■三国志英雄伝のゲームシステム

4G
 ゲームシステムについてお聞きしたいのですが。

  前田
 「三国志英雄伝」は,マップは拠点と拠点が街道で結ばれている"ポイント・トゥ・ポイントシステム"で,1年は春夏秋冬で構成。各季節ごとに「更新」「軍備」「政治」「戦略」といった四つのフェーズがあります……。

4G
 ちょっと待ってください。今の話だと「天下統一」とほとんど変らないのでは? まさか「天下統一」を"三国志風にアレンジ"しただけではないですよね?

  前田
 確かにゲームシステムを聞くと,「天下統一」と同じ? と思われる人も多いでしょう。しかし「三国志英雄伝」と「天下統一」は似て非なるゲームなんです。もちろんプログラムもちゃんと別物ですよ。では具体的に紹介しましょう。
 まずは行軍システムから。「天下統一」では,1ターンでAという拠点からBという拠点(or 戦場)へと一つの区間を移動するだけでした。ところが,ところが,三国志英雄伝では,AからBを通ってCの戦場へ……へといった長距離の行軍が可能になっています。もちろん,こうした行軍をすると疲労度が上がってしまうので,思ったように実力を発揮できないかもしれません。

4G
 長距離の行軍を取り入れたことで,ゲームはどう面白くなりますか?

  前田
 長距離の行軍とあわせて,複数の拠点からの出撃も可能にしました。ということは包囲網などが作りやすくなったり,プレイヤーしだいでは,より大局的な軍事展開が可能になったといえるでしょう。もちろん逆もまたしかりで,CPU側に苦戦させられるかもしれませんね。

4G
 複数の拠点からの出撃などによって,包囲網など,より幅の広い軍事行動が可能になったということですね。でも,それだったら一つの拠点に大兵力を集結させて,一度に出陣させてしまえば結果的に同じことでは?

 

前田
 今回,一箇所の拠点からの大兵力の出陣は難しくなっています。というのは,この条件を見てもらえばお分かりいただけるでしょう(といって資料を見せてくれた)。

1.拠点に駐留できる最大の武将数は28名まで
2.出撃時には拠点に備蓄している兵糧の半分を持っていくので,大兵力は豊かな拠点からしか出撃できない。
3.拠点数186に対して登場する武将が300人(個別に登場時期が設定されている)であることから,兵の一局集中は防衛面で不利

 このようなことから,兵力や武将は各地に分散する形になると思います。

4G
 ……確かに一局集中しにくいですね。どうやって各地に効率良く武将や軍団を配置するかで悩みそうですねぇ。先ほど軍団の話が出てきましたが,軍団を構成する兵科にはどんなものがありますか?

 

前田
 兵科は「歩兵」「騎馬兵」「弓兵」の3種があります。徴兵コマンドで集めることになりますが,土地の特性に応じて集まり方が変化します。当時の資料を基に,北方では騎馬兵が集めやすいといった,地域色がゲームに反映されます。もちろん兵科の変更も出来るようにはしますが,歩兵1に対して騎馬兵1というわけにはいかず,このあたりのバランスは現在調整中です。

4G
 南船北馬ですね。南では船や水軍を鍛えられるようなこともあるのでしょうか? 三国志でおなじみの連環の計などは水軍をテーマとした有名な話ですが,そうしたことは?

 

前田
 残念ながらユニットとして水軍は登場しませんね。移動手段としてイメージ的に登場するくらいでしょう。


 

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