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Text by 真木孝一郎 2/2 ●除去スペル一方,カオットの除去スペルは豊富だ。有力なものを抜粋してみよう。
まず体験版には飛行が存在しないので,アースクエイクの廉価版となってしまう《スーパーノヴァ》を考慮から外す。《ライトニングストーム》が効果を発揮するのは低タフネスのクリーチャーが早期に大量出現するデッキに対して。しかし環境的には,2エーテル域以下で大量にクリーチャーが発生するのはヴィタルの"ダニ"のみ。仮にダニを相手にした場合,数が増えると3点程度ではまったく死なないわけで,選択肢としては微妙。同様に,タフネスが増え続ける"ダニ ”や,素の状態でタフネスが高い"壁"に対して《アースクイエク》だけで対抗するのは効率が悪い(というか除去できないに等しい)。ならば,《アナイアレイション》との併用が理想か。増えすぎた"ダニ"には生半可な火力では追いつかないので,いわば"強制リセット"だ。 ●再度ダメージソースさて除去スペルは固まった。改めてダメージソースについて考えよう。除去スペルに《アナイアレイション》を使用する点を考えると,自分自身にもダメージが及ぶ《バーニング グレイブ》は痛さ倍増である。では《エーテルバーン》を仮採用とし,サポートスペルを考えてみよう。《アナイアレイション》での自爆ダメージ,《アースクエイク》のエーテル喰いを考えると,デッキバランス上,ライフサポートもしくはエーテルサポートカードが望ましい。
《エーテルバーン》《アースクエイク》との相性を考え,《エーテルブリーズ》を採用。これは,自分に必要なXエーテルを整えると同時に,《エーテルバーン》の効果を高める二つの効果を狙ったものだ。また,不測の事態に対応するために《ホワーリングアッシュ》でエンチャント対策も施しておきたい。 ■その他の項目ようやくスペルが決まった……。では,これを生かすほかの設定について考えてみよう。・スキル
・特殊能力
いずれもなかなかに捨てがたい能力である。が,ここは"ダニ"に対して最も効果が期待できる《岩石の復讐》を選択しよう。《ダニ》をブロックし,少しでも相手のパワーを下げておきたい。同時に,スキルでは特殊能力の発動確率を上げる《幸運》を選択する。 ・アーティファクト 今回のデッキタイプ的には,必要度の高いものが存在しない。今回はパスしてポイントをライフへと回すことにする。
■ついに完成ついにデッキが完成した。まったく殴ることなく絡め手で勝つという,およそサンプルらしくない,いわゆる「コントロールデッキ」である。まぁ作ってしまったものは仕方がない。……とここまで読むと「異様に面倒くさそう」な作業だが,一たび慣れだすと,デッキ作成は非常に簡単にできる。今回取り上げたのは僅か一例に過ぎない。コンセプトは無限に存在し,スペルを一枚変更しただけでも,デッキはまったく違った動きを見せてくれる。ぜひ一つのデッキを繰り返し使って練りこんで,色々なデッキと対戦し,「デッキを育て上げる喜び」を味わってほしい。 製品版では更に奥深い世界が我らを待っているのだ。 ■追記その1今回作成したサンプルデッキを「ここ」にUpしておいた(わずか817バイト!)。使い方については,日本語版発売元であるイマジニアのWebサイト内「こちら」に詳しい説明が掲載されている。必読。ぜひこのデッキと対戦して,「このデッキよえー」「こんなんボコじゃん」といった素晴らしいデッキを練り上げていってほしい。でも,あんまり苛めないでね。 ■追記その2カードゲームをやっている人ならすぐにでも理解できると思うが,今回のこのデッキはとてつもなく"相性の悪い相手"というものが存在する。まぁデッキなんて大体そうなっちゃうもんなんだけど。もっともヤバいのが ・エーテルバーン無効化のスキルを選択しているデッキ である。ダメージを与えることが,限りなく不可能になる。エンチャントをきっちり除去されるのも苦手だ。ほかにもアレやらコレやら苦手なデッキは存在するけど,そこはそれ。キーカードをツブされたり無効化されたりするとキツいのは,どのカードゲームでも同じ。15枚しかないこの枠を,さらに煮詰めて高い純度にしていただきたい。
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