Text by 真木孝一郎 1/2 ※すべてのカード名にはLinkが設定してあるので,ぜひクリックしてみてください ■はじめにさてそんなこんなで,前回に引き続いてデッキの話。ちょっと今回は濃い目にして,実際に一つ作ってみよう。デッキの作成画面には,さまざまな項目が用意されている。真に強いデッキを作るのであれば,その一つたりとも疎かにしてはならない。カードゲームは"引き"や"展開"によって影響される要素も多いが,構築上でやれることは全てやらねば。 ■各種設定項目・資源レベル1〜5の範囲で設定が可能。レベルが高いほど,より多くの資源が割り当てられる。レベル設定によって選択肢の幅が大きく変化するわけで,それぞれの環境はまったく異なったものになる。今回は,とりあえず最大レベルの5で話を進めてみることにする。 ・レベル ライフに直結。勝敗の決着方法はライフのみなので,資源の許す限り多くしておきたい。 ・アーティファクト 追加で取得できるスペルと考えるのが分かりやすい。問題は,消費コストに見合う効果を得られるかどうか。アーティファクトのコストは高く設定されている。作成するデッキの方向性と照らし合わせながら考えたい。 ・スキル ゲームに特殊な効果を与える能力。ポイント消費により,最高3段階まで効果を増やすことができる。中でも,2ターンに一枚追加ドローを行える《集中》はポイントを考えても十分お釣りがくる便利さ。ぜひ選択しておきたい。 ・特殊能力 スキルと似ているが,よりマニアックな方向にシフトした効果が,特殊能力だ。細かく色々なところをサポートしているので,デッキに合わせて選択しよう。また逆に,ここからイメージを膨らませてデッキを作るのもアリだ。 ・ルーン 上級スペルは使用時にルーンを必要とするなんていうことは,イマジニア公式マニュアル(「こちら」)を読んだ人には説明するまでもないルール。忘れずに確保しておこう。 ■デッキのイメージを描くまず最も大事なことは「何で勝つのかを明確にすること」だ。先に述べたように,勝利するには,先に相手のライフをゼロにする必要がある。ライフを減らすダメージソースには,下記のタイプが存在する。・クリーチャー 攻撃時にブロックされなかったクリーチャーは,敵本体にダメージを与える。たとえブロックされたとしても,一部クリーチャーにはパワーがブロッカーのタフネスを上回った場合に貫通して本体にダメージを与える能力が設定されていたりもする。 ・スペル スペルに関してだが,イーサーロード体験版においては,効率の良いダメージスペルは導入されていない。いないが,一応はあるので研究しておこう。《バーニング グレイブ》のように,条件次第で大量ダメージが入るものも存在するのだから。 ・アーティファクト ・エンチャント 一部エンチャントには,生贄を使用することでダメージを与えるものや,《エーテル バーン》のように条件次第でダメージが入るものが存在する。 ・エーテル障害 エーテル障害は,ルールによって定義されたダメージソース。ゲームが長期に渡った場合に発生するものだ。 以上がダメージソースの簡単な分類。この中の一つもしくは複数を選択したうえで,より細かいイメージを創造していく。 ■下準備要ともいえるクリーチャーには,色々なパラメータが存在する。・召喚に必要なエーテル ・パワー ・タフネス ・特殊能力 まずは,上記内容をエーテルコスト順にまとめた表を作成しよう。この表はイーサーロードの世界観の中枢を示している。表にすることで,効率の良いクリーチャーを容易に発見することができるわけだ。 そして除去スペル。相手のクリーチャーは除去するもので,自分のクリーチャーは除去されるものだ。 ・必要エーテル ・効果 これら除去スペルも,クリーチャー同様に表にしておこう。この二つを明確にしておくことで,お得なクリーチャー,使い勝手の良い除去スペルを判別しやすくなり,デッキ構築のスピード・グレードが向上する。初めて触れるカードゲームで全般で有用な方法だ。確かに面倒くさいけどね……。 ■カオットのデッキを構築してみようでは,実際に《混沌》なデッキを作成してみよう。前回記述した通り,現在使用可能なのは"ラット","壁","オーク"の三種。壁は殴れないからラットかオークでデッキを組みたい。ダメージソースとしても頼れる奴らだし。しかし"組みたい"と思って考えて気づいたのだが,パッと見て性能がふるわない。何度見ても今一つ,だ。ならば,ちょっとマニアックに壁をテーマにしてみることにしよう。 ●クリーチャー壁は三種類存在する。
《焦石の壁》ではちょっと心もとないが,後者の二つは,ほかのどのクリーチャーと比べてもまったく遜色のないがっちり感。タフネスだけなら圧倒的でさえある。とくに,2ターンめに早々と召喚できる《シリコンの壁》が心強い。赤緑合わせて,このエーテル域でほかに存在するスペルは……
まさに鉄壁であり鉄板。《シリコンの壁》《岩石の壁》をバランス良く配置することで,防御に関してはかなり満足のいく布陣が構築できそうだ。となると,次は肝心の「どのように相手を倒すのか」いう部分。いくら防御力があったところで,なにしろ壁であるから,これらはダメージソースには入らない。ほかのクリーチャーがイマイチだという理由から壁を選択したのであり,いまさら振り返っても仕方がない。ならばほかに何が……? ●ダメージソースでは,カオットのスペルの中からダメージソースをチェックしてみよう。
まず《ザップ》であるが,このデッキの性格上(ほかでもそうだと思うが)ノンビリ1ダメージを与えている場合ではない。一応クリーチャー除去に使うことも可能だが,先に挙げた2エーテル域のクリーチャーデーターを見れば分かるとおり,何も死にゃーしない。これは使い道なし。 《バーンアウト》。そもそも壁のパワーは最大1。これを入れても何がしたいのかまったく分からない。それに比べると《カタストロフィー》は明らかにダメージが入る。入るのはいいが,自分にまで入ってしまうのはどうかと思う。アグレッシブなデッキなら多少こっちの本体に入ろうと全く構わないが,壁を使用する防御的なデッキでこれを使用するのは,デッキに統一間もシナジーも主張もない。これでは強いデッキとはなりえない。 となると残りは,《バーニング グレイブ》と《エーテルバーン》の二種である。どちらもかなり面白い性能を持っている。 《バーニング グレイブ》 大量に相手クリーチャーを除去すればするほどダメージが入る。問題は,相手が同系の場合の泥試合っぷり。また,墓地からクリーチャーを取り除ける"ラット系デッキ"とも相性が悪い。 《エーテルバーン》 利点であり欠点なのが,このスペルがエンチャントである点だ。割れなければ(破壊されなければ)効果は大きいが,相手が対処スペルを組み込んでいる場合の寂しさはひとしお。 ……どちらも一長一短。ならば,ほかの要素を固めたうえで再度検討してみることにしよう。
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