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forGamer.netイギリス紀行:独占インタビューシリーズ<3>
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個性が与えられた100万人のキャラクター
「広場にひしめき合うように集まってくる民衆を見れば,プレイヤーは絶対に感動するはずですよ」
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| 街にはさまざまな人が行き交い,それぞれの生活習慣に合わせて行動している。100万人もの人間がいれば,1度見かけた人物に再会する機会もそうないだろう。1人のキャラクターを追い回してみても,それだけで楽しめるゲームになっているのかもしれない |
4GN:
パワーアクションなりによって民衆に与えた"影響力"は,どうやって確かめることができるんですか?
ハサビス:
どれだけノヴィストラーナの国民がサポートしているかというのは,パイチャートでほかのリーダー達への支持率と併せて見られるようになっています。パワーアクションは,種類によってどの程度の影響力を与えることができるかという度合いは異なっていて,暴動ならダイレクトに大きな作用をもたらしますし,もっと間接的にジワジワと支持率を伸ばしていくようなものもあります。
4GN:
個々のアクションは,担当するキャラクターのスキルを考慮してコマンドするのですよね。
ハサビス:
そうです。キャラクターたちは,それぞれ四つのアトリビュートを持っています。それらは,知能,カリスマ,疲労度,そして力量(パワー)です。パワーというのは,個人の名声とか威信のようなものを指しています。それから,各キャラクターは特定のスキルを保有していますから,それらを考慮してリクルートしたり,アクションを担当させることになります。
4GN:
部下となるキャラクターは1000人まででしたよね?
ハサビス:
はい。各都市に20人くらい,つまり50都市で最大1000人を雇用できます。これらの人員は,プレイヤーを中心にしてネットワークのように人と人が繋がっていき,大きな活動も共同でできるような組織へと成長していきます。これを専用にマネージメントするためのインタフェースもあるのです。
4GN:
ウワサでは"ファイトクラブ"が結成できると聞いたのですけど(笑)。
ハサビス:
Republicのアクションの一つに「Form Fight Club」というものがあるのは事実です。インスピレーションは,紛れもなくあの映画から来ているんですけどね(笑)。活動内容も,映画に即して「殴り合うことで人生の意義を確かめる」というモノで,カリスマ性のあるキャラクターを首領にしてファイトクラブを結成することで,労働階級に序々に影響力を及ぼしていくことができます。もっとも,ただ殴り合っているだけではゲームでも「面白い」で終わってしまうので,暴動のパワーアクションを発生させるときには,日々の訓練の成果を発揮してくれるでしょうね(笑)。
4GN:
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| 「言うコトを聞かないヤツは,こうやって凝らしめてやる!」と頭をグリグリ。これで言うことを聞くようになるかは,部下であるギャングキャラクターの力量とプレイヤーの人気度次第。ちょっとしたお遊びを散りばめることで堅いテーマのゲームのソフトにしている |
(笑)。実際のところ,ひとり一人のキャラクターは,どこまでシミュレートされているのでしょう?
ハサビス:
先ほど説明したアトリビュートのほかにも,それぞれのキャラクターには嗜好が設定されていて,お気に入りの店で買い物をしていたり,平日は子供を学校に送っていく父親がいたり,昼になると必ずカフェでお茶したりする婦人を見かけることでしょう。また各キャラクターには,サポートしている政治結社と,その組織への忠誠度もありますし,現在の政策に関する不平や高感度などのコメントもついてくるようになっています。
さらにそれぞれのキャラクターは,一定の顔グラフィックスのセットを自在にモーフィングできるシステムを開発しているので,無限に個別の人物が生成できるのです。キャラクターの能力や政策へのコメントを始めとする一切の情報は,対象のオブジェクトを左クリックするだけで引き出せるようになっています。なんたって,それぞれのキャラクターには名前まで付いていますしね。
4GN:
100万人分! 凄いですね。
ハサビス:
Republicのグラフィックスエンジンは,これらのキャラクターを1度に15万人まで表示できます。街は大小合わせて50ありますから,一番の大都市で15万人程度ということになるでしょうか。ゲームの終盤,大観衆の前でスピーチするような機会もあると思いますが,その時間に合わせて広場にひしめき合うように集まってくる民衆を見れば,プレイヤーは絶対に感動するはずですよ。ローマ法王みたいに,人々が自分の話を聞くために集まっているんですから。
4GN:
キャラクターには,経験値のようなものはありますか?
ハサビス:
経験値ではないですが,スキルをこなすことで能力が向上するようなRPG的な要素はあります。名前にしたってそうですし,部下にしても,使えば使うほど愛着も沸いてくるかもしれませんね。
簡単な操作にまとめあげられた複雑なパワーゲーム
「ストーリーは,イベントを通して一つの"歴史"として完成されていくことになります」
4GN:
以前のバージョンでは,全世界を見渡せるカメラ視点から道端の花までズームさせたりと,かなり自由度の高い操作体系だったように記憶していますが。
ハサビス:
カメラコントロールに関しての最終的な結論はまだ出していないのですけれど,現在のところはE3でもお見せしたように,エンジンの性能を生かしてプレイヤーの好きなところに好きなアングルで行けるようになっています。でもまぁゲームとして見ればコントロールシステムが複雑になってしまってはいけないので,いろいろ試してみてはいるんですけどね。
現行バージョンではQuake型のコントロールになってますが,この形式がRepublicのようなゲームに理想的であるとは思えません。我々の計画では,オーバーヘッドや鳥瞰視点などいくつかのカメラモードをあらかじめ設定しておいて,対象への距離と角度はロックできるシステムにする予定です。それで,後はプレイヤーが方向キーで移動すればいいだけになりますからね。一番近いところでは,0.5mくらいまで寄れるくらいになるでしょう。
4GN:
広大な世界で1000人という部下キャラクターのアクションを追っていくのは大変なことだと思うんですが,そのあたりの工夫は?
ハサビス:
アクションコマンドを与えたキャラクターは個別のカメラでフォローできるようになっているので,心配はありませんよ。これらのカメラ画面はインタフェース上に小さく表示されていて,クリックすることで瞬時に飛んでいけるようになっているので,それぞれのアクションの進行状況も簡単に把握できるはずです。
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| 同じシーンを,別々の時間帯に撮影したデモ写真。雲の形状も異なっているため,実際に流れていたりするのだろう。この写真ではわかりにくいが,夜になれば北斗七星だって拝めるのだ |
4GN:
Republicには時間の流れという概念も備わっていますね。
ハサビス:
はい。昼から夜へと時間が移り変わっていきますし,夜になると人々が寝静まり,マフィアのような地下組織は行動を取りやすくなります。ファイトクラブだって,夜な夜なうらぶれた倉庫の隅っこで殴り合っていたりするのも確認できるでしょう(笑)。
また,大きな歴史の流れも表現したくて,恐慌によって経済活動に異変が起こるというような時事イベントも発生するようになっているんですよ。ほかにも,マフィアの活動が頻繁に行なわれると,国会に召集された軍部による地下組織の排除活動などが行なわれる可能性もあります。
4GN:
その流れがストーリーになっていく,と。
ハサビス:
そうですね。Republicでは,ストーリーはこれらのイベントを通して一つの"歴史"として完成されていくことになります。イベントは,例えば恐慌はビジネスマン系プレイヤーにはマイナス影響となりますし,ローマ法王の来訪では宗教活動家系のプレイヤーに有利に働くことになります。そうやって,数々のイベントが積み重なっていくのです。
4GN:
あれ? マルチプレイヤーモードは,なくなるということだったんじゃないですか?
ハサビス:
ゲームの出発点はシングルプレイヤーゲームですが,プレイヤーが政治力を駆使して戦いあうというのも面白いはずですから,対戦モードはサポートします。組織と組織が協力し合ってほかの勢力と抗争するというような協力プレイも考えてはいますが,こちらはパッチなどでゲームのリリース後に配布されることになるでしょう。
4GN:
Republicのように斬新なゲームが出てきた場合,多くのプレイヤーが戸惑いを感じたりということが起こることもありますよね。
ハサビス:
それが起こらないようにしないとね。Republicも,チュートリアル(ゲームプレイや操作の説明)をゲーム自体に組み込む形で展開していきますし,それぞれのプレイヤークラスに従って,プレイヤーの右腕となるアドバイザーが登場することになります。
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