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1800年代のアメリカを舞台に未開の土地を探検し,アメリカ横断鉄道を建設するという偉業に挑む。当時の歴史を再現したミッションが,プレイヤーを開拓時代に導いてくれる |
1800年代を舞台に,ニューヨークからカリフォルニアへ未開の地を開拓しながら鉄道網を広げ,"大陸横断鉄道"を建設するという偉業に挑戦する鉄道会社経営シム「レイルロード パイオニア」。かの名作「レイルロード・タイクーン」と同じJoWoodのタイトルということで同じゲーム性を想像してしまうが,レイルロード パイオニアには株売買や社債の発行,頭を悩ませるダイヤ管理といった敷居の高い要素がなく,ちょっと変わった鉄道会社経営シムといって良いだろう。
ゲームモードは,歴史を背景にした10のミッションをクリアしながらアメリカ大陸横断鉄道を建設していく"キャンペーンモード",アメリカのさまざまな州を舞台に5種類のミッションに挑む"シングルプレイヤーモード",インターネットやLANを通じて最大4人での対戦ができる"マルチプレイヤーモード"がある。
メインのキャンペーンモードでは,目標をクリアすると成果によりメダルが授与され,次のミッションに進める。ミッション目標は,"別の町と鉄道を接続しろ" "ライバル会社に通商戦争で勝て"などさまざまだ。また,ミッションの途中には副ミッション目標も発生する。これに挑戦するかどうかは自由だが,多くのメダルを獲得したければ達成させるべきだろう。一度クリアしたミッションは再挑戦可能で,バージョンアップさせた機関車を持ち込んで,より好条件で再挑戦すれば成果も上がるはずだ。
キャンペーンモードでは,ミッションクリア状況に応じてメダルが授与される。何度も挑戦してメダルを揃えたい | ミッションの副目標は必ずしもクリアする必要はないが,クリア時にメダルが欲しければ挑戦しておこう | ミッションをクリアすると,パワーアップさせた機関車を別のミッションに計8台まで持ち込むことができる |
画面周囲のアイコンをクリックすれば,さまざまな情報が表示される。列車の運行状況や開拓状況も把握しやすい | 列車視点で鉄道網を眺めるのも悪くない。博物館に飾ってあるような機関車が走り回り,歴史を感じさせてくれる | ミッションをクリアしていき,年代が進むと新しい機関車を開発できる。25種類の実在する機関車が登場する |
パイオニアと猟師の探検隊が,危険地帯に向けて移動中。猟師は"命と引き替え"に危険を取り除いてくれる |
探検者街で探検隊を結成できる(最大8人)。高い能力を持つ探検者ほど,高い報酬が必要になる | 線路の敷設は非常に簡単。表示される設定ウインドウに,線路を敷設できる方向や工事日数などが表示される | 列車編成などの設定画面では,どの駅で何を積み,どの駅で停車すると,どれだけ利益が得られるかが分かる |
鉄橋やトンネルも造れるが,莫大な費用が必要。未開拓の場所にもっと安く通せるところがあったかもしれない | 貨車により,値段も扱える商品も異なる。輸送する商品や流通量を見極めて発注しないと,無駄な出費となる | 信号機を設置すれば,同じ線路上に複数の列車を走らせても問題ない。すべて自動で運行してくれるので安心だ |
乗客の需要に合わせた乗客輸送メインの車両。長い編成はカッコ良いが機関車の最大積載量には注意 |
乗客を移動させて運賃を得る,商品売買により安く仕入れ高く売る,これが基本的な収入源だ。出発駅から終着駅まで一度の輸送を行う一般通商,同じルートを行き来させる恒久通商ルートがあり,駅で商品を仕入れて必要としている町で降ろすことで売買が成立する。必要のない商品を運んでも買い手が見つからず,赤字になってしまうわけだ。このへんの収支予想は前述した運行管理画面で把握できるので,実際に運行させるまで結果が分からないということはない。
町にある建設用地には,運ばれてきた材料により生産工場(計22種類)が建てられる。例えば材木を大量に運び込めば製材所が建ち,木材へと加工され,木材を別の町に運べば家具工場が建てられ,家具に加工される。こんな感じで流通を広げていくことで,町は発展し自ずと利益に繋がってくる。また商品の需要と供給が良くできており,流通量による価格の高騰,下落なども起こるため,町や資源産出地の状況を見ながら流通量を調整せねばならない。それほど難しくないが,奥の深い部分だ。
徐々に町が発展してくると,"客車3両分の乗客を●●の町まで運べ" "荷物を○○町まで届けろ"といった通商命令や特殊業務が入り(駅に緑色の$マークが表示される),どちらも配達予定時刻までに達成できれば割増料金などを得られるチャンスだ。恒久通商ルートの列車は使えないが,別に列車と貨車を用意しておけば,かなりの収入が得られる。また牛乳などの傷みやすい"特急品"は,一刻も早く目的地に届ける必要があり,最高速の出る機関車を走らせて素早く商品を届ければ特別割増料が得られる。商品に合わせた機関車と貨車の使い分けがポイントだ。
キャンペーンではライバル会社も登場し,ときにはライバルから駅を奪い取ることも必要だ。そのためにライバルの鉄道網に接続し,通商戦争を仕掛ける。通商戦争は,どちらの鉄道会社が町の信頼を得るかで勝敗が決まる。つまり,その町との取引量が多い会社に軍配が上がるわけだ。このときばかりはライバルに負けじと高性能の機関車を使い,町が求めている商品を大量に送り届ける必要がある。また流通を通して増えていく通商ポイントを利用し,役場をアップグレードすることで強盗団,工作員,賄賂を使った陰謀を企て,見えないところからライバル会社を攻撃することも可能だ。
冒険心をくすぐる開拓と鉄道運営をうまく融合した本作は,どういうルートなら儲かるかを模索する経営シムというより,先に何が待っているのかワクワクしながらプレイする,ゲーム感覚の強い作品。収支状況を細かくチェック……なんてことは一切しなくても楽しめる手軽さが良い。コテコテの経営シムを好む人には物足りないかも知れないが,この手のゲームの初心者でもすんなり入り込めるので,今まで敬遠していた人はぜひ挑戦してほしい。
町に表示される星マークはアップグレード可能を意味し,$マークは特殊業務が入ったことを意味する | 特殊業務をこなせば,短時間で大きな収益と列車をアップグレードするのに必要なボーナスポイントを得られる | 町の建物(施設)により,アップグレードできる内容は異なる。最大で4項目あり,どれを強化するか悩ませる |
1両ずつ管理されるため,劣化状況もそれぞれ異なる。一画面ですべての列車を管理できるのが非常に便利だ | 機関車ごとに走行距離や売上金に応じて性能を強化できる。古い機関車でも使い込めば使い勝手が上がるのだ | 流通可能な状態にしても取引がなければ荒廃してしまう。逆に取引が多ければ仕入値を下げてくれたりもする |
■メーカー名:メディアクエスト (C)2003 Kritzelkratz 3000 GmbH, Published by JoWooD Productions Software AG, Technologiepark 4a, 8786 Rottenmann, Austria. |