アクション 4Gamer.net Review
 
お手軽に楽しめる追いかけっこ系アクションゲーム
トレジャーストライク フルスウィング
Text by 三須隆弘
26th Aug. 2004


コンシューマからPCへ! 気軽に遊べるオンラインゲーム

各キャラは両手にアームズと呼ばれる武器を装備して戦う。アームズの名前と残弾は,画面の下,左右に表示されている

 「トレジャーストライク」は,4年前にドリームキャスト版として発売されたアクションゲーム。プレイヤーは両手にアームズと呼ばれる武器を装備し,さまざまな敵やトラップ,ライバルが待ち受ける秘境からトレジャー(宝物)を探し出す。インターネットを介したマルチプレイにも対応しており,自由度が高くシンプルなルールながら,トレジャーを合成させて新アームズを作るなど,遊び込み要素も強く,割と評判の良いゲームだったようだ。通信対戦サービスは月額300円と有料ながらも,去年の3月まで約3年間ほど継続されていた。ドリームキャストのネット対戦ゲームとしては,かなり息の長い作品だったことからも,その安定した人気っぷりがうかがえる。
 そんな,ドリームキャスト版からPCへの移植,というか続編のような作品が本作,「トレジャーストライク フルスウィング」だ。世界観やゲームシステムなど,基本的な部分はそのまま引き継ぎつつ,ドリームキャスト版で好評だったアクションパートに特化し,マルチプレイ用の作品として作られている。

 プレイヤーはまず,公式ホームページでパッケージに同梱されたシリアルナンバーからIDを登録。その後,キャラクター作成で髪や目,口,身長に体格といった外見を自分好みで設定し,ゲームをスタートする。最初はギルドにてチュートリアルミッションをこなし,キャラの操作やルールなどを覚えながらプレイしていく。
 本作は,キャラクターを斜め後方から見た三人称視点タイプのアクションゲームで,操作方法も至ってシンプル。基本的にはトレジャーを開けたり会話をしたりするアクションボタンと,ジャンプ,左右の攻撃ボタン,これと敵のロックオンボタンを覚えればいいだけ。キャラクターも日本人好みな4等身デザインで,ハードなPCゲームをしない人々,いわゆるライトユーザーにも取っつきやすいゲームといえよう。

まずはキャラメイキング。顔パーツ,肌の色,身長や体格などを設定。こんなの選ぶ人いるの,みたいな変パーツもあったり ミッションクリアにはいろいろなパターンがある。ここでは石碑に接近すると敵が出現。敵を全滅させて石碑を壊し,宝箱を出す ひときわ輝くターゲットトレジャー。持って帰ればミッションクリア。その人の勝ち。ただしこれを持つと動きが遅くなる
最初のマップ,カメルカメル島のボス。撃ってくる弾に当たると,痺れてしばらく動けなくなる。接近戦は危険だ ヒヨコ状態も,しばらく動けない。ボスに倒されるとアジトで復活。ボスの体力は減ったまま,再挑戦できる。時間内に倒せるか? ゲームを進めていくと,どんどんショップで売っているアームズの品揃えが増えていく。初期装備でマルチプレイ挑戦は,無謀!
集めたトレジャーを組み合わせて,新しいアームズを作る。これをアレコレ考えたり調べたりするのが楽しい アームズは,改造によりパワーアップも可能だ。マルチプレイには,強力なアームズを持った連中がゴロゴロいる! スプーンと銅のロートスを合成させて作ったアームズ! まるでフライパン。というかフライパン。しかも目玉焼き付き。弱い……


まずシングルプレイを遊び込まないと,

いきなりマルチはつらい?

ゲーム中に入手する石版には,トレジャー合成のネタから,ゲームテクニックまで,さまざまなヒントが書かれている。見逃すな

 いくらマルチプレイ用のゲームといっても,最初から対戦デビューはちょっとキツかったりする。初期装備の武器はかなり弱く,よっぽど運が良くない限り遊び込んでいるプレイヤーには勝てないからだ。実際,筆者もかなり早い段階で対戦モードに挑戦したのだが,最初に超幸運(お情け?)で一勝できたものの,その後すぐにボッコボコの連戦連敗。弱っちい状態ではまるで歯が立たない……と悟るハメに。
 というわけで,ある程度の武器を揃えてマップを覚えるまで,最初はシングルモードで遊び込むのがメインとなる。序盤のマップをクリアしつつ,トレジャーをしこたま集め,ギルドで交換できるものはじゃんじゃんポイントに換算。ハンターレベルを上げて新マップを遊べるようにしつつ,さらにトレージャー収集。集まったトレジャーを合成して,新アームズ(武器)を作ったり,お金を貯めて購入したり,強化したり。こういったRPGっぽい感じで進めつつ,ゲームに慣れていくわけだ。
 ゲーム中盤くらいから面白いと感じたのは,このトレジャーの合成だ。収集したトレジャーは,あるパターンで合成すると,新アームズが作成できる。レアなトレジャーを組み合わせると,高性能だったり面白い効果のアームズが出来たりする。
 アームズは剣のような接近専用のタイプ,飛び道具タイプ,罠を仕掛けるトラップタイプに分かれ,右手と左手に装備できる。飛び道具にしても,ただ砲弾を撃ち出すものから,ホーミングするミサイルや一直線に飛ぶビーム,ヒットすると敵が踊り出す音符弾など,かなりのバリエーションにのぼる。
 どういった組み合わせで何ができるかは,ゲーム中に入手する石版をヒントにするしかなく,これだけではどうしても分かりづらい。そこで最初はマルチプレイのチャットで熟練プレイヤーから教えてもらったり,ネットで調べたりして,手持ちのトレジャーから作れるアームズを探っていく。最初は自由度が高すぎるゆえ出来ることが多く,入手したトレジャーを売って金にすべきか,合成用に取っておくのがいいのか,ギルドでポイントにするべきか,訳が分からずアタフタしてしまったが,このあたりの取捨選択ができるようになると,俄然ゲームが面白くなってくる。
 シングルプレイである程度アームズが強化され,序盤ステージも一通りまわって,マップも分かってくれば,いよいよ対戦デビューだ。

 本作最大の特徴は,とにかく対戦でのゲームモードが豊富なことだ。ざっと上げてみると,モンスターをかいくぐりターゲットトレジャーを持ち帰る「トレジャーストライクモード」。モンスターを倒してターゲットトレジャーを探す「モンスターストライク」。制限時間内にトレジャーを多く集めた者が勝つ「トレジャーハントバトル」。ボスキャラを倒す「スーパーストライク」などなど……。コースを走ってゴールを目指す「ハンターレース」や,プレイヤー同士でひたすらバトルする「バトルロイヤル」なんかもある。
 対戦モードでは,まず街の酒場で募集したり検索するなどして,4人までのパーティを組む。その後,ギルドの受付でリーダーが各ゲームルールを設定して,みんなで対戦となる。もちろんプレイヤー同士の対戦だけでなく,協力し合ってトレジャーを探したり,ボスに挑んだりも可能だ。また酒場では,作戦会議と称してチャット部屋を作ったりもできる。とりあえず遊び場所とルールは豊富に用意しました,あとは好きに遊んでね,的な自由度の高さが,まさにマルチプレイに特化したゲームだなと感じた。

最初はギルドでターゲットトレジャーをポイント換算して,ハンターレベルを上げ,選べるマップを増やしていこう お店には服屋もあり,シャツ,パンツ,靴下に靴といろんなものが買える。キャラの性能は変わらないが,外見が大きく変化 メガネやサングラスといったアクセサリー類で自分らしさを演出。ゲームには直接関係ないけど,凝る人には嬉しい要素だ
町のヘアーサロンで髪型を変えると,最初のキャラ作成時には選べなかった髪型や帽子が選べる。カスタマイズ魂が燃える マルチプレイは,まず酒場でパーティを作ったり検索する。1パーティは最大4人まで。つまり一度に最大で4人対戦となる パーティを組んだら,ギルドでリーダーがミッション(ゲームルール)選択。その後,みんなでバトルとなる



ちょっと気になった点も,あるにはある

ロックオンしながら右か左にジャンプすると,横っ飛びして緊急回避アクション。マルチプレイでは,基本かつ重要なテクニック

 細かいことではあるが,気になる点も。例えば,最初のユーザー登録で一部フリーメールアドレスが使えなかったこと。筆者の場合,オンライン関係のゲームID管理は,とあるフリーメールアドレスで一括してやっているのだが,これが使えなかった。個人特定というためのセキュリティのためなのだろうが,ちょっと残念。また,登録したIDやパスワードは"今のところ"変更できず,ゲーム起動のたびに毎回メーカーから作成されたランダム文字列を入力しなければいけない。これがかなりめんどくさい。せめてゲームでパスワードを覚えておいてくれるか,自分でパスワードが設定できれば,めんどくささも半減するのに……とか。いやまぁほんと,細かいことなんですが。
 あとゲームのシステム面でいえば,カメラワークやロックオンが使いづらい気もする。ジャンプしながらだとカメラが下を向かないせいか遠距離の敵がロックオンされてしまうため,近距離の敵がうまく攻撃できなかったりする。このため,ジャンプが攻撃にあまり生かせず,移動と回避がメインになってしまう。パッドで遊ぶ場合,LとRでせっかく二つのロックオンボタンがあるのだから,このへんの切り替えがスムーズになればもっと快適に遊べるようになるのに,とか思ったり。まぁこのへんはドリームキャスト版で慣れた人だと逆に遊びづらくなっちゃうので,個人の好みでもあるのだが。
 オンライン専用ゲームなので,今後こういった面が改良されるパッチや,もっともっとレアなトレジャー,アームズが出るパッチなんかが出れば嬉しいところ。そういった融通の利く面が,ゲーム機とは違った,PCゲームの最大の利点でもあるんだし。

 結論としては,とりあえず「ボンバーマンオンライン」みたいに,肩肘張らずにライトにオンラインゲームを遊びたい人には,なかなかよろしいゲームかと思う。毎月のサーバー使用料もかからないし,遊び込み要素も充実してるし。筆者もそうだったのだが,本作が初プレイの人だと,ある程度ゲームを進めてトレジャーを集め,自分好みの武器,戦い方を見つけるまでは,イマイチなゲームだと思うかもしれない。が,この"自分探しの旅"を越えたあたりからが,本作の本領発揮といえよう。

レーダーをオフにすると,敵のレーダーに自分も映らなくなる。これでこっそり逃げることも。マルチプレイのテクニックの一つ ヒットすると,踊り出すアームズもある。しばらく楽しそうに踊る。踊りまくる。もちろん,踊ってる相手にも攻撃がガンガン当たる トラップ系のアームズは,地雷のように地面に設置されている。近づくと発動するので,効果範囲から急いで逃げよう
マルチプレイでは,画面の下に誰がどのくらいの体力で,何色のカギを持っているか表示されている。有利なキャラを狙え 敵に踊らされたあげく,トラップを踏んづけて頭上からピアノが落ちてきた。手持ちアームズのバリエーションで戦略も増える なんだか身長よりもでっかいミサイルが飛んできた! 速度が遅いのでなんとか回避。それにしても,いろんなアームズがある

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■メーカー:キッド
■問い合わせ先:キッド
■発売日:2004年7月29日
■価格:7140円(税込)
■動作環境:Windows 98/Me/2000/XP,PentiumIII/800MHz以上(Pentium4以上推奨),メモリ 128MB以上(256MB以上推奨),空きHDD容量 1GB以上,メモリ64MB以上搭載のビデオカード(GeForce3Ti or ATI RADEON 9000以上推奨),DirectX 9.0b以降,上り通信速度が64kbps以上の有線回線で,グローバルIP接続できる環境(上り1.5Mbps以上推奨)
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