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4Gamer:
そういえば,その3月の発表時に,この武刀の天地も"より大きなプラン"の第一段階に過ぎないとお話しされてましたよね。これについて,そろそろ具体的に聞かせてもらえませんか?
カストロ氏:
一つ言えるのは,7年前にUOをリリースしたときに比べ,市場自体が大きくなっているということ。競合製品も増えてきたし,プレイヤー層も広がってきている。
そういう状況の中で,UOは,また次の7年間もずっとトップでいなければならない。より大きなプランのための第一歩といったのは,そういう意味だよ。今後もナンバー1であり続けるために,重要な一歩だ。今回β期間を長く取ったのもそのためだし,さっきも話したようにレッドウッドに来て人数を倍にしたのもそのためだ。
実際,UOはEAのオンラインゲームのフラグシップとなっているので,オンラインゲームに精通する人間達をこのプロジェクトに集めている。
4Gamer:
そういえば,「ウルティマX オデッセイ」(UltimaX:Odyssey)の開発中止の発表時に,「未発表のUO関連プロジェクトに開発資源と優れた才能を集中する」という話がありましたね。
カストロ氏:
ああ,その通りだ。UOはすでに市場で価値を実証されていて,我々は"成功のための方程式"を持っている状態だといえる。
最近新しいMMORPGは,サービスがすぐに終了されたり,あるいは開発途中で消えたりすることが多い。そういう状況の中で,すでに存在する良いものにリソースをつぎ込むべきだと我々は考えたんだ。
4Gamer:
7年も続けてこられたんですから,説得力がありますね。ところで,その未発表のプロジェクトについて教えてもらえませんか?
カストロ氏:
んー,あー,そうだね。……って,話しちゃったら「未発表」じゃなくなるじゃないか(笑)。

4Gamer:
残念。ではいつくらいに"発表"しますか?
カストロ氏:
我々は今,新しい拡張パックを出すところだから,その前はないね。本当はすぐにでも話したいんだけどね(笑)。
4Gamer:
武刀の天地は,アメリカと日本で同時に11月3日発売。ということは,2004年中の発表は微妙というところでしょうか?
カストロ氏:
そうだね,おそらく2005年になるだろう。
4Gamer:
せめて,「もしそのプロジェクトの内容を聞いたら,私はどう感じるか」ということを聞かせてもらえませんか?
カストロ氏:
我々が期待しているのは,「正しい」と評価されること,納得されることだ。我々はオンラインゲームに対して正しいことをやっていると思っているので,きっとプレイヤー達も「これは正しいことだな」と納得してくれるものになるだろう。
4Gamer:
これまで「Ultima Worlds Online:ORIGIN」「ウルティマX オデッセイ」と二つのウルティマの名を冠したオンラインゲームが開発中止になってきたわけですが,そんなドタバタの中でも,UOだけは着実に進化してきました。それが今後も続くと考えて良いわけですね。
カストロ氏:
例えばプレイヤーの立場になって考えてみると,「我々が開発中の次のゲームではこんなことができますよ」というのより,「あなたが今プレイしているゲームには,こんな未来がありますよ」というほうが,嬉しいに決まっている。
4Gamer:
なるほど,確かにその通りですね。
カストロ氏:
例えば僕が市長だとするよね。自分の市を良くするために,新しい市を作って,みんなをそこに引っ越しさせる……という手段は,現実的ではない。例えどれほど素晴らしい市だとしても,市民はそこへ移るために,いろんなものを失ってしまうからだ。
さっきも話したように,「追加はするけど,取り上げることはしない」というのが僕のポリシー。だから,例え新しい市を作るほうが楽だとしても,僕は今みんなが住んでいる市をキープしながら,さらに追加という方向で良くしていきたい。
4Gamer:
非常に分かりやすい例えですね。確かに市民/プレイヤーにとっては,今いる場所が良くなるほうが,嬉しいですから。じゃあこれまで7年続いてきたわけですが,今後の7年,10年も安心して住み続けられると考えていいですか?
カストロ氏:
うん,もちろんだ。
ただいずれ,まったく新しい要素が必要にはなってくると思う。それについては,アナウンスできるときまで待ってほしい。そしてそれは,当然ほかのゲームにあるようなものではない,まったく新しいものになるはずだ。つまり,単なるクエストの追加などではないだろう。我々がやるからには,ほかにないものじゃないとね。
4Gamer:
ここまで聞いた話は,そのままウルティマX オデッセイが開発中止になった理由そのものといえそうですね。
カストロ氏:
確かに今の話は,開発中止の理由の一つだ。まったく新しいゲームだったし,それよりは今すでに人気のあるUOに力を入れるべきだと判断した。
4Gamer:
ウルティマX オデッセイから何か引き継がれるものはありますか?
カストロ氏:
開発者だね(笑)。まぁあっちはエンジンがUnrealだからテクノロジ的にはほとんど使えないだろうけど,1個か2個,3個くらいならあるかな。アートスタイルも全然違うしね。
4Gamer:
インタフェースなどで面白いアイデアもありましたよね。アイテムをチャットウインドウにドラッグ&ドロップすると,みたいな。そういうものは流用できますよね。
カストロ氏:
そういった良いアイデアは,ハイレベルのデザインで持ってくることはあるだろう。ただたいていのアイデアは,現時点ではすでにほかのゲームでも見られるから,いろんなゲームを参考にしたうえで検討するよ。
UO自体を,競合との競争に耐えうるものにするために,こういったことは大事だからね。

4Gamer:
それでは最後に,お二人から読者に向けて,ひと言ずつコメントをお願いします。
ルクラフト氏:
ニンニン。

4Gamer:
ルクラフトさんは侍好きなのに,それじゃ忍者ハッ○リ君じゃないですか!
正田氏:
彼は忍者でもあるんですよ(笑)。詳細は,武刀の天地の公式サイトにあるショートフィルム「こちら」をご覧ください。
4Gamer:
どんなムービーなんだろう(笑),あとで確認しますね。それではカストロさんもお願いします。
カストロ氏:
まずは,これまでプレイしてくれた人達に感謝します。ぜひ,武刀の天地も楽しんでください。また武刀の天地は,新しい人にも楽しんでほしい。
侍に対して,背後から襲いかかるような卑怯なことはしないでくださいね。
4Gamer:
分かりました。長い時間,ありがとうございました。
残念ながら「未発表のUO関連のプロジェクト」について具体的な話は聞けなかったが,UOという人気シリーズが,まだまだ長期に渡って続けられることだけはハッキリと分かった。
UOというゲームは不思議で,一時的に離れるプレイヤーがいても,いずれ,また戻ってくるという。おそらくはこの日本をテーマにした新拡張パックで,多くの元プレイヤーが復帰することだろう。そしてこの流れは,まだ当分続きそうだ。
→「ウルティマ オンライン」の記事一覧は,「こちら」
→「ウルティマ オンライン 武刀の天地」の記事一覧は,「こちら」
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