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---- 韓国や台湾では体験サーバー(無料期間の拡大版のようなもの)があるようですが,国内での設置はお考えでしょうか?
澤氏:
新規ユーザー向けに何らかの形で実装できればと思っています。専用クライアントを用意するのか,または専用のサーバーを用意するのか,まったく未定ではありますが,今後検討していきます。何とも言えないところですね。
---- 最近は安定してきたものの,先月(2004年10月)は相場が著しく高騰していました(2サーバー)。インフレーションに対していかがお考えでしょうか?
澤氏:
確実にインフレって起こりえると思うんです。NPCにアイテムを売ることでセゲルが発生しますが,NPCの財産が無尽蔵にあるうちは,バイルがアイテムを無尽蔵にドロップする。つまり,流通量は増える一方です。
そこで重要になってくるのは"システム的"にプレイヤーにセゲルを消費させられるか。日本では公式サイトでセゲルオークションを実施していますが,あれもセゲル回収策の一つです。とはいえ,副次的な要素でしかなくて,回収効果はそれほど高くありません。どちらかというと,ドロップしにくいアイテムなどをお楽しみプレゼント的な形でプレイヤーに公開しています。
またルビーの店売りに関しても考えてまして,先日公式サイトで価格に対してアンケートを行ったばかりです。極端に安値というわけではなく,相場程度で売り始め,適正価格になり次第,値段を下げるまたは一度店売りを中止するなど,案は出ています。まぁ"神の見えざる手"があるんですけどね……。
---- 最近の物価が下げ止まったことに関してはいかがでしょう?
澤氏:
物価の安定化に関しましては,三つ原因が考えられるかと思います。まず一つめは,ある程度宝石類を高値で売っていた人への富の集約が済んでしまったという点。高額所得者で,使い道がないため銀行機能内にセゲルを死蔵させてているようなプレイヤーも実際います。
もう一つは,高値で出店する人を納得させるに足る理由だったのかは分かりませんが,「セゲルを量産していたチート行為者が大量にアカウント停止された」「安くしないと売れなくなった」という噂が流れ,露店主は高値を付けるのをやめたことに伴い徐々に安くなってきたと思われます。なお,実際に数名の不正行為者にはアカウント停止の処置を施しました。
また公式サイトで行っているセゲルdeオークションに大量にセゲルを移すユーザーが顕著な傾向になってきたとも考えられます。なかなか入手できないアイテムは,オークションで得たいのでしょう。
---- 今後も12次武器などが追加されていきますが,要求レベル/ドロップ率などから察するに,ごく一部の高レベルプレイヤーしか装備できないと思います。確かに努力を重ねてレベルを上げた人に,それ相応の見返りがあって然るべきだとは思いますが,平均レベルに合わせて,装備アイテムのバリエーションを豊かにするほうがより多くのプレイヤーが楽しめると思うのですが,そのような意向はあるのでしょうか?
澤氏:
これに関しては私が直接要望を入れました。日本ではアイテム案の募集を2回行っていますが,毎回耳にするのがバイルが持っている武器を実装して欲しいという意見です。例えばニクシが持っている鎌ですとか,いわゆる趣味装備ではあるものの,レベル60以降,明らかに装備のバリエーションが欠け/中だるみができる空間に導入したいと考えております。実際に韓国サイドからおおむね同意はもらっていまして,現在具体的なアイテムのリストアップですとかスケジューリングが行われています。実装は12次アイテムが実装された後になるとは思いますが,現実的な話だと思ってもらってよいかと思います。
---- 同じ装備を長期間使用する期間が長くありますしね。では高レベル武器の話に関連して高レベル向けマップについてお伺いしようと思います。
最近どうも高レベルプレイヤーによる,格下バイルを対象とした狩りが当然になっていて,その場所に生息するバイルを狩るのに適したレベルのプレイヤーはというと場所を変えざるを得ない,といったことが多々見受けられます。これは一概に高レベルプレイヤーがアイテム目当てというだけで格下相手に戦っているのではなく,ある程度レベルが上にいくとバイルが強くなりすぎて,まともに戦えないのではないかと思っております。そういった点も踏まえて,単純ではありますがボリュームゾーン向けのマップが増えれば多少は緩和できると思うのですが。
澤氏:
緩和されると思います。今,私がKESPIとしてシールオンラインの日本サービスを行っていて,アップデートを行うたびにつまづくのが,(日本と韓国の)プレイスタイルというか文化の違いなんですよね。韓国はキャラクターを育てることを皆さんモットーとして遊んでますから,高レベルキャラクターを対象にしたマップの開発ばかりが一方的に進んでしまうと,日本のプレイヤーは到底楽しめないものになってしまいます。毎回分かってはいるものの,高レベル向けマップを実装するのはジレンマを感じます。結果的に,とにかく上位マップが追加され続けていくだけなんですよね……。
---- 現在ワールドの北半球のみしか実装されていませんが,全体で見ると南半球もマップに含まれるのですよね? この南半球が高レベル向けのみではなく,多くのプレイヤーが楽しめる空間となることはないのでしょうか。
澤氏:
もちろん南半球も存在しますが,ボリュームゾーン向けのマップが追加されるかどうかはまだ不透明なところです。韓国ではまたしても上位向けフィールドではありますが,テストサーバーにレッドソイルが追加されていますね。その後も順次マップは追加されていくとのことですが,詳細は未定です。
ちなみにセビス(南半球の村)ですとか,南半球を含む全体マップの設定イラストは当初からできていて,ファンブックにも掲載する予定です。
---- レッドソイルについて,簡単に説明していただけませんか?
澤氏:
レッドソイルは,エリム南に実装される南半球の初フィールドとなります。登場するバイルは(名前は仮称),セルバンガン,セルバンアニキ,ラビトータス,キャノントータス,ハーピー,スフィンキー,指ゴーレム,サンドラといったもので,12次武器や11次装備をドロップします。
ちなみに韓国では今週アップデートされる予定です。ちなみに韓国ではここ最近の大型アップデートを境に,「シールオンライン リロード」とタイトルが改名されています。これは10月,11月,12月とアップデートが続いて,シールオンラインが変貌を遂げる時期ということで付けられた名前のようです。日本についてはリロードという名を採用するかは未定ですが,おそらく何らかの改名か副題をつけるなどするつもりです。
---- 日本での実装はいつ頃をお考えでしょうか?
澤氏:
これも12月21日になりますね。
---- シールプレイヤーは忙しい年末を送ることになりそうですね。
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| ラビトータス |
指ゴーレム |
澤氏:
高レベル向けキャラクターの話が続きましたが,2次職についてもやはり案は存在します。シールオンラインはレベル性を採用しているので,ある程度レベルを上げることで転職できるようになります。ただ,それが100レベルなのか150レベルなのか,はたまた200なのか,現状では分かりません。もし200なのであれば,日本のプレイヤーは誰一人転職できませんよね。かといって低すぎると韓国プレイヤーからはクレームが入るでしょうし……難しいですね。そういった面も,今後協議を進めて行きたいと思います。
---- ちなみに2次職の実装の目処は?
澤氏:
リロードが始まって,近いうちに導入される案もあるようですが……。正直まだまだ確定できる段階ではありません。
---- 今後を楽しみにしておきます。ところで「聖剣と魔剣クエスト2」が追加されましたが,まだ"一部"のみが実装された状態なんですよね? 今後のアップデート予定など分かる範囲で教えてください。
澤氏:
現在は一部のみ実装しています。今後に関しましては順次追加とのことですが,韓国ではレッドソイルが導入されるということはそれに絡んだクエストがあるはずなので,フィールド実装と同時に続編が追加される可能性もありますね。
---- ということは……12月21日にレッドソイルが実装される予定ですが,そのときに追加される可能性も十分にあるということですね。
澤氏:
まぁその可能性もあります。断定はできませんが,"多分"入るでしょう(笑)。ローカライズ作業という観点で見れば遅れることはまずあり得ないので,後は韓国側でのバグですとかバランス調整ですね。
---- ずばり3サーバーはいつ登場するのでしょうか。
澤氏:
設置の準備ハードウェア的な構成はすべて終えておりまして,実装はアップデート実施と併せて,つまり12月21日となりますね。
---- パッケージ版と同時に実装するわけではないんですね。
澤氏:
そうですね。12月下旬頃にはパッケージ版も流通している頃だと思うので,新規の方も3サーバーで遊べると思います。
---- 大幅アップデートまでにプロモーションやイベントを実施するとおっしゃっていましたが,具体的に何か挙がっているのでしょうか。それも含めて,今後の同作の将来的なプランなど,可能な限り具体的に教えてください。
澤氏:
すでに発表していますが,12月10日にはパッケージ版および年内にファンブックを発売します。まだまだシールオンラインは知名度は低いと思っていますので,一般の場にどう露出していくか,今後の課題ですね。パッケージ版にしても製造コストや流通コストから収益を考えると正直痛いんですけど,店頭に並ぶことでプロモーション効果は十分得られます。シールキューブにしてもそうですけど,そういった関連商品の充実を今後も続けていきます。
キャンペーンやイベントに関してまして,「シールオンライン プレイ日記blogコンテスト」「公認ネットカフェ アイテムプレゼントキャンペーン」「福袋イベント」などを開始します(注:現在はすべて実施中)。また12月末をもって,シールオンラインはβテストより開始一周年を迎えますので,ゲーム内イベントとゲーム外キャンペーン(メール応募)の両方で企画を進めています。パッケージ版,そのほかのプロモーションで新規ユーザーの増加を見込んでいますし,ちょうど大幅アップデートが行われるタイミングですので,より多くの人が参加できるものにしたいと思います。
---- ほかに用意されているものはあるのでしょうか?
澤氏:
まだいくつか情報を出せないものもありますが,目玉としてはモバイル版があります。元々モバイル版の企画に着手したのは2004年の春なのですが,当初はNTTドコモのFOMA900iシリーズが出たばかりで,ターゲットはムーバ505iにせざるを得ない状況でした。当然通信速度や料金といった問題でつまづいていたのですが,夏に差し掛かったあたりでFOMAが増え,パケットの問題などをクリアするパケットパックまで登場したので,一度企画の練り直しを行ったんです。当初の予定のまま開発を進めていれば,おそらく秋口にはシールモバイルが発表されていたでしょうね。
「シールモバイル」のゲーム性としては,完全3Dこそ実現できませんでしたが,スキルを用いてピヨや豆たんといった可愛らしいバイルと戦ったり,ショートクエストを進めていく形になります。またいくつかモードを搭載しようと考えておりまして,ストーリー重視モードだったり,コンボだけを楽しめるモードなどを考案しつつ開発を進めています。
---- モバイル版というとPC版との連動が気になるところですが,なにか案はありますか?
澤氏:
そこもまたネックになっていて,実はキャリアの公式メニューに入るとそこのサーバー外とのやり取りが難しくなるんですよ。ですので,現状では全自動の連動,例えばたまごっちのように携帯でペットを育てたらPCに転送できるといった要素はもう少し先の段階になりそうです。そのほかにも,携帯で露店の状況が確認できるなどアイデアはいくらでも閃くんですが,上記の問題を踏まえるとなかなか実現できないんですよね。
そこで当初考えていたのは,モバイル版のミニゲームのランキングで1位になった人は,PC版でアイテムがもらえるなどのプレゼント企画です。連動させるときは個人情報が問題視されがちですが,PC版のシールオンラインIDをモバイル版でも流用すれば個人情報の遣り取りをする必要もないので具現化される可能性も高いでしょう。
---- ほかに何か新しい動きはありますか?
澤氏:
フィギュアを作りたくて,実際に何社か当たってみたんですが,空前のフィギュアブームでどこの製作会社の原型師も手が空いていないんですよ。装備品着せ替えにしたりと,面白いと思いません?
---- キャラクターが個性的で可愛らしいですし,売れそうですね。日本で作れないなら韓国で作ってみてはいかがでしょう?
澤氏:
そうですね。ただ韓国で作ると現地のイラストレーターが描いた絵を元にすると思うので,バタ臭くなっちゃいそうなイメージがありまして……。日本人好みのアニメ的センスを含めたものにしたいので,日本でハンドリングしたいんですよ。これも一種のマーケティング活動ですね。自分がそのへんのマニアなので立体化されるまでのプロセスは妥協したくないんですよ(笑)。
---- コミケでスカウトしてきてはどうでしょう?
澤氏:
それもいいかもしれませんね(笑)。もっとシールオンラインを世に広めて,「シールのだったら作りますよ!」となってほしいですね。
フィギュアに絡んでじゃないんですが,シールオンラインに登場するNPCやペットのグラフィックスって,どこかバタ臭いので,日本独自のものに変えようと思っているんですよ。すでに開発元からは承諾済みですが,一度絵を変え始めるとすべてその絵で統一したくなるじゃないですか。ところが韓国では人物によって書き手が異なっているのが現状で,やはり文化の違いといいますか,レベル上げこそが本質のようです。
まぁ,実現するための段取りは今後の話になりますが。
---- ちなみに日本で絵を描ける人はどのくらいいるんでしょうか?
澤氏:
日本の場合,通常はみっき〜さんにお願いしていますが,パッケージ版は別の方に描いていただきました。というのも,これだけアニメや漫画の趣味が多様になってくると,取っ掛かりに目にするイラストなどはいろいろあった方がいいと思うんですよ。シールユーザーになっていただいた後は,公式の漫画やファンブックなど,みっき〜さんの絵を楽しんでいただきたいと思います。(取っ掛かりは)いろんな人に参加していただくほうが,コラボレーション的なイメージが広がって面白いかなぁと。
---- 今後の展望や,ユーザーへ向けてお願いします。
澤氏:
アップデートを実施するたびに大きなバグを経験していますので,今回の年末の大幅アップデートに向けてはバランス調整といった前向きな面でも,バグ潰しといったケアの部分でも慎重に進めています。そのため,後一か月程度時間がかかりますが,クオリティを磨いて提供しますので,ぜひともお待ちくださいますようお願いします。
また,シールオンラインの規模はまだ小さいですが,ユーザーの皆様のおかげで地盤も固まりつつあります。パッケージ,攻略本,コミックといった周辺の環境も揃ってきましたので,今後も引き続きゲーム内のみならず外にも注力して,あらゆる場でシールオンラインを見かけるようにしていきたいと思います。
先ほども話に出たように,シールオンラインはオープンβ開始からおおよそ一周年を迎えます。βテスト時代にあれだけバグやチート類を開発元にうるさく頻繁に報告していなかったら,韓国ではそこまで対処できていなかったでしょう。うるさいと思われているかもしれませんが,"クオリティの支え"として,日本チームの自負しているところでもあります。今後も我々の良い面を最大限発揮して,ユーザー様が快適にプレイできるように努力していきますので,今後ともよろしくお願いします。
---- ありがとうございました。
僅かな時間だったとはいえ,「シールオンライン」に対して熱く,深く語ってくれた澤氏。プレイヤーと距離を置いているとはいえ,自身でコミュニティのチェックやゲーム内でのプレイヤーの動向などは欠かさずに行っているのが質問の答えから垣間見れた。
また全体を通して分かったのが,シールオンラインは間違いなく革命期に突入したという点。先でも述べたように,韓国版は「シールオンライン リロード」と変貌を遂げ,日本も正式名称は未定ではあるが改名するという。これが象徴だろう。
一般プレイヤーの懸念どころであるバグやバランス調整に関しても,今後はアップデートの手法を韓国の暫定フィックス版が登場するまである程度導入を"待つ"とのことなので,これまでのように頻繁に不具合が発生することは減ると思われる。これに伴って全体的にアップデートの時期は遅れるかもしれないが,そこは"早さより質"と判断できる。
ともあれ,今冬要注目の本作。既存プレイヤーは元より,一時離れていたプレイヤーも遊んでみる価値は大いにあるだろう。
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