の種族でのプレイができないため詳細は不明だ。また異なる勢力のキャラクターとパーティを組むこともできないようになるらしい。
 これらの種族には,冷気に対しての耐性が高かったり,チャームや睡眠を無効としたりと,それぞれに特徴がある。
 クラスは9種類があり,大まかな特徴を挙げると,

Warrior:近接攻撃力と防御力に優れる戦士
Paladin:ハンマーを使って,敵を粉砕する聖騎士。回復魔法も使える
Hunter:弓を使った遠距離からの攻撃が得意。Tamingも使えるようだが詳細は不明
Rogue:短剣を使った連係攻撃を得意とし,StealthやLockpickといった特殊技能もある
Priest:体力を回復させること以外にも,防御魔法や強化魔法が扱える
Mage:Fire Magic,Frost Magicなどの強力な攻撃魔法を得意とする
Warlock:impやKilroggを呼び出す召喚魔法が使えるほか,Curse魔法でターゲットを弱体化させるのが得意
Shaman:精霊の力を借りた自然魔法を得意とする。詳細は不明
Druid:BearやRavenなどに姿を変えられる。詳細は不明
となる。

 キャラクターメイキングでは,種族によって選択できるクラスが制限される。例えば,HumanならばWarrior,Paladin,Rogue,Priest,Mage,Walockの6クラスを選べるが,TaurenはWarrior,Hunter,Shaman,Druidの4クラスという感じだ。テストバージョンでは,Hunter,Shaman,Druidの3クラスが未実装となっているので,上記の特徴はこれからも細かく調整されていくと思われるが,大まかなイメージはそれほど変わらないだろう。特にWarlockは,EverQuestのMagician+Necromancer系のようで,ペットとDD(Direct Damage魔法)とDoTを含む弱体化魔法で戦うというスタイルだ。

 また,感心させられたのは,種族とクラスを選択すると,すべて初期装備が異なっていること。Mage,Warlock,PriestなどのCaster系だけでもローブの色が異なっている。まぁ細かなことといえばそうなのだが,MMORPGの最初の大仕事となるキャラクターメイキングで見た目で楽しくなれるものはあまりない。
 さらに,キャラクターの外観を決める要素として,Skin Color,Face,Hair Style,Hair Color,Facial Hairの5種類が用意されている。特にFaceやHair Styleは日本人好み(韓国人好み?)しそうなグラフィックスが用意(全体的な雰囲気は変わらないが)されているのも,好感が持てる部分だ。これらの変更は,それぞれ数種類ずつが用意されているので,自分好みのスタイルに変えられるだろう。


奥行きが感じられるグラフィックスが,ポテンシャルの高さを感じさせる。アクションのモーションも細かく作りこまれている


●前衛クラスの戦闘を一変させる特殊バーの存在

 本作の第一の特徴は,戦闘にあるといっても過言ではない。いままでのRPGやMMORPGとは大きく異なるのは,体力を表すHealthバー以外にクラス特有のバーが用意されていること。Caster系クラスではマナを表すバーが用意されているというのは,一般的なRPGのそれだが,魔法を使わない前衛クラス(Paladinも魔法が詠唱できるのでマナバーがある)では,このバーが固有のものとなるのだ。これによって,単調となりやすかった前衛の戦闘スタイルに幅ができ,面白くなっているのだ。例えばWarriorでは,スキルを使うためのRageバー,Rogueでは連係スキルを発動させるためのEnergyバーとなる。

■WarriorのRageバー
 Warriorではモンスターにダメージを与えるとRageバーが伸び(ダメージを受けたときもわずかながら増加する),そのRageポイント(怒りゲージみたいなもの)を消費してStrikeやThunderClapなどのスキルを発動させる。Rageバーは時間と共に減少していくので,序盤はRageバーを溜め,後半で一気にスキルを使って倒したり,少し弱めのモンスターを連続で倒したりという戦い方になる。Rageバーは時間で減少してしまうという部分が,Warriorの積極さを意識せずに引き出すようになっているのがいままでにない要素といえるだろう。

■RogueのEnergyバー
 Rogueには,スキルを使うと減少するEnergyバーがある。Rogueの戦闘系の攻撃スキルにはOpening MoveとFinishing Moveの2種類があり,Opening Moveスキルが命中すると,Comboポイントが溜まる。そしてFinishing Moveスキルを発動して命中すると,Comboポイントに応じたダメージが与えられる。つまり,Opening Moveスキル,Opening Moveスキル,Finishing Moveスキルという連係をしていくのがRogueの基本の戦い方となる。Comboポイントはターゲットごとに異なって溜まることと,またEnergyバーは時間で回復する(=スキルの使用回数に制限がある)ことで,複数のモンスターと同時に戦うのは苦手だ。このComboシステムは,Rogueのテクニカルさと一発大ダメージに繋がり,人気クラスの一つとなるのではないだろうか。

 このように,基本的に"殴る"だけだった前衛クラスに,ComboやRageを採用したことで,いままでとは大きく異なる戦いが可能となっているのだ。RPGのシステムとして切り離すことが難しいモンスターとの戦闘をここまで楽しくさせているのは同社ならではのアイデアといえるかもしれない。
 ちなみに,Hunterも特殊バーが実装されることが予想されるが,テストバージョンでは残念ながら未実装。遠距離攻撃のアタッカーという特殊クラスなので,バランシングの難しさが容易に想像できる。早めの実装を期待したいところだ。

 一方,Caster系はというと,こちらは非常に無難な戦闘スタイルとなる。魔法には,詠唱に時間がかかるものと,即座に発動(Instant)するものの2種類がある。詠唱時間が必要な魔法は,キャラクターの下に表示されるバーで行われ,バーが最大までいくと詠唱が成功して効果が発動するという仕組み。詠唱中にモンスターの攻撃を受けると,バーが減少し,詠唱の邪魔をされているという状態となる。攻撃を受けても,即座に中断にならない(中断は移動したときのみ)というわけだ。1回の攻撃を受けたときのバーの減少は結構多く,2体でぎりぎり詠唱可能,3体ではほぼ不可能となってしまうため,Casterの戦い方は,常に1on1となる。PriestなどはSleepの魔法を習得できるが,それは主にパーティを組んでいるとき用で,ソロをしているときは,SleepをCastするよりも逃げ出したほうがいいだろう。(Seal)

 次回は,さらに特徴的なクエストシステムとスキルについてを紹介する予定だ。お楽しみに!

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クラスごとに特徴のある戦いができるのが本作の特徴の一つだ

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